断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

4/10の覚え書き

 簡単な深淵渦型の材料とレディ・ブラックバードを持って、新歓例会第二回に出席。
 行きに、R&R67号とシノビガミの3巻を購入していきました。


・1部
 待機場所にて見知らぬ顔が多いなあ、と思っていたら新人さんが13人の大盛況とのこと。先週のお二人は、たぶんきていなかったはずです。
 その中でRPG経験者はたった一人。
 ナイトウィザードのアニメから興味を持ったという方も数人おられたようで、知名度アップには役に立っていたのだなと、今更ながらに実感いたしました。見てないんだけど。
 2部も6人(2部から参加も含む)が参加され、運営はおおわらわでありました。
 どれぐらいが残られるのか全く読めないし、あと二週間でまた新しくこられるかたもおられるでしょうが、とにかくOBとしてできる限りのサポート(プレイヤーとしてセッション運営を手助け)を行うのみです。


 そんなこんなで、1部はOBであるOさんのクトゥルフの呼び声
 ベーシックを用いたホラーものでありました。
 大学病院に勤務する医者であるPCの一人が、前日の記憶がすっぽり抜け落ちているという怪奇を体験するところからスタート。手がかりを追ううちに、PCたちは殺人事件にまで巻き込まれていくこととなります。
 自分の役どころは探偵だったので、入れ込みすぎるゆえに組織に向かず、鬱病になってドロップアウトした元警察官で、アニマルセラピーとして引き取った元警察犬を事務所に置いているというキャラクターを作成。積極的に事件に関わっていく立場だったので、新人さんのPCを巻き込む方向で動いていきました。
 GMによるシナリオの作り込みと2回生Uさんのプレイヤーとしての味、新人さんの行動が面白い感じで噛み合ったセッションだったので、楽しんでいただけたのではないかと思います。
 終了後の雑談で、パラノイア話になってましたが、あのRPGのキャッチーさは偉大だなと改めて認識した次第です。


・2部
 自分がGMで深淵第二版。
 どうせ渦型をやるならと、R&Rについていた妖魔の市を投入してみました。
 記事ではニール・ゲイマン原作の映画『スターダスト』の冒頭で出てくる市について触れられていましたが、個人的には一年ほど前に読んだ同作者の小説『ネバーウェア』に登場する浮き市場のイメージが強く残留していたため、それを活用する形で出来事を作ることとなりました。
 新人さんは一人おられたものの、現役の方の知人とのこともあり、空気は緩め。


 『妖魔の市』の基本構造は問題を抱えたPCたちが、年に一度、夏至の日のみに姿を現す人ならざる者たちが集う市場にて、求めるものを探すというものです。
 深淵ゆえに、PCの運命に依存する度合いが非常に高いスタイルとなります。
 今回はPC4人のうち、二人の運命引きが爆裂。
 新人さんの夢占い師が選んだのは『呪われた魔剣』。ランダム3種から選んでもらったところ、冬翼の王ペラギス・グランの大槍となります。これが武器として尋常ならざる超性能でして、所持しているだけで周囲15kmの気温を15度低下させるという代物。武器の背負う運命は『不義の子』であり、プレイヤー全員と話し合って、主たるペギラス・グランを害するために盗み出されたものという設定を付加します。
 この時点で、何かを倒しに行くとかそういう話の線は消滅。ちょっと武器としては強すぎて、面白みを欠くからです。プレイヤーに、大槍の禍々しさと、冷気故に一所にとどまれぬ生を説明したところ、妖魔の市に魔の大槍を手放す方法を探しに行くという路線で、大筋を固めました。


