断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

S7Sの背景世界リファレンス(4)

 今回項目自体が概要説明だったので、ほぼそのまんまです・・・。
 雲島や国の名前の発音は、かなりテキトーです。それぞれモデルがあるのですが、その発音に合わせるほどの知識もないので。あわわ。


雲島(Cloud-Islands)

 雲島は羽根のように七つの空の風に浮かんでいます。大抵は円盤か鉢のような形をした陸地の破片です。蒼の少し上に浮かんでいるものもあれば、世界の果てに近いものもあります。飛空船や鳥は島の下を全く問題なく通過できます。神秘的な力により、島は相対的な位置や高度を保つ傾向にあります(イルワズを除いては)。
 それぞれ薄くほぼ透明な霧(Fog)に上部を覆われており、下部は不透明な薄い灰色の雲(Cloud)に乗っています。霧の守りが、島の居住者を七つの空の過酷な環境から保護しています。例えば、石塊の空が晩秋に島々を通過していくとき、高速で飛ぶ岩のほとんどは霧によってそらされます。最適の角度で突っ込んできた、非常に早く動く石のみが、島の地表にぶつかり砕けるのです。教会(the Church)はこの守りはヴァオツ(Vaoz)の慈愛がなせる業だとしていますし、コルドゥンは全ての生けるものの意志が結集だと指摘しています。学者たちはもっと深遠な理論をそれぞれに打ち立てています。それでもなお、それぞれの空が持つ様相は静かにこの守りをすり抜けてきます。凍霜の空の魂をも凍らせる寒さではなくとも、島の冬はやはり寒いものです。(島の霧はまた、七つの空のほとんどの植物相と動物相を遠ざけますが、いくらかの空鮫や空鯨は季節の間通り抜けてきます。)
飛空船は霧や雲の端を通って入港し、島の縁に到達します。これは慎重さを要し、熟練した操舵手が必要とされます。蒼の材木の浮揚性は島の大地にさしかかると変化します。再び重力にとらわれるのです。最も簡単な着陸は、開かれた空から雲を通って水場に降り立つよう操船することです。七つの空には、もっと複雑な停泊場所も存在しますが。
 岩だらけの内面から利を得ようとする島々では(建物にぶら下げる形の波止場や、価値ある鉱物のために重要地域を採掘するなど)、薄い雲が島を支えており、最良の環境でも難しいこと請け合いです。
 雲島において「北」とは炎の空の中心に向かう方向、従って世界の中心を指します。


主要な雲島の概要
 最小の雲島は直径1マイルかそこらですが、最大のものは順に、直径が10から1000マイルまでの大きさがあります。これらの主要な島々は、取引や戦争のために七つの空にこぎ出す人々が形成する、強力な国々を乗せています。ざっと古い順に並べると次のような国々です。


バラシ(Barathi)
 大洋と散りばめられた群島によって構成された巨大な雲島であり、バラシは七つの空におけるもっとも古い国家−帝国(the Empire)−の本拠地です。込み入った陰謀と復讐。バラシの貴族の一門(Noble Houses)は他の島々に対してと同じに、内部でもお互いに論争し、策謀を巡らせ、決闘するのです。島は、世界の頂上と蒼の、丁度中程に浮かんでいます。


ヴァイリディア(Viridia)
 荒涼とした、岩だらけの雲島であり、動植物の資源は限られています。ヴァイリディスは、バラシの急進派を追放する流刑地から、独立した戦士の国へと変じました。ヴァイリディス自治領連合(The alliance of Viridese Freeholds)は、戦匠(Warmasters)たちによって率いられ、領土拡張政策をとっています。実用主義の強力な人々で構成され、この地での名誉とは多少なりとも荒っぽいものです。ドームの高いところに位置し、他の島々を見下ろします。


コルロナ(Colrona)
 非常に広大な雲島であり、ドームの内ではバラシの下に位置し、砂っぽい砂漠から草に覆われた平原、そしてなだらかに起伏する木の生い茂った丘まで、変化に富んでいます。コルロナはかつて、バラシ、クロユ(Kroyu、失われた島クロイの国)、ヴァイリディスの入植地が争う場所でした。ついには、それぞれの幹たる親による枷から逃れ、独立国となったのです。クロイの滅亡後、コルロナはヴァオツ教会(Church of Vaoz)誕生の地となりました。二つの異なった国の本拠地を持つ唯一の島でもあります。封建制の王国(Kingdom)と神政政治の神国(Zultanate、スルタン主義体制のもじりを無理矢理こじつけました・・・)です。コルロナはロマンスと、信仰心と、名誉、そしてそられから生まれる相反が息づく地です。


クレイル(Crail)
 かつて、海賊の港があった肥沃な雲島の半分です。そこはクレイルワズ(Crailwuz)と呼ばれました。伝説に名高い失われた島クロイから魔術的な攻撃を受けて、砕けてできたのがクレイルです(そしてこの痛ましい一撃が、皮肉なことに、クロイの滅亡を引き起こしました)。攻撃は島を荒廃させ、大地はばらばらに砕かれて守りの霧は損害を被りました。そう、何世紀もの間。これにより大部分は不毛の地に変わりました。炎の空に近いドームの中程に飛ばされた、小さな島が幾つかの商用航路にかかることとなり、クレイルは全ての国々にとって重要な連結点の地となりました。本当に皮肉なことですが、失われたクロイの代わりとなったのです。この場所の重要性がゆえに、数百年前、当時は連合していたコルロナの軍が残っていた海賊共を鎮圧し、クレイルの独立政府を設立しました。今日、全ての島の中でもっとも国際的な地であり、文化、商業そして陰謀の交差点です。


イルワズ(Ilwuz
 頭蓋骨のような形をしたイルワズは、海賊の港であった肥沃な雲島、クレイルワズのもう半分であり、失われしクロイの魔術的な攻撃により破壊されました。攻撃の間解き放たれていた強力な魔法に曝された結果として、他の雲島とは異なりドームの中で固定された場所を持っていません。49日ごとに、謎の場所移動が起きるのです。更に言えば、イルワズで生まれたものは、どの空に彼らの故郷が位置しているのか常にわかります。たとえ世界のどこにいてもです。クレイルと違って、海賊の港が残されたままです。そこは自由を愛するものたち、荒くれ共、慣習にとらわれない放浪者の集団、一時滞在者、そして海賊たちの住処なのです。


シャー・カ・ラク(Sha Ka Ruq)
 シャー・カ・ラクは、蒼から浮かび上がったもっとも新しい雲島です。百年ちょっと前、密林の空を通って現れ、相当数の未開の蒼き民やひとつかみの島々から来た探検家や入植者、そしてもちろん海賊たちの住む地となりました。植物と動物の生命に富、鉱物と金属が不足しています。巨大な島はドームの下部に位置し、未だに蒼のすぐ近くです。シャー・カ・ラクの大部分は未だに未開の大自然が広がっています。謎に満ち、未探索なのです。


小さな島々の概要
 何千もの小さな雲島がドームに浮かんでいます。手つかずで居住者のいないものもあるでしょうし、独自の一風変わった土着文化を持つ住民が住むものもあるでしょう。多くは独特の資源か特徴を持ち、余りに多岐にわたるためここに書き出すことはできません。ほとんどの主要な島々は、一握りの小さな島々を入植地として、供給物資を貯蔵する場所として、保護領として、あるいは戦争の略奪品として収用しています。
 しかしながら、それは世界に数多く存在する航路から外れたところにある島々は探検家、征服者、そして交流の場として残されているという意味でもあります。