断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

6/11の覚え書き

 キャンペーンの中休み日。
 さほど雨が降らなかったため、助かりました。

1部

 OBのSさんGMによる、ゴーストバスターズRPG。
 86年に誕生した、ダイスプール・ルールの元祖と言われるシステムです。
 映画のパラレルワールドであり、ゴーストバスターズがフランチャイズ化した現代世界の、ゴーストバスターズ社員たちを遊ぶコミカルな内容となっております。


 時は2011年7月。
 地上デジタル化を目前に控えた東京で、地デジ推進協会の会長が急死。そのゴーストがアナログテレビに閉じこめられてしまう、というところから話はスタート。その一方、アナログ守旧派秘密結社はテロも辞さない覚悟で陰謀を企てるのであった。ただし、結社構成員は僅か4名、会合場所は秋葉原のメイド喫茶、メンバーは全員熊の被り物をするという、ていたらくのなんちゃって結社なわけですが・・・。


 時事ネタを得意とするSさんらしい仕込みが各所に見られ、楽しませていただきました。電波と幽霊の存在領域の重なりと、その結果デジタル化により未知なるゴーストが誕生する危険性、という着眼点は純粋に興味深かったですし。
 うちのPCが推進協会会長の甥っ子という設定を(勝手に)つけたのを拾っていただき、若干重点がぶれた感もあり、やり過ぎてないかが少し心配だったり。

2部

 自分がMCでApocalypse World。
 灰色の森に侵食された世界。そこに点在するコミュニティを支配するのは、成年に達したものは森へと去るという法。ねじれ蔓で編まれたゆりかごに抱かれる、子供たちだけの終末、というコンセプトの設定構築を行いました。そして、そんなコミュニティの1つに、ある日“大人”が姿を現す。
 リリカルな路線すら想像できる始まりです。
 プレイヤーの選んだPCタイプは、タッチストーン、チョッパー、ブレイナー、マエストロ・ディー。


 が、ボンクラMC(つまり僕)の頭にあったのは「荒廃した航空の滑走路でデス・レース!」との思いのみ。初っ端から、ヒャッハー世紀末のノリ全開で飛ばします。情緒もへったくれもあったもんじゃこざいません。
 プレイヤー設定のPC弟の傍若無人や、行商人の歪んだ性的嗜好をしゃべくるあたりオーバーアクト気味で、プレイヤーのKさんから「マスター、楽しそうにやりすぎ」と後でツッコミを受ける始末。


 このまま思惑通り血と暴力の饗宴、すなわちデス・レースに突き進むと思いきや、さにあらず。
 外から来た“大人”が理想のために戦うタッチストーンだったことも影響し、成人を生け贄のように森に捧げるシステムそのものへの疑問が中心テーマとなっていきます。
 適当なところで突っぱねるなりして切り上げ、デス・レースを開始するのがよかったのかもしれません。しかし、終末世界の構造は一通り想定があったのが災いして、芋づる式に引き出されてしまいます。
 結果、PCたちかなり非道だが必要な世界の再生プロセスを目の当たりにすることとなります。プレイヤー4人中3人が、即座に納得許容したのが、個人的に可笑しかったのは内緒。
 当然のようになかったことにされるデス・レース&用意した相手NPC。しくしく。


 そんなわけでラストシーンは次のようになりました。
 森の外に暮らす大人たちのもとに帰ったタッチストーンが、森の主を打ち壊す準備を進めるなか、上空に風を切る音が響き渡ります。そこに浮かぶのは軍基地から回収・修繕された輸送用ヘリ。
 文明の生き残りかと喜び手を振る大人たちに、ヘリの中では「ボス、あいつら歓迎してくれてやすぜ」「はっは、それじゃプレゼントを返さなきゃな」という会話が交わされ、マスタードガス催涙ガスが投下されます。
 間もなく山刀を手に取った子供たちが舞い降り、大人たちの首を刈り取る祝宴が繰り広げられることでしょう。
 プレイヤーによるBGM指定は「ワルキューレの騎行」。
 今回もやっぱり世紀末すぎました。仕方がないね。


 GMとしての反省点は多く、特にシーンを切らなさすぎた点、ハンドアウトによる動機づけや関係者設定で手を抜きすぎた点、などが申し訳ないばかり。
 途中で準備の枠を踏み越える方向に歩み出したものの、止めなかったため、だらだらの6時間セッションとなってしまったのもよろしくありません。MCのアドリブ能力も低下するしね・・・。
 次回予定されている7/2のMCでは、ぐっと改善した楽しいセッションにしたいところです。