断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

DitV深淵 下書き(1)

 キャラクター作成まで。
 銃の代わりに剣を用いる世界なので、Forgeのアドバイスに従い、能力の呼び名を一つ変更しています。
 肝である「争いと解決」のルールに現在着手中。


深森の黒犬たち Dogs in the Vineyard
●設定の概要
Dogs in the Vineyardは本来、19世紀半ばを舞台にしたファンタジー西部劇です。背景設定だけでなく、PCがモルモン教をカリカチュアした信仰の聖職者としているなど、少々わかりにくいところがあります。
なので、今回はファンタジーRPG『深淵』の世界を背景に使います。
#公式設定に沿ってはいますが、肝心なところは曖昧にしています


北原にて、魔人が支配する地として知られるユラス男爵領。夜の女神と黒き騎士の侯爵を信仰するこの地には、漆黒の鎧に身を包んだ黒騎士として知られる騎士たちがいる。いずれも一騎当千の強者であり、妖魔との戦いばかりでなく、男爵の密命を受けて各地に暗躍すると言われる。豊かとは言い難い北原最北の国であるが、ユラス男爵は手綱を締めて治世にあたり、戦乱に揺れる北原にあっては揺らぎの少ない地とされてきた。
だが、状況は変わりつつある。ワールの森における妖魔の活発化に加え、各地の戦乱から逃れてきた流民が国内に入り込み、統治が綻びつつあるのだ。その隙を突くかのように、魔族や妖魔の影響が人々に及びつつある。元来、国土の半分を森林に覆われた男爵領において、村々は孤立しがちである。掌握が弱まった現在、連絡が疎な地域に魔族の手が伸びているのだ。人々の弱さにつけ込む形で。
対策として施行されたのが、黒騎士団の人員増強と、若き黒騎士を孤立した封土や村の見回りに出すことだった。彼らは、親衛隊として向かい入れられるには、まだまだ若輩である。しかし、黒き鎧の背負った権威は、動揺した人心を抑え込むのに効果を発揮した。加えて、騎士団の拡張を名目として、家系に依らない才能ある人材の登用を行った側面もある。
若き黒騎士たちは、命令の通達、手紙の配達、闇の女神を崇める儀式の手伝い、厄介ごとの解決などを任務とする。時に妖魔と戦い、魔族の影響下にあるものを排除する。ひょっとすると、地域の権力者と対立したり、救うはずだった人々から恨まれることさえあるだろう。PCたちはそんな中、正しいと思われる決断を下していかなければならない。


●キャラクター作成
▼背景
次から一つの背景を選んでください。

 バランスのよい発達
  直接的で均衡がとれた、有能なキャラクターとなります。
  能力ダイス:17d6
  特徴ダイス:1d4 4d6 2d8
  縁故ダイス:4d6 2d8


 強固な経歴
  よい教育、多くの経験、あるいは特別な訓練を受けています。
  能力ダイス:13d6
  特徴ダイス:3d6 4d8 3d10
  縁故ダイス:1d4 3d6 2d8

 複雑な経歴
  困難や危機を克服したことがあるか、能力が試される教育を受けました。
  能力ダイス:15d6
  特徴ダイス:4d4 2d6 2d10
  縁故ダイス:5d6 2d8


 強固なコミュニティ
  社会的に熟練しており、強い繋がりのある社会出身で、家族の世話などをしています。
  能力ダイス:13d6
  特徴ダイス:1d4 3d6 2d8
  縁故ダイス:4d6 4d8 3d10


 複雑なコミュニティ
  社会的に弱いか、崩壊した社会出身で、危機に陥っているか、酷い家庭環境でした。
  能力ダイス:15d6
  特徴ダイス:6d6 2d8
  縁故ダイス:4d4 2d6 2d8 2d10


▼能力
能力ダイスを4つの能力に全て割り振ってください。それぞれ最低値は2d6で最大値は設定されていません。

 技量:知覚、警戒、教育と訓練の度合い、賢さ、明敏さ、博識などを示します
 肉体:体格、健康度、強さ、強靱さ、筋力、優雅さ、機敏さなどを示します
 心魂:思い遣り、魅力、穏やかさ、勇気、我慢強さ、誠実さ、好感度などを示します
 意志:粘り強さ、積極性、度胸、不屈、強い意志、揺らぎ無さなどを示します

