断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

S7Sの背景世界リファレンス(2)

 七つの空を半分ぐらいまで。
 ヘボ訳な上、あんましまとまってませんがご容赦を。
 この後、七つの空の残り、雲島の概要、国ごとの詳細、魔法の力と宗教、飛空船と貿易、あたりまでは頑張ってみる所存です。
 英語力のなさが悲しい。先は長いなぁ・・・。


『七つの空』(前編)
かすみ(the Mists)
 かすみは早春をもたらします。暖かな空気が凍霜の空が残した雪と氷を溶かし、決して完全に晴れることのない綿のような厚い霧を生じます。巨大な鉢状の雲が縦横に繋がり、小さな雲に満ちていますが、かすみの中には広大な開けた空間が現れることもあります。これらの開いたスペースの外の旅は、ゆっくりした注意深いものとなります。なぜなら霧には多くの危険が潜んでいるからです。
 かすみと共に訪れるのは、島の居住者におなじみの鳥と虫、夏のものとは似て非なる植物だけではありません。水蒸気に濡れた細い枝から雫がしたたり落ちる様から、嘆き(Laments)と呼ばれる旋転木(wheeltree)が宙に浮かびます。船乗りにとって、それは不吉な前兆とされ、蒼の材木としての価値も夏のそれより落ちます。ザーガズム(Zargazum)と呼ばれる空に流され行く絡み合った植物群と、それを食する霧バッタ(Misthopper)もよく見られます。霧バッタは木バッタより繊細な味わいとされます。また、矢のような頭をした肉食獣、空鮫(Skyshark)が獲物を求め空を泳ぎます。霧の奥深くには神秘の麒麟(Qilin)が潜んでいると噂されています。瞬間移動する力を持ち、瞬きする間に広大な距離を旅するとされます。


密林の空(the Jungle Sky)
 密林の空は暖かさの増した晩春を運びます。ほぼ間違いなく、密林の空は七つの空の中で最も重要です。なぜなら、漂う旋転木がその名前の元だからです。旋転木は飛空船を建造するのに使われる蒼の材木(bluewood)の主要な供給源なのです。
 蒼の材木の名は、暗い青緑の葉と、コマドリの卵色(薄い青色とされる)をした材木が乾かされた後、青白くなることから来ています。それはがっしりとして弾力があり、不思議な力を持っています。雲島から七つの空へと放り出すと、他のものは真っ逆さまに蒼に落ちていくのに、蒼の材木は落ちることなく漂うのです。この特別な性質は飛空船を建造するのに必要とされます。世界の国々は、晩春の間に運良く島に落ちてきた授かり物を集め、多くは蒼の材木を刈り入れるべく密林の空に探検隊を送り込むというリスクを冒します。浮遊する以外は、蒼の材木はただの頑丈な材木と変わりませんが、コルドゥンは島に生えている木よりもこちらを魔法の道具の材料とする傾向があります。
 旋転木は、中央にある節くれ立った根から、おびただしい数の枝を翼のように広げます。ゆっくりと回転しながら、空の漂流物を引きつけ、それらから栄養を摂取することで、苗木から若木まで素早く生長します。動物たちの止まり木となるものもあり、居住者の落としていくものを食事とします。旋転木はとてつもない大きさに育つことができ、1ヤードほどの太さを持った「輪止め」を数百フィートに渡って広げるのです。旋転木の種の多くは木の実や果実を付けます。しばしば興味深い福次効果を持つため、金持ちや薬剤師、あるいは錬金術師やコルドゥンが探し求めます。
 旋転木はしばしば集まって、絡み合いながら小さな森を形成します。中には小さな泉を持つものすらあり、多種多様な動物が住んでいます。

