断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

DitV深淵 下書き(2)

 付き合いでも飲みに行くのは相変わらず苦手です。主にお酒が。
 というわけで作業が順調に遅れて、目の色が変わってきた寒い冬の夜、みなさまいかがお過ごしですか?
 判定処理もだいたいまとめました。実例が長々と書かれているので、ざっくりカット。A3用紙2枚分ぐらいかなあ、キャラクター作成と合わせて。
 時間があれば、深淵っぽさをもう少し反映させたいところです。シナリオ作成もあるから、ちょっと難しいか。


●争いと解決
▼概要
このゲームにおける行動の解決は、賭け事に似た形式でもってなされます。
争いが起きた時点で、何が賭けられるのかを決めます。状況と、関与するキャラクターを決定し、参加者は一斉にダイスを振ります。あとはポーカーのように、一人のキャラクター「レイズ」によって2つのダイスを場に出し、対抗するキャラクターは「受ける」としてその合計値以上のダイスを出します。これを順番に続けていき、ダイスの尽きたものは敗北します。途中で降りる事も可能です。
「受ける」際のダイスが3個以上になった場合、そのキャラクターは争いの終了後に「余波」を被ります。きつい言葉、拳、短剣、長剣などで傷を負ったこととなるのです。
負けそうなら、状況をエスカレートさせることで、ダイスを増やすことが可能です。話し合いがうまくいかないから、剣を突きつけるといった具合に。


▼単純な場合
一対一のケースです。
まずは賭けるものを決めます。「憤怒して殺戮に向かう友を止める」「秘密を聞き出す」「先を進む馬を妨害する」「儀式を中止させる」「戦いに勝利する」などセッションを進行させるためのものならなんでもかまいません。対抗する相手や状況が無い場合、自動的に成功します。ただし、「彼に悔悟させる」というのは問題ありませんが、「血を流すことなく彼を悔悟させる」というのはみとめられません。成り行きは争いを通じてもたらされるものだからです。
次に取り巻く状況を決定します。争いの間の描写に役立つでしょう。
そして、関与しているものを確認しますが、この場合は二人です。
さて、それではダイスを振りましょう。能力から状況に応じたものを二つ選び、合計分を振ります。一般的には、会話:技量+心魂、戦闘以外の肉体行動:肉体+心魂、格闘戦:肉体+意志、武器戦闘:技量+意志、となります。
ここに縁故を加えます。縁故に相手の名前があったり、賭けの内容に縁故の人物が乗っていたのなら、その分を振るダイスに追加するのです。
特徴のダイスは、その特徴で実行可能と思われる行動を取るときに追加できます。ただし、一つの争いにおいて、一度しか供給できません。後述する「レイズ」と「受ける」際の描写に沿って出すことも可能です。
物は、キャラクターの所持品であり、特徴と同様の方法でダイスを追加できます。状況や設定からしておかしくないのなら、所持品にない物を持ち込むことも可能です。その場合のダイスは、1d6か1d4となります。
「能力」「縁故」「特徴」「物」のダイスが揃ったら振りましょう。振られたダイスは手元に置き、ここから「レイズ」と「受ける」を用いた争いが始まります。一対一の場合は、仕掛けた側が先にレイズします。
「レイズ」は相手が無視できない能動的な行動です。攻撃、と言い換えることもできますが、暴力的なものである必要はありません。「レイズ」は手元のダイスから2つを選んで前に出し、その出目を加算することで為されます。合計が大きいなら、より相手に響く言葉や、素晴らしい斬撃ということになります。前に出す際は、必ずどのような行動を取ったのか描写してください。
「受ける」はその行動に対する反応です。受ける側は、手元のダイスから合計の出目が、相手の「レイズ」以上になる分だけ前に出します。数は一つでもよいし、3個以上でもかまいません。レイズと同様に、どのように対処したのか描写してください。ただし、「受ける」は用いたダイスの数によって、内容が変化します。
「受ける」場合のダイスが1個で済んだのなら、「反撃」という扱いになります。「受ける」用いたダイスを破棄せずに別の場所に置いておき、次の自分の「レイズ」のダイスの片割れとすることができるのです。
「受ける」のダイスが2個なら、「妨害か回避」が成功したことになります。
3個以上のダイスを「受ける」のに用いたのなら、「一撃を受ける」こととなります。一撃を受けた場合は、「余波」ダイスを争いの終了時に振らなくてはなりません。「受ける」に用いたダイス数と、その時喰らった攻撃の種類によるダイスをメモしておいて下さい。用いるダイスの種類は、非肉体ならd4、肉体的なものならd6、短剣などの小型武器によるものはd8、殺傷能力の高い武器によるものはd10です。例えば、短剣による「レイズ」をダイス4個で「受ける」なら、4d8の余波ダイスが発生します。
こうして双方が「レイズ」と「受ける」を繰り返していき、片方のダイスが尽きた時点で争いは終わります。ダイスが残っている側は勝利し、賭けられていたものを手にすることができます。


