断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

10/3のS7Sレポ

 そこまで詳細ではありませんが、ざっくりと。
 書き捨てであり、読みにくいのはいつものことです。ご容赦を。
 キャラクター・シートの回収を一部忘れたため、PCの長所などは省略気味です。
#しかし、テキトーなマスタリングだなあ、書き出すと特に


・シナリオの準備状況
 ここにも書いておりましたとおり、リファレンス作成に時間を食われすぎて、シナリオはゆるゆるの作りでした。
 普段は、思い浮かんだイメージやシーンを起点に、色んなネタを取り込んだ展開を考えるのですが、到底そんな余裕は無し。
 とりあえず、お試しセッションらしく、分かりやすい話を目指しました。「輸送途中に行方しれずとなった宝石を探す依頼」「輸送船は海賊に襲われており、宝石は年老いた片目の海賊が、入れ込んだ娼婦に渡した」「だが、娼婦は彼の心には応えず、海賊船船長の愛人となっている」「依頼者は銃士隊の若き英雄であり、婚約者への贈り物として密かに買い求めた」「その婚約者は、若き英雄がかつて打ち倒した雲島領主の娘で、父が一騎打ちの末殺害されるのを密かに見ていた」「彼女は復讐を心に誓い、長じて彼に近づき、その心をとらえるに至った」「復讐の手段として、男の心を捕らえ操る宝石を、彼自身を通じて購入させた」「彼女には、元雲島の住人である協力者がおり、彼らも宝石の回収を試みている」あたりまで連想的に思いつき、つなげてシナリオにしました。1時間かけてないかも。一応のクライマックスとして、「復讐の計画を知ったPCたちが(宝石を奪われるか、回収に成功し)、若き英雄の元に帰還するが、そこでは彼女との婚姻を祝うパーティが行われていた。PCたちは企みを打ち破るか、和解に至るよう行動を起こすが、彼女の仕掛けは着々と進行しつつあった」みたいな展開を想定。
 明らかな構造的欠陥がありまして。探索劇と復讐劇との繋がりが薄いことと、復讐劇に対してPCの感情的関与を行う構造がないことです。結果、単純で薄っぺらなシナリオとなってしまいました。今回は時間準備不足なので、本当にごめんなさい、としか言いようがありません。申し訳ない。


・説明
 参加者決定後、世界の構造、国々の概説、魔法の概要、ルールの概要を簡単に説明し、細かくはリファレンスを見てもらうこととしました。
 順次質問に応えつつのキャラクター作成の結果、3時間ちょっと作業に費やしたと思います。
 次回からはもっと短縮できるよう工夫したいと思いますが、世界観は大きな魅力だけに、どこを削るかが難しいところ。


・プレイヤー・キャラクター
 回生順に書いているだけなので、PC番号は意味無しです。設定的な指定は、「銃士隊の若き英雄であるシェリド・ユーリソンの友」と「PCたちが所有する滑空機(グライダー)を操縦できるもの」が最低一人ずつ欲しい、という以外は特になし。


PC1 ボブ・デービットソン10世
 コルロナ王国出身で、特筆すべき長所は「卓越[+6]超絶美形」を設定。なにやらプレイヤー氏が、パラフリに興味を持ち、影響された頭で作成した模様。関連技巧も「バラを咥える」となっており、設定も「かつてシェリドが英雄となった戦いで、彼が突撃するきっかけとなる演説を行ったが、記憶喪失となる」でした。
 一応、「パラフリ世界じゃないから、美で世界法則がねじ曲がることはないよ」とは忠告。結局「優秀[+2]コルドゥン(複数の魔力を使いこなす、この世界の魔法使い)」を取り、技巧として「マンティコア(人の心を操る)」と「麒麟(信じがたい敏捷性とテレポート)」をとっておられました。