通常、能力は1つで使われません。2つを組み合わせて使います。例外の一つとして、負傷した際にそれが致命傷に移行するかの判定で、肉体を単独で用います。

 会話:会話や非肉体的な行動の判定は「技量+心魂」
 肉体行動:非戦闘の肉体行動の判定は「肉体+心魂」
 格闘戦:殴り合いや組打ちの判定は「肉体+意志」(短剣などを含む)
 武器戦闘:殺傷能力の高い武器を用いた判定は「技量+意志」


▼特徴
キャラクターの特徴をいくつか考えて、特徴ダイスを全て割り振ります。特徴は短い一文で自由に設定することが出来ます。
特徴は、過去を示すフレーズでも、技能としてのフレーズでも、態度としてのフレーズでもかまいません。例えば「父と共によく馬の背に揺られたものだった」「馬術家」「馬と共に働くのはとても満足感がある」は、いずれも乗馬と馬の世話などを行うほぼ同じ扱いとなります。
一つの特徴には複数のダイスを割り振ることも可能です。しかし、ダイスの種類は同じものにしてください。「馬術家 2d6」は問題ありませんが、「馬術家 1d4 1d6」は認められません。
4つか5つの特徴にダイスを割り振ることが奨励されています。キャラクターの着想にとって重要だと考えられる特徴により大きなダイスを割り振ってください。実際の技量とダイスを一致させる必要はありません。つまり「天才的な馬の乗り手 1d4」でもかまわないし、「妖魔に左手の指を囓りとられ失う 2d10」でもかまわないわけです。プレイヤーが重要だと考える要素に大きなダイスを振ってください。
思いつかないなら、まずは「剣術に長けている」などを記載して、理由を考えます。どこで学んだのか、誰から学んだのか、どのような環境だったのかなどなど。そこから2番目の特徴を引き出してください。「兄と共に狩りに出かけた」「軍隊に所属した」「かつて家族を喰らった妖魔を殺した」などです。3番目の特徴は対比とバランスのために、関係のない何かを選んでください。「料理が上手だ」とか「博識である」とか「星座とそれに由来する話を知っている」などですね。あと二つほどを追加すれば特徴は十分です。
多くの場合、PCの相手はd6とより大きなダイスを振ります。なので、d4を割り振った特徴は、単純に苦手なことや弱点とするのも手です。「馬を恐れる」とか「すぐに息が切れる」とか「視野が狭い」などです。また、先に挙げた「天才的な馬の乗り手 1d4」などの場合、実際に素晴らしい馬術家となります。しかし、本当にその能力が必要とされる際には、通常以上の困難に見舞われることとなるのです。
ほとんどのPCは「黒騎士である」というフレーズに特徴を割り振ることとなります。表現は類似したものであればどのようなものでもかまいません。「夜の女神に仕え、弱き人々を守る」「セジュミックに誓いを立てた騎士団の一員」など。特徴で割り振らなかった場合は、縁故からこれに関係したダイスの割り振りを行わなくてはなりません。
なお、「幸運」などの幅広く何にでも利用できそうなものは避けてください。


▼縁故
キャラクターに関係のある人物名を二人ほど設定して、縁故ダイスを割り振ってください。作りすぎずに、縁故ダイスを残しておきましょう。セッション中に割り振ることで活用出来るからです。
好みで退魔師に関与する縁故を作ってください。特徴で「黒騎士である」に割り振らなかった場合は、必ずそうしなくてはなりません。師匠や自分を導いてくれた相手、ユラス男爵、あるいは黒き騎士の侯爵か夜の女神への誓いでもよいでしょう。
作成時に縁故を割り振る名前は1か2で十分です。プレイが始まれば、NPCばかりではなく、建物、魔族、場所、罪などに縁故を割り振ることが可能です。
血縁は、手持ちのダイスを割り振ることなく1d6の縁故を持ちます。もちろん別のダイスを割り振ってもかまいません。
特徴と同じく、一つの名前に複数のダイスを割り振る場合は、同じサイズにしなくてはなりません。また、割り振られたダイスのサイズと、記述上の重要性が一致しないのも同じです。プレイヤーにとっての興味度合いをベースに割り振りを行ってください。