▼エスカレート
ダイスが尽きてしまったら、おとなしく負けを受け入れねばならないのでしょうか?
そうなっても状況を「エスカレート」させることで、十分に逆転できます。エスカレートさせた場合、争いは別エリアに移行します。つまり、会話で言いくるめることができなかったので、力ずくで抑え込もうとするとか、そんな展開になるわけですね。
エスカレートで争いの状況が変化すると、それに応じた能力ダイスを追加できます。それまで「技量+心魂」で会話していたところに、「肉体+意志」の格闘にエスカレートさせたのなら、「肉体+意志」分のダイスを振ることが可能になるのです。ただし、1つの争いにおいて、能力ダイスはそれぞれ1回しか供給されません。つまり、会話から、「技量+意志」の武器戦闘に移ったのなら、意志のダイスしか振れないわけです。
「特徴」と「所持品」からもダイスを追加できます。「組み打ちに長けている 1d8」とか、短剣を抜いたなら「上質の短剣 2d6」などが加えられます。
エスカレートされた相手側は、同じ争いのエリアに移行して、自分もダイスを追加することができます。あるいは(余波を鑑みて)前のエリアで踏ん張ってもかまいませんし、相手を傷つけたくないので、争いの領域を移行することをせずに、勝負を下りてもかまいません。
下りない限り、キャラクターシートに記載されているダイスが尽き果てるまで争いを続けられます。なお、エスカレートは必ずしも、非暴力から暴力的な物へと加速していくわけではありません。つまり、武器戦闘で消耗したもの同士が、会話で争いに決着をつけることも起こりうるということです。


▼特徴と物の使用
「特徴」は適切であれば、「レイズ」と「受ける」の応酬にいつでもダイスを投入して使うことができます。一見欠点と見える特徴でも扱いは同じです。「近視なので眼鏡が欠かせない 2d10」であっても、「眼鏡を落としそうになって頭をすぼめたら、剣がその上を通過した」とか、「状況をはっきり見るために眼鏡を調整する」などでも2d10追加できるわけです。
「所持品」も同様です。剣を引き出した時点で、巨大な剣であれば1d8+1d4が追加されます。
状況がエスカレートしても、即座に関係する「特徴」や「所持品」ダイスを加える必要はありません。「レイズ」や「受ける」の描写に絡めた後にダイスを振って、必要ならそのダイスを進行中の「レイズ」や「受ける」に使うことが可能です。
すぐに使わないのは駆け引きのためです。既に振ってしまったダイスはオープンであるため、相手はそれを計算に入れた上で「レイズ」や「受ける」を行ってくるでしょう。例えば、低い目で「レイズ」が行われたのなら、「特徴」を投入して「反撃」を狙うなどといった行動が可能になるのです。もちろん追加されたダイスの出目次第という、確実性のない切り札なわけですが。


▼下りる
「受ける」代わりに「下りる」ことができます。その場合、「一撃を受ける」ことはありません。賭けられたものに傷を受けてまで争う価値はないと見なすか、続く争いでよりよいものを賭けるか、あるいは単に勝てないと分かったからか。理由はなんであれ、望むならいつでも下りることができます。
「レイズ」の代わりに「下りる」のならば、最も高い出目のダイスを1つ保持することができます。「続いての争い」において、最初のダイスを全て振った後に、この出目を加えることができます。前の争いにおいて、勝ちを譲った代価が得られるわけです。


▼余波
争いが終わるところで、「一撃を受ける」を喰らっていた場合は「余波」ダイスを振ります。まず、その争いで受けた全ての余波ダイス(メモされているもの)を全てふり、最も高い出目を二つ選んで合計します。例えば、会話で3d4、格闘で4d6を受けていたのなら、それを一斉に振ってください。出目が、1 1 3 4 5 5 6なら11の傷を受けます。
余波の合計値が7以下なら短期間の結果を被るだけで済みます。以下から一つを選んでください。

 ・次の争いにおいてのみ、一つの能力を1低下させる。
 ・次の争いにおいてのみ、新たな1d4の特徴を得る。
 ・次の争いにおいてのみ、一つの縁故のダイスをd4にする(例:2d8なら2d4になる)
 ・キャラクターはシーンから去り、一人で過ごすのにしばしの時間を費やす。続けての争いを誰も引き起こさなかった場合にのみ選択可能。