PC2 カージル
 神聖コルロナの滑空機乗り。能力主義の階級社会に嫌気がさしてドロップアウトし、冒険商人となる。過去にシェリドから仕事を受けたことがあり、友情を感じている。
欠点:賜(Gift)などの力に対する劣等感
動機:優秀[+2]人を見返す偉業
出身国:優秀[+2]神聖コルロナ
過去:優秀[+2]教会への反発
特筆すべき長所:熟練[+4]グライダー乗り
 特筆すべき技巧「状況:荒れた空」「流儀:向こう見ず」
長所:平均[0]剣術(技巧「vs.聖職者」「武器:シミター」)、優秀[+2]お守り


PC3 エミリオ・ロタネフ
 バラシ帝国出身の決闘人。帝国諜報組織インペリアル・スパイダーに属していたが、任務の興奮に酔い、ついには仲間を殺害して逃亡。生と死を分かつなにかを追求する決闘中毒。
欠点:無類の決闘好き、特に生命をチップとした
動機:優秀[+2]生死の境に在ること
出身国:優秀[+2]バラシ
過去:優秀[+2]インペリアル・スパイダー
特筆すべき長所:卓越[+6]抜く手見えぬ銃の技
 特筆すべき技巧「状況:命を賭けた戦時」「武器:愛用の銃」「vs.剣士(接近戦闘者)」
長所:優秀[+2]賜:マーホース(技巧「状況:照星を覗く」)


PC4 ヨセフ・リードマン
 クレイルの出。治安機関であるクレイルの隼の一員であったが、上司が給与をごまかしたのを恨み、過剰な侮辱を行ったため退職。荒事を嫌い、常に慇懃な姿勢を崩さない。
欠点:バラシ人顔負けの執念深さ
動機:優秀[+2]金
出身国:優秀[+2]クレイル
過去:優秀[+2]クレイルの隼(技巧「武器:サーベル」)
特筆すべき長所:熟練[+4]感情を揺るがす弁舌
 特筆すべき技巧「流儀:慇懃な態度」「妙手:相手の名誉をだしにする」「状況:金が絡むとき」
長所:優秀[+2]賜:ペガサス、優秀[+2]当意即妙の才


滑空機:金ピカ紳士号
欠点:けばけばしく派手な外見
長所:熟練[+4]滑空機、優秀[+2]頑丈、優秀[+2]美味しいパンの焼ける窯、優秀[+2]格納庫拡張


・本編
 コルロナ王国の港に停泊中、カージルとボブの友であるシェリドと再会。かつて、サン・ジェバリ島において、貴族の反乱鎮圧に大きな功績(味方が怯んでいる中、突撃をかけて勝利のきっかけを作った)を挙げた彼は、10年たった今、その雲島の領主に任ぜられるまでに至っていた。彼はPCたちを館に招き、美しい婚約者を紹介した後、仕事の依頼を始める。彼女に送るはずだった宝石を乗せた船が、クレイルを出てから行方しれずになったというのだ。足の速いグライダーを駆るPCたちに、緑の宝石を探し出して欲しいというのが、依頼の内容であった。快諾したPCたちは、シェリドから情報を聞き出しつつ、まずはクレイルに向かうこととした。
(GMメモ:まずはスタイル・ダイスを大盤振る舞い。情報を集めの際、シェリドをつけねらう影までは明かしたものの、すぐに「では奥様となられる方の出自は?」と突っ込まれてしまう。やはりバレバレ過ぎますか、と苦笑。「逆境に苦しむ(ネガティブ・ヒーローポイント的なもの)」を適用して、急用によりシェリドを退席させ、それ以上の詮索を回避。)


