断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

大破壊阻止株式会社

 メガ・バンドルの内容チェックで意外に出来がよさそうだったのが、Apocalypse Prevention, Inc.
 現代世界を舞台に、忍び寄る超自然の脅威から人々や地球を守る、というコンセプト。PCが人間に限らず、数種類のデーモンからも作れる点からは、ヘルボーイ的な匂いがしますが、実際は陰謀ものからブラックユーモアまで多彩な切り口で遊べる模様です。
 キャラクター作成は、種族と感情(それに沿った行動をすれば経験点が増える)を選んでのポイント割り振り制。能力、技能、以外に特殊な背景や特徴を自由割り振りポイントで取得可能です。弱点を取ってこのポイントを増やせるあたり、GURPSとか旧WoDを連想。カンフーアクションから、カスタマイズ可能な魔法の力、サイバネ装備まで多様な選択が可能です。魔法とサイバー装備は排他的ではないため、片腕を機械化してサブマシンガンを仕込んだ、狼人間のテレキネシス使い、とかも作れるみたいですね。ポイントが足りるかは計算していないので不明ですが。
 PCとして選択可能な種族は、コアルールで10種類ですが、奨励されるのは人間を含めた7種族です。尻尾付きのデーモン、姿を変幻自在に変えられるチェンジリング、半魚人、幽霊、吸血鬼、狼人間と定番揃い(設定は少しひねってあるけど)です。異種族の半分ほどは、外見からして容赦なく怪物です(例:深きものどもっぽい半魚人)。洋物特有の色気の無さが、ナイト・ウィザードなどとは一線を画するところでしょう。プラスかマイナスかはわかりませんが(笑)
 ベースのルールは、能力+技能+1D20が難易度(10,20,30,40)以上なら成功というシンプルなもの。出目が20だと自動で大成功(ただし難易度40の時と戦闘は別)、1だと自動で致命的失敗となります。
 戦闘は、1ラウンドを20カウントに分けて、手持ちの行動オプションとスタミナを秤にかけながら、複数の行動を選択していくという、それなりに戦術的なものとなっています。駒を使って行う戦闘でこそありませんが、用いられる戦闘ステータスと行動オプションの数値は細かく算出されており、それなりに緻密なものだと推測されます。
 キャラクターのデータ的カスタマイズ度が高く、戦闘時の行動も含めて、キャラクターの個性が反映されるように作ってあるのが一つの売りでしょう。その分、キャラクター作成に時間がかかってしまうのが難と思えます。一部の一般技能からも戦闘ステータスが影響を受けたりする上に、弱点込みで自由割り振りができてしまいます故。あとコアルールブックの構成が少しルール把握を妨げているかも。
 世界観や戦闘システムはそれなりに見るものがあるため、余裕があったら遊んでみたいシステム。
 メガ・バンドルにその時点で販売していたコアルールブック&ソースブック2冊が全部入っており、商売として投げてしまったのかと一瞬思ったのですが。丁度昨日、新しいソースブックがDriveThruにて販売開始されており、まだまだ継続する気はあるようです。