 この森に住まうのは、島の住人に馴染み深い、鳥、蝙蝠、猫、昆虫、鼠、栗鼠などです。蒼き民(Bluemen)と呼ばれる原始的な人々が居住していることがあります。彼らの髪は、突飛もない色−通常は緑か青−ををおびる傾向があり、自然のものなのか染料を使っているのかは不明です。旅行者や伐採業者にとって、いずれは襲撃をかけて彼らを追い出そうとする蒼き民はやっかいです。中には、適切な珠や装飾具を贈り物として、彼ら樹上の先住民と付き合っていこうとするものもいます。地虫凧(Kite-grubs)と呼ばれる、尾の部分に薄膜を広げた、指ほどの大きさの地を這う虫は風に乗って飛び回ります。飛び出した輪状の歯や、堅い角を使って木に体をとどめる習性があるので、飛空船にとっては迷惑な存在です。五本の強靱な手を持つ猿烏賊(Monkysquids)は、果実や虫を主食とする賢く親しみやすい霊長類です。蜘蛛の巣蔦(Web Ivy)は木々に絡みつき、粉末状にして水に溶かせば接着剤の一種になります。木バッタ(Treehoppers)という大きな家猫と同サイズの昆虫が青い葉を食しており、焼くか茹でるかすればロブスターのような味わいです。野生のルク(Wild Ruqs)は巨大な雑食性の鸚鵡であり、密林の空に住まうものは、シャ・クで飼い慣らされている小さめのいとこよりも凶暴です。
 帆柱や帆に、木の枝や蔓や草木が覆いをかけたり絡みついたりしやすいため、密林の空を航行する飛空船の操縦は骨が折れるものとなります。雲島の特殊な霧(Fog)が多くの木々や小さな森を押し返すため、旋転木の立体迷路のような曲がりくねった経路ができあがります。主要な島々と幾つかの小さな島への経路は地図化されているので、風の衝撃や森同士が衝突して経路を塞がなければ通過できます。しかし、野蛮な蒼き民や空の海賊が経路の脇で待ち伏せをして、不意打ちを仕掛けることがあるので注意してください。


雷鳴の空(the Sky of Thunder)
 雷鳴の空の暖かな夏の雨は、世界に対する入り交じった祝福です。水は雲島に必要ですが、恐ろしく破壊的な雷が伴うからです。幸運なことに、島を取り巻く霧は、水と雷両方の力を大いに弱めます。
 永続的な大嵐により、雷鳴の空を無傷で通り抜けるのは、不可能ではないものの難しい事柄です。パターンを読み取り、穏やかな地帯を航行するだけではありません。経験豊富な操舵手と勇気ある艦長なら、すべての帆をあげて、強風を乗りこなす事により、再考の自艦をもたらすでしょう。雷の閃光が絶えず、不運な漂う物体に毒蛇のごとく襲いかかろうとしている時でさえ。雷のリスクはもたらされる速度と同等なのです。この巨大な台風の中にさえ、生物や植物が息づいています。
 空鯨(Airwhales)は、巨大な卵形の生物で、小さな目と広い口を片側に持ちます。翼もないのに空を飛び、希に蒼を泳いでいる姿も目撃されています。まともな主戦ほどもある最大の種であり、温厚ですが空鮫と同じ速度を持ち、心を読む力を秘めているとの噂もあります。何を食べているのかも不明な、謎だらけの存在です。風船花(Baloon Flowers)や金の瓶(Golden Vases)といった空飛ぶ花々も雷鳴の空を彩ります。これらは錬金術の素材として重宝されます。雨魚(Rainfish)は手のひらほどの空飛ぶ魚であり、空鯨の同類であると見られています。空飛ぶ花々を食べます。焼けばその肉は心地よい風味を放ち、老水夫に好まれています。雷鳥(Thunderbirds)は雷鳴の空に住まうとされる神秘的な生物です。巨大で瞳を持たない鳥であり、翼は銅でできているようにみえ、開かれることのない嘴は刃のように鋭く、青紫の雷がパチパチ音を立てる、と主張するものもいますが、未だに死骸一つ捕らえられてません。おそらく多くの組織、特にコルドゥンや錬金術師のもの、はそれに王の身代金を払うでしょう。