 クレイルに到着したPCたちは、運送会社にて面識のあったアルベルトを訪ねる。船は雷の空で行方しれずになり、事故か海賊の仕業か、調査中であるという。船長はヘンリーという熟練の船乗りであるという。また、以前に同じように緑の宝石について訪ねてきた男女二人組がいたという。花屋でバラを購入するついでに、女の子を引っかけようとしたボブは、警察であるクレイルの隼に詰問される。汚職が横行しているとの噂通り、旅行者からたかろうとしたらしく、去り際に「ちっ、飲み代をふんだくり損ねたか」等と口にする。カージルは錬金術を扱う店に行き、雷の空から受ける影響を軽減する塗料を購入。ヨセフは古巣である隼の詰め所を訪ね、情報を集めた後、自分が退職する原因となった元上司(今は判事となっている)についてあることないこと言い散らす。一方、エミリオは酒場にてクレイルの隼を挑発。裏路地に連れ込まれ10人がかりの襲撃を受けるが、返り討ちにしてとどめを刺す。
 連れ込み宿にて、花屋の女の子と事に及んでいたボブの元へと夜中にやってくるクレイルの隼たち。階下にて客たちは全員集められていた。なにやら治安機関である彼らを大量に殺害する事件が起きたらしい。手配署の似顔絵を見ると、そこにはエミリオに似た顔。ボブはとっさに、目撃証言をでっち上げ捜査を攪乱し、滑空機へと戻る。事情を知るに至った一同は、脱出の準備を開始。そこに、ヨセフの元上司であるベルトルド判事がクレイルの隼を引き連れてやってくる。殺人犯がヨセフの仲間らしいと知り、自ら出向いてきたらしい。間一髪、金ピカ紳士号はクレイルを離れ、雷の空へと行く先を定める。
(GMメモ:アルベルトはPCが作ったNPC。誠実かつ口が軽い、情報をぺらぺら喋る存在となる。エミリオは酒場にて「クレイルには隼がいると聞いていたが、どうやら光り物を集めるカササギに過ぎなかったらしいな」などと、巧妙な言い回しで治安機関の末端を挑発。全員を打ち倒した後、「死んではいないけど」「とどめを刺します」と躊躇なく発言。「キチガイなのにかっこいいから許し難い」とGMが口走るに至る。ヨセフはかつての職場で欠点を発現し、さらに最悪の結果を引き出すよう振る舞ったため、判事が事件を嗅ぎつけることとした。)


 雷の空に近づいたPCたちは、幸いにも雲の隙間に船影を発見。危険な雷雲の中に突っ込むことなく、目的の船に乗り込む。甲板に水夫の死体が一つある以外は、特に荒れた様子はない。海賊の襲撃を受けたにしてはきれいすぎるように見えた。食料庫にて、酒をかっくらっていびきをかく、髭ぼうぼうの水夫を発見。襲撃時に逃げ込み、海賊(イルワズの髑髏の同胞団)への恐怖からワインを飲み眠ってしまい、気がついたら一人残されていたという。彼の証言を聞く限り、海賊とヘンリー船長との間で事前に打ち合わせがあったとしか思えない。また彼は、偶然にも海賊がベルトルドの名を口にするのを聞いていた。また、食料庫の下にあった貨物倉庫を海賊がかっさらう際、片目の醜い老海賊が手袋をした手に緑の宝石を掴んだのも目撃していた。イルワズは49日ごとに場所を移す特殊な雲島であるため、出身者にしか場所が分からないとされる海賊たちの根城だ。しかし幸いにして、生き残った水夫ヘンリックはイルワズの出身であった。彼の案内で、PCたちはイルワズを目指す。
(GMメモ:ご都合主義は、PCたちのスタイル・ダイス消費によるもの。当初は、海賊によって破壊された船が漂流している予定だったが、クレイルでの流れを受けて変更。ベルトルド判事が、次の年に控えているクレイルの最高位である司令官の選出選挙に打って出るため、海賊と取引を行い襲撃を演出。貨物と身代金を山分けにして、選挙資金、すなわち賄賂に充てようとした、とシナリオを書き換えた。)