▼所持品
全ての黒騎士は、馬、黒き鎧、短剣、長剣、大弓、盾あたりを所持しています。もちろん、他の武器や、ペンと羊皮紙、高級な衣服、記念品なども所持しているかもしれません。馬の背に乗る程度の容量しか持ち運べないことも考慮しながら、プレイヤーがGMと相談して自由に決めて下さい。
品物は特徴や縁故と同様に「大きな短剣 1d8」や「素晴らしい馬 2d6」の用に記載されます。このように記載するのは、身につけているもののみであり、旅行中は馬の背に乗せているものなどは書く必要がありません。
所持品のもつダイスは次のように定められています。

 1d6:通常の品
 2d6:素晴らしい品 人目を引き、賞賛される
 1d8:通常より大きな品 同じように人目を引く
 2d8:素晴らしく、かつ通常より大きな品
 1d4:質が悪い、あるいはがらくた 通常より大きな品であっても1d4のまま

普段は仕舞っている品や、拾った品にダイスが必要な場合にも、上記の表に従います。
加えて、殺傷能力の高い武器(長剣、槍、戦斧、戦槌など)は1d4のダイスが追加されます。素晴らしい品質の巨大な剣は2d8+1d4のダイスを持つわけです。
所持しているアイテムと品質に関しては制限はありません。残りの参加者全員が、そのキャラクターが該当アイテムを持ち歩くのが適切であると考えればよいのです。なので、設定上の、あるいは特徴や縁故から来る理由付けが必要でしょう。
また、黒き鎧の形状をキャラクターシートに記載してください。獣や怪物を模したもの、波打つような不思議な意匠、戦いで受けた傷跡、など他との差異を明確にしてください。黒き鎧の品質は2d6となります。これは黒騎士としての威厳や畏怖を示すためには利用できるかもしれませんが、通常は戦闘時のダイスに加えることはできません。


▼実績
キャラクター作成の最後のステップとして、プレイヤーはキャラクターに『叙任されるまでの間に身につけたい知識や特技、あるいは腕前』を一つ提案してもらいます。「戦術教師からの高い評価を勝ち取りたい」「怪物への恐怖を克服したい」「人に取り憑いた妖魔を追い払いたい」「自らを抑える術を学びたい」「暴力に頼らず深刻な物事を解決する術を学びたい」など、思いついたものを提案してください。ただし「叙勲まで何とか生き残りたい」とか「不名誉を招き、故郷に送り返されないようにしたい」などの後ろ向きなものは不適切です。
次に、その実績をなす過程で相対する相手を決めます。
「怪物への恐怖を克服したい」なら、相手は怪物となります。「自分を抑える術を学びたい」などの場合、相手は教師となります。この後、対決を行い、目的を達成できたのか決めるわけですが、一つ注意が必要です。前者の場合、自分が怪物に勝てば目的は達されるのですが、後者の場合は自分が勝ってしまうと、教えを受けたが身につかなかったということになるのです。
それでは、対決の状況を決めましょう。「戦術教師からの高い評価を勝ち取りたい」なら、アークルス城の薄暗い一室で師と相対し議論しているのかもしれません。「怪物への恐怖を克服したい」なら、捕らえられた化け物と同じ檻で一晩を過ごすのかもしれません。プレイヤーとGMは話し合って、状況を作り出してください。
対決は、後述する「争いと解決」ルールに従って処理します。通常の判定と同じく「余波」が発生することを忘れないでください。キャラクターのダイスは、能力、特徴など関連すると思われるものです。GMのダイスは4d6+4d10となります。
勝とうが負けようが、PCは新たな1d6の特徴を得ます。目的を達することができれば、例えば「人に取り憑いた妖魔を追い払った 1d6」となりますし、無理なら「人に取り憑いた妖魔を追い出すことができなかった 1d6」となります。「自らを抑える術を学びたい」などの場合は、結果が逆になることに注意してください。また、対決の過程で特徴に用いるフレーズが若干変化するかもしれません。
いずれにしても、一度セッションが始まれば、これらの能力は共に等価の興味深い特徴となります。覚えておいてください。実績の判定に失敗することは、キャラクターにとって決してマイナスではありません。


▼背景
キャラクター設定を決めます。
(後で手がかりとなる情報を追加予定)