断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

ビハインド・ザ・マスク

 劇場公開されなかったひねりの利いたスラッシャー映画。
 DVDでさくっと鑑賞。90分ほどのお腹にもたれない殺戮ホラーです。
http://www.behindthemaskthemovie.com/


 全体の2/3ほどは、これから殺人鬼になると自称する好青年を、テレビスタッフが取材するという形式をとっています。なので、ジェイソンのような殺す側からの、クローズドサークルに追い込んだ犠牲者を一人ずつ殺害する緻密な計画や、スラッシャー映画の解題が語られるという流れです。ピンと来た方もおられるでしょうが、スクリームと似た切り口です。ただし、よりシンプルで、大笑いできる要素は少なめ。
 「クローゼットに隠れると殺人鬼が見逃すのは、そこが子宮を意味するから」「最後に生き残った女性(処女)が反撃に転じる時、小振りな銃ではなく、大きく太い武器を手にするのも同じように象徴するものがある」とか、ホラー映画の定番ネタを解析するあたりが笑える人にはお勧め、なのかな? 少しネタを割りますが、その方向で話を追えば、殺人鬼レスリーにとって何故この物語を組み上げる必要があったのか、とか、スタッフロールでの落ちの意味はわかるようになっています。露骨すぎなので言うまでも無さそうですが・・・。
 最後の1/3はアクションと大量殺戮が満載。仕掛けられた罠がわかっていてもパニックに陥ると避けられないのは、スクリームと同じ。


 ネタの掘り下げは妙に穿ちすぎですが、シンプルな流れはクトゥルフのネタとして使えそう。