余波の合計値が8以上なら、長期間の結果を被ります。以下から一つ選んでください。

 ・一つの能力を1低下させる。
 ・新たな1d4の特徴を得る。
 ・新たな1d4の縁故を得る。
 ・既存のd4の特徴か縁故のダイスを1つ増やす。
 ・既存のd6+の特徴か縁故のダイスを1つ減らす。
 ・既存の特徴か縁故のダイスをd4にする。
 ・キャラクターシートに記載されている所持品を一つ消す
 ・跡を残すダメージにより、黒き鎧の描写を書き換える。黒き鎧のダイスをそれに従って引き下げる。

合計値が12以上の場合、「負傷」を被ります。まずは、長期の結果リストからもう一つ選んでください。加えて負傷の度合いを見ていきます。
合計値が15以下なら、「肉体」のダイスを振ってください。高い目を上から3つ取り出して、合計した値が現在の余波以上なら、治療を受けなくても復帰できます。足りなかった場合、現在の余波を16に引き上げて次の処理に移行します。
余波の合計値が16以上なら、治療を受けることが必要となります。新たな争いを開始してください。負傷したキャラクターの「肉体」と、治療を行うものの「技量」に加えて、関係のある「縁故」「特徴」「道具」があればもちろん足すことができます。もし治療を行うものがPCなら、そのプレイヤーがダイスを振ってください。GMは「余波」ダイスを全て振り直し、「魔族の影響(後述)」ダイスを加えます。賭けられるのは、キャラクターの生存です。治療者はこの判定における余波を受けることとなります。治療者が勝ったのなら、PCは助かります。そうでなければ、現在の余波を20に引き上げて処理を続行します。
余波の合計値が20なら、そのキャラクターは死亡します。次から一つを選んでください。

 ・すぐさま死ぬ。
 ・死ぬまでの間のシーンを設定する。

お気づきのように、武器戦闘によるd10余波で二つの出目が10にならない限り即死はありません。そうでなければ、少なくとも治療を受ける機会を得ます。また、会話などではd4の余波しか受けませんから、せいぜいが長期の結果止まりです。


▼経験
さて、余波ダイスの出目を再度チェックしてみましょう。中に1の出目はありませんか? もしそうなら、キャラクターは争いを通じてよいものを得ました。次の中から一つを選んでください。複数の1が出ても、一回の争いに一度しか選べません。

 ・一つの能力を1加える。
 ・新たな1d6の特徴を作る。
 ・既存の特徴一つに、ダイスを1つ、追加するか低下させる。
 ・既存の特徴一つの、ダイスの大きさを変更する(増やすか減らす)。
 ・新たな1d6の縁故を作る。
 ・既存の縁故一つに、ダイスを1つ、追加するか低下させる。
 ・既存の縁故一つの、ダイスの大きさを変更する(増やすか減らす)。
 ・キャラクターシートに新たな所持品を書き加え、適切なダイスを与える。

余波によって生じるキャラクターの変更は、望むものを選択することができますが、争いで起こったことに合致する説明が行えなくてはなりません。もし、他のプレイヤーが一人でも異を唱えたのなら、もっと上手く説明するか、言葉を尽くすかして、その人物を納得させてください。(プレイヤー同士でアイデアを出し合ってもよいと思われます)


▼続いての争い
一つの争いが終わっても、それに伴う状況変化で「続いての争い」が発生する場合があります。その場合、いくつかの特別な考慮すべき事柄が付随します。

・先の争いの結果が、賭けられるものに直接関わってくる場合のみ、「続いての争い」として数える。
・以前の争いと同じものを賭けるには、関係するキャラクター、舞台設定、争いの領域、の全てが異ならなくてはならない。例えば、一度会話を通じて真実を聞き出すのに失敗すれば、争いはそこで終わる。同じ賭けを用いた「続いての争い」にしたいのなら、別の時間か別の場所で相手を捕らえ、仲間と共に争いを開始し、会話のみで済ませてはならない。
・もし、先の争いで自分がレイズする手番で下りていたのなら、一つのダイス目を残して、「続いての争い」にそれを加える。
・誰も気にしないようなNPCの余波ダイスは、最も高い出目のダイスを二つ選び、GMがPCに与えることができる。それらは次の争いで使用することができる。(状況が適切と思われた場合のGMオプション)