 石の空にてその奇妙な外観を示していたイルワズを見いだしたPCたち。だが、接近する過程で、海賊船に止められてしまう。掲げられた旗は、恐怖の海賊ラドゥに従う髑髏の同胞団のもの。PCたちは指示に従い、犯罪者を装ってイルワズに保護を求める。ヨセフの見事な弁舌に、海賊船船長のセビフは受け入れを承諾。ただし、「金ピカ紳士号」を代価として差し出すよう条件を出す。エミリオはここでセビフに決闘を申し込むことで、自らの力を示すことにより、「強いものがとる」という海賊の掟に従い、滑空機を奪われぬよう試みる。「傲慢で挑戦などを断れない」という欠点を持っていたセビフは挑戦を受け、銃弾に片手のフックを叩き折られる。海賊に気に入られ、イルワズに入港するPCたち。すぐに片目の老海賊ブレンを見つけ出すも、彼は恋人に去れれ飲んだくれと化していた。緑の宝石は彼を捨てた娼婦ファシマの手にあり、今の彼女は先のセビフ船長の愛人として、彼の館に暮らしているという。宝石奪還のために計画を話し合うPCたち。そこに俊敏そうな女テレッサが声をかけてくる。彼女はセビフに一泡吹かせるというPCたちの話に大いに賛同し、協力するというのだ。自分たちの他に宝石を狙う二人組がおり、その片割れが盗賊風の女であったことを思い出し、エミリオが「今日は片割れの大男はいないのか?」とカマをかけるも、彼女は引っかからなかった。話し合いの結果、だいたいの計画が固まる。テレッサの手引きで、ボブをファシマの元に派遣し、色仕掛けで彼女を魅了。一方、老海賊ブレンをけしかけて、ファシマを賭けてセビフと決闘させる。そして、混乱の隙を突いて宝石を奪う、というのが大筋となった。PCたちがイルワズの無法な空気に溶け込む中、唯一の常識人カージルは、早く島を離れることを願ってため息をつくのであった。
(GMメモ:滑空機を奪い、後の脱出経路も考えさせるつもりだったが、PCの立ち回りがうまくNPCの設定ともはまったため、手を出さないこととした。セビフと面識もあるため、話し合いでの打開を図るかとも思ったが、すんなり強硬手段に至るあたり、PCが海賊のやり方に馴染むのが早すぎると感じた。中でもPC3とPC4のプレイヤーは、魂に海賊を飼っているとしか思えない適応ぶりで、大受けしていた。)


 計画を実行に移し、ファシマに迫るボブ。マンティコアの賜の力も交えた魅了には到底抗しきれず。セビフが留守の館にて、二人は肌を交えて睦み合うこととなる。その頃、ヨセフは酒場にて飲み交わすヘンリー船長と水夫たちを発見。彼らの会話内容から、ベルトルド判事の陰謀を知ることとなる。エミリオはブレンを説得し、酒を抜いて決闘に備えさせる。一方、カージルは嫌な予感から、いつでも滑空機を飛ばせるよう準備する。情事の後、ボブはファシマに思い出の品として宝石を差し出すよう要求。さすがに無茶なので拒絶したところ、マンティコアの精神操作により、彼女を操って金庫をあけさせる挙に出た。ところが、宝石を受け取ったところで、その魔力を身に受け、ボブは意識を奪われ身動きがとれなくなってしまう。潜んでいたテレッサは、その手から宝石を奪うと意味ありげな言葉をつぶやき姿を消す。部屋の扉を叩く音で意識を取り戻したボブは、麒麟の力を用いてファシマごと滑空機に転移。しかし、消える瞬間を、部屋に駆け込んできたセビフに目撃されてしまうこととなる。
(GMメモ:期せずして計画通りNPCが宝石を奪ったのはともかく、PCの立場はそうとうまずいことに)


 滑空機前に手勢を引き連れてやってきたセビフ船長とPCたちが対峙。「さっきと同じ目に遭ってるな」とか言いつつ、打開策を考えるPCたち。ブレンの恋を成就させるためにファシマを連れ出し、彼とセビフを決闘させることにより事をうやむやにしようという方向でまとまる。宝石を奪ったテレッサがイルワズを脱出する前に捕らえねばならず、手段を選んではいられなくなったのだ。なんとか決闘を演出するところまではうまくいく(ブレンは残った目も潰され盲者となる)。ヨセフの弁も用い、なんとか事態が収拾しかけたところで、ボブがつい「自分の意志でファシマと情事を楽しみ、連れ出した」と本当のことを喋ってしまう。セビフに問い詰められたPCたちは、ボブが嘘をついていると抗弁。セビフがボブを連れて行くことに同意しそうになる。だが「奴は拷問されれば、全部吐いてしまうかもしれない」と、エミリオが必殺の銃撃にてボブを射殺。船長は激情に駆られつつ、浮気に走った愛人ファシマを連れ去る。
(GMメモ:ボブはいろいろ不用意な行動が多かったとはいえ、PCに瞬殺されたのはビビりました。あんたら容赦ないな。しゃあないので、プレイヤーには新しいキャラクター・シートを手渡す羽目に。新キャラは、イルワズに住む、エミリオのライバルであるコルドゥンの格闘者−その名もドラゴンとなりました。ブルース・リーかいな。)