 が、これで終わらないのが運命引きの恐ろしさ。
 3回生Yさんの弓兵による選択は『呪われた出自−ギュラニン党の暗殺者』&『血の渇き』。月に一度、童貞少年を殺して血を啜らなくてはならない吸血鬼暗殺者と化してしまいます。血の渇きの呪いの主は、ランダム引きの中から、冬への対比として夏の獣ルウンをプレイヤーが選択。オープニングで、嬉々として少年二人を殺戮していただきました。
 残りの二人はそれに比べれば比較的穏健。
 3回生Kさんの盗賊は『幻視』&『獣の子ら』、愛する家族の運命は『誓いの言葉』。獣に変じる運命を受けつつも平穏無事に家族を持つに至ったが、自らが狼に転じて妻子を喰い殺す幻視を幾度も見るようになった人物。妻は必ず呪いを解くと誓い旅に出てしまい行方しれずになり、ついには子供たちを友人に預けて本人も解呪と妻の行く先を探すため旅だった設定。
 OBであるKさんは獅子の戦姫で『友なる動物』。自分の命を救ってくれた軍馬が『死の予言』を受けていると知り、解決のために妖魔の市を探している人物となりました。獅子王教団関係者だけあって、武器を抜き放つに至る決断が異常な早さでして、オープニングで予言を告げた老婆を斬り殺す剣呑さでした。


 渦型なので、アドリブまたアドリブで設定をでっち上げつつ、セッションを展開します。
 市で古書を扱う龍の影なるものが告げるには、冬翼の王の「冬」、盗賊の家族への愛が象徴する「春」、夏の獣の「夏」、終止符をもたらす軍馬の「死」を有する一行に、欠けたるは「秋」であるとのこと。豊穣の王が求める3つの魔法の品を揃えることで、豊かなる麦を手に入れるべく、彼らは市場を巡ることとなりました。
 季節を巡らせることにより、終わらぬ冬の象徴ともいえる冬の大槍、その穂先である氷を溶かす儀式を行うおうというわけです。しかし、奪われた大槍を奪還すべく夢占い師を追ってきた、雪狼の戦姫ネージャも迫りつつあり、時間が進むに従って初夏であるはずなのに、市に冬の風と雪が姿を表し始めるという演出を行いました。


 紆余曲折ありながら、PCたちは無事3つの品を揃えます。
 まあ、弓兵が自分そっくりの生きているような人形を女人形師から勧められたり、石の庭園で盗賊の妻が石化しているのを発見したり、横道もあったりしたわけですが。
 最後は儀式を妨害しようとするネージャを食い止め、四季の循環が渦巻く中で氷の槍を消滅せしめることができました。獅子の戦姫は愛馬に宿った死を、北原の左右に陣取る不自然な二つの季節(永遠の冬と永遠の夏)に向けて解き放つと宣言。両勢力の力を減退せしめたという物語が作られました。


 エンディングは、次の通り。
 英雄、あるいは語り継がれるものになることを拒絶した夢占い師は、自分たちのなしたことの余波について噂し、英雄端への憧れを口にする市井の者たちに微笑みを浮かべながら、自身の物語に幕を下ろします。
 妖魔の市で、妻との思い出の品、自らの片目を差し出し、結局呪いを解く方法を見つけることができなかった盗賊は、石化を解かれた妻が目覚める前に姿を消します。市場で得た、亡者を映し出す瞳の力を用いて、解呪の方策を見つけ出すために。セッション中、あまりにも善きものであり続けた彼の明確な未来が語られることはありませんでしたが、きっと呪縛を解き放ち家族と共に幸せに暮らせたことでしょう。
 弓兵、というか吸血鬼暗殺者は、自らが出生の地であるラルハースの地方領主が城に向かい、人形師に連れ去られ帰ってくることのない双子になりすまします。領民は密やかに、彼女に貪り食われゆくこととなってしまいます。立ち向かう者がいずれは現れるのかもしれませんが、それはまた別の物語。
 獅子の戦姫は戦場に舞い戻り、戦いの中でついに軍馬を失ってしまいます。彼女は友なる動物に別れを告げると、戦士から女への変化に含みを持たせる感じで物語の幕引きを行いました。もっとも、苛烈な性格である彼女と釣り合う相手など、そうそうは見つからないでしょうが・・・。


 だいたいの流れは以上です。
 セッション本編は3時間でしたが、アドリブが今ひとつ乗らなかったのと、少し間延びした感じがあるので、GMとしては成功した感触がまるでありません。まさに運命カードに翻弄されたセッションでした(笑)
 新人さんに楽しんでもらえていればいいけど・・・。


・3部
 深淵に参加していただいた新人さんを混ぜつつ、久々にドミニオン(王国セットのみ)を数試合。
 あとはWローズの概要説明とか、新歓状況とか、だべりだべり。