▼縁故の利用
縁故ダイスは先に述べた基準で、争いの最初に振って能力ダイスに加えることができます。縁故の割り振り先と、ダイスを利用できる条件としては次のようなものがあります。
 個人:「その人物が相手」「その人物が賭けになっている」「進行中の争いにその人物が駆けつけてキャラクターの行動を手助けする」場合は、ダイスを振ることができる
 組織や階層:「相手が、その組織や階層において権威ある人物」「賭けられているものが、そのキャラクターの組織や階層における地位に関わると見なされる」場合は、ダイスを振ることができる
 場所:「キャラクターがその場所にいる」「その場所が賭けに含まれている」の場合は、ダイスを振ることができる
 罪:「キャラクターがその罪を犯し、それが争いに関係している」「キャラクターは罪を犯すことに抗い、それが争いに関係している」「誰か(PC、相手など)がその罪を犯したことが、賭になっている」場合は、ダイスを振ることができる
 魔族:「その魔族がキャラクターの相手となっている(力を与えられたものや取り憑かれたものを通してでも)」「その魔族が賭けになっている」場合は、ダイスを振ることができる
魔族への縁故を盛っている場合、助けを求めることもできます。その場合、状況に置ける「魔族の影響」ダイスが加算されます。おそらく、目に見える魔法的な効果を持って。これは魔族に仕え、魂を握られることを意味します。


未使用の縁故ダイスは、いつでも新たな縁故にすることができます。名前と、割り振られたダイスをキャラクターシートに記載してください。争いの最中に新たな縁故を割り振り、それが相手か、賭になっている大正ならば、即座に新たなダイスを振って争いに供給してください。


▼複数の相手
争いの参加者が二人を超えている場合は次のように処理します。

 1.最初に振ったダイスの中で最も高い二つを選び、合計値を全員比較する。その値が高かったものから順にレイズを行う。
 2.「レイズ」を行った場合、影響を被るもの全員は「受ける」を行わなければならない。「レイズ」したものは誰に用いるのか決定し、どのような手段を用いるのか描写を行う(特に複数に影響を及ぼす場合は方法が重要)。
 3.このようにして、参加者全員が1回のレイズを終えれば、次のラウンドに移行する。ラウンドが変われば、手持ちのダイス出目によって、行動順が入れ替わるかもしれないので注意すること。

「レイズ」と「受ける」の描写は、戦闘の流れや、他キャラクターの行動を引き継ぐ形で行うと、面白い活劇描写に繋がるかもしれません。


▼手助け
もし仲間が共に争いに参加しているのならば、お互いに助け合うことができます。
仲間の「レイズ」や「受ける」に、自分のダイスを1つ与えることができるのです。この場合、直接的であれ、間接的であれ、どのような手助けを行うのかを描写してください。参加者全員が、その行動が妥当だと認めればダイスの付与が実行できます。流れ的にあり得ない行動であれば、通らないかもしれません。
いずれにせよ、手助けを行うと次の自分の「レイズ」は1つのダイスで行わなくてはなりません。また、次の自分の手番が回ってくるまでに、複数の対象へ手助を行うことはできません。
手助けをもらったキャラクターの「受ける」は、手助けダイスを含めない数で行われたと見なされます。つまり、自分で1出して、手助けで1もらえば、使われるダイスは2個ですが、1個と見なされるため「反撃」が行えるのです(その場合、次の「レイズ」は、今回「受ける」に使った出目の合計値+ダイス1個で行えます)。「一撃を受ける」ことになっても、生じる余波は1個少なくなります。


▼儀式を用いる
(世界観に合致しないため、使用しないか、調整して一部のみ使う予定)


▼魔族の影響
いくつかの争いで、GMは「魔族の影響」ダイスを振ることがあります。PCが、村などで起きている出来事を、どこまで明らかにしているかにより、ダイスの数は異なります。
(要世界観による調整のため、記載せず)
用いられるのは3つのケースです。
キャラクターが負傷し、治療を受けたのなら、振られた余波ダイスに魔族の影響ダイスを加えて、治療の判定を振ることになります。余波判定無しで死にかけている(例:キャラクターの生命が賭けらた争いの結果など)ならば、4つのダイス+魔族の影響ダイスを振って、治療者と争います。ダイスの大きさは、殺傷武器なら4d10、短剣で切られる、刺される、吊される、棍棒で殴られるなどなら4d8、首を絞められる、踏みつけられる、落下、溺れるなら4d6となります。
相手が定かではない争い(家捜しなど?)を行う時は、4d6+魔族の影響で行います。
魔族に仕えるものが助けを呼んだのなら、魔族の影響ダイスは特徴や物と同様に、そのキャラクターの争いのダイスに加えられます。