 エミリオの賜、マーホースによる遠見の力で、テレッサを見つけ出したPCたち。相棒の大男が、彼女の乗る滑空機を固定している綱を解こうとしているところに駆けつける。すわ対決か、と思われたが、大男は人のいい様子で、彼らの会話内容も気になったPCたちは対話戦略に路線変更。うまく説得し、彼らの背後に、シェリドの婚約者イェーナがいることを知る。サン・ジェバリ島のかつての領主は、バラシ帝国にそそのかされ反乱を起こしたという話であったが、実際には島に住居を構えていた失われた島クロイの生き残りたちを保護しようとし、コルロナ王国と対立するに至ったというのだ。彼ら二人は、その先住民であり、イェーナの復讐に手を貸しているという。宝石はかつてバラシの女貴族ゾーラ婦人の所持品であり、魔法の知識に通じたものが扱えば、男を意のままに操ることが可能なのだという。イェーナはその力を用いて、シェリドに汚名を着せた上、葬るつもりであった。父を目の前で殺害された彼女の恨みは深く、容易なことでは晴れそうもない。
 妥協案はないか相談するPCたち。ここで、あることに気がつく。先ほど撃ち殺したPCのボブは「シェリドを英雄とした突撃の際そこにおり、ボブの演説がシェリドの行動の引き金となった」という設定だった。そしてボブは人の心を操る(ゆえに忌み嫌われる)賜、マンティコアの力の使い手でもある。つまり、ボブがシェリドを操り、イェーナの父親はそれ故に死んだという筋書きを考えたのだ。ボブが死んでいる今、そう考えれば全ての辻褄が合う上に、イェーナの怒りも解けるかもしれない。そう、ボブがマンティコアの力の使い手であることを証明する証人さえいれば。そして思い出す。彼に操られた娼婦ファシマがいることに。彼女は今、セビフにとらわれ、その怒りを身に受けている状態だ。PCたちの次にすることは決まった。彼女を救出し、イェーナの前で証言させることにより(彼女はバジリスクの力を有しており、嘘と真を見抜くことができる)、彼女のシェリドに向けられた復讐心をそらせることだ。
(GMメモ:えーっと。えー、なにやら予想もしなかった方向で、筋の通った話になってしまうって、どゆこと・・・。大きな矛盾はないし、死んだPCに全てを押しつける形の解決には抵抗が全くなかったわけではないけれど、ノリが余りにも面白かったので便乗することに。死んだPCのプレイヤー氏もそれで楽しんでいたようなので、たぶん問題は無し。)


 数日隙をうかがっているところで、セビフ船長が船を出したことが明らかとなる。そこには、彼が怒りにまかせて虐待を加えたファシマと、ヘンリー船長も同行した様子だ。どうやら、ヘンリーの身代金支払いを通じて、ベルトルド判事とのやりとりに向かう模様。PCたちはこれを強襲し、二人を奪還、そのまま離脱することを計画。船底に穴を開けるべく、火薬を仕入れて準備を整える。計画を聞いたテレッサは呆れつつも、その無謀さに楽しみを見いだしている様子であった。彼らの間に不思議と高揚した連帯感が生まれつつあったのだ。そして、盲目の物乞いとなったブレンも同行させることとした。
(GMメモ:滑空機二台で、ガレオン級の海賊船に襲撃をかけるという展開は燃えますな。ただし、時間的には若干矛盾がある展開。イルワズの現在の位置が、クレイルと滑空機で1日程度としていたため、大型の飛空船だと数日かかるはずなので・・・。まあ、PCたちが大空で海賊船を発見するのにかかった時間と、強襲をかける機会をうかがっている時間とが挟まっていると考えることで、ご容赦を。)


 作戦はこうだ。片方の滑空機にドラゴンとオリバーを乗せ、二人を海賊船の甲板に投下。大騒ぎを引き起こしている隙に、もう一台の滑空機を船底に付け、火薬で爆破して穴を開ける。エミリオとヨセフがそこから船内に侵入し、ファシマを(可能ならヘンリー船長も)奪還するのだ。金ピカ紳士号の派手な機体がキラリと光り、完全な不意打ちには失敗するものの、甲板に立ったドラゴンは大暴れ。20人の精鋭海賊を相手に、一歩も引かないどころか、あっという間に彼らを片付けてしまう。さらに、駆けつけたセビフ船長をさんざん挑発し、一騎打ちに持ち込ませる。手の空いている海賊たちはその見物に駆けつけたため、船底から侵入した二人を止めるものはほとんどいなかった。(マーホースによりだいたいの位置はわかっていたため)方や虐待によりずだずだにされておびえきったファシマとをなだめ、もう片方はヘンリー船長に剣を突きつけ連れ出すことに成功。甲板では、セビフ船長の猛撃を、ドラゴンがこともなげに捌いて時間を稼いでいた。肩で息する船長を尻目に、カージルが見事な操縦を見せる滑空機から投げられたロープにブレンとドラゴン(麒麟の力で体重を消した)が飛びつき、PCたちは無事事を成し遂げる。近くまで来ていたクレイルの船艦からも砲撃が加えられたが、二台の滑空機を打ち落とすことは叶わなかった。クレイルの戦艦上で地団駄踏むベルトルド判事にさわやかに手を振りつつ、PCたちはいったんクレイルへと向かう。
(GMメモ:即興でこのようなクライマックスシーンを作る。PCたちへの追い込みが明らかに甘いが、爽快感重視ってことで。船長の直接戦闘能力は、そこまで高くなかったため、シェリドのデータを一部流用。それでも、戦闘特化したコルドゥン格闘士にはもてあそばれる有様だったので、次回はPCの戦闘能力を見て調整するようにしようと心に決める。)


 クレイルに到着すると、ヨセフはベルトルドのライバルである判事の家に出向き、ベルトルドの悪事を話した上で、証人となるヘンリー船長を預ける。果たしてベルトルド判事をこれで追い込めるかはわからない。裁判を通じた長い戦いになるはずだ。だが、彼の力を削ぐ大きな助けにはなるはずだ。この結果に満足し、PCたちはシェリドの待つサン・ジェバリ島へと向かう。
 島では、コルロナ王国の要人を招いてのパーティが催されるところであった。正装を整え準備している二人の元へ、駆けつけるPCたち。彼らは全てを話し、ファシマを証人にボブに全ての責任を帰した上で、イェーナに復讐を思いとどまるよう説得する。長きに渡って復讐心を友としてきたイェーナは、振り上げた腕の振り下ろす先を失い呆然とする。その瞳から一筋の涙がこぼれ落ちた。シェリドはそんな彼女を守るように、そっと抱きしめるのであった。二人の愛が本物となるのかは、まだ分からない。今回の件がきっかけとなり、良い方向に向かうことを願うことしかPCたちにはできなかった。
 そして、PCたちとテレッサ、オリバーの6人は今後の事を話し合う。たったこれだけの人数で、悪名高き髑髏の同胞団に属する海賊船をやりこめたということが、連帯感と自信を生んでいた。自分たちならもっと大きな事が成せる。そう考え、まずは船を手に入れることに決めると、彼らはイルワズに滑空機を向けるのであった。
(GMメモ:エンディング的なシーン。スタイル・ダイスによるNPC作成はホント便利。何となく綺麗にまとまった気がするけど、総合的には酷い話。あーあと、ブレンのