断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

resolution再考(1)

 piroki師匠のところで、task resolutionとconflict resolutionの対比を話題にされていたので、それに関係したことを少し。
 なお、task resolution(TR)とconflict resolution(CR)のどちらがより優れているか、といった話に取られてしまうのは僕の本意ではありません。以前の記事は、conflict resolutionの紹介として書いたのであって、task resolutionをあげつらう意図は皆無です。
#その際に気になる反応があったので、念のため明記しておきます。
 実運用に当たっては、適所適材で用いればいいだけのことです。


 二つのresolutionの差異、それはプレイヤーの意志をどのようにセッションに反映するか、そのプロセスの違いに集約されると考えています。
 TRではプレイヤーの目的を、GMがルールで扱える単位(=一つ一つの行動)に分割して処理します。PCの準備や工夫はゲーム的に生きるし、緊張感も高まります。
 CRではプレイヤーの目的がほぼダイレクトに処理されます。展開されている物語を直接動かせるダイナミックさと、些事に気配りしないから感情の流れなどを断ち切られずに済むあたりが利点でしょう。
 この辺は師匠が丁寧に解説されている通りです。


 ややこしくなるのは、ゲーム上に欠くことができないもう一つのデリケートな要素がここに絡むからだと思います。
 「GMの裁量」がその名です。


 TRPGを成り立たせる暗黙の了解として「GMの公平さ(バランス感覚)をプレイヤーが信じる」ことがあげられると思います。それが失われればセッションは崩壊します。
 たとえ特殊なシステムとされるParanoiaであっても、GMが特定のPCを優遇したり、逆に集中的に攻撃したりしたら、セッションの場は保てなくなるでしょう。


 自由裁量の度合いが大きいCRは、ともすればプレイヤーの疑念を招く危険性があります。
 DitVのセッション・レポートに、ルールの扱いを巡って中断したということを書きましたが、原因はGM裁量の処理にプレイヤーが納得できなかったことに尽きます。僕自身、ずっとTR的な処理を行うゲームで遊んできたこともあって、CRを行う際の指針が曖昧だったのが響いています。
 対立するNPCのデータを公にしておくべきかどうか、とかそのあたりも指摘を受けました。
 DitVはなまじデータ的な処理を行うため、この問題が表面化しやすかったのだと僕は認識しています。


 うーむ、頭では理解しているつもりでも、簡潔な文章にできないため、自分の中でもまだ混乱が残っているのかもしれません。
 この項をしばらく続けて、もう少し掘り下げたいと思います。