断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

2010年度インディRPG賞の結果

http://www.rpg-awards.com/2010/index.shtml
 予想通りIndie Game of the YearはApocalypse Worldの圧勝。Best SupportとMost Innovative Gameにも輝いております。多くの面から称賛されていますが、個人的には古いRPGスタイルの新生(踏み込んだ形のクラス制、Old School的なGM手法を実践させるための制限、PCのアグレッシブで自由度の高い行動を引き出す仕掛け、フレキシブルでデータに依らないシナリオ形態など)を成功させたのが大きいかと。


 トランスヒューマンSFものであるFreeMarketはBest Production。デザインとボックス形態が大きな評価要因となったようです。緩やかなようでいて、扱うテーマが狭い分、部分的には(同じくトランスヒューマンSFの)Eclipse Phaseよりよっぽど尖った内容なのが魅力。実際に遊ぶところまで行ってない自分が言うのもなんですが、もっと高い評価を受けてもいい中身だと思います。


 Best Free Gameは初期のD&Dルールを用いたスペオペStars Without Numberが制しました。2位で同点だった、時計仕掛けのオレンジ的な世界を即興で創って遊ぶMisspent Youthと、昔のTVドラマのようなはちゃめちゃパルプSFを再現したDanger Patrol BETAの両作品もいい出来ですよ。


 海の向こうは、メインストリームでD&D4eやPathfinderなどのファンタジーものが猛威を振るっているためか、インディ系は非ファンタジーのジャンルが多い印象を持っておりまして、今回の結果にも顕著にそれが出ているのでは無いかと思います。今年はOld School HackやDungeon Worldなどが登場しているため、来年の賞はファンタジーものの逆襲が起こるのではないかと、密やかに期待しておりますが。
 なお、去年出た小規模出版系RPGのなかでは、何故か今回のインディRPG賞に登録されていないネイティブアメリカン・ファンタジーHow We Came to Live Hereも個人的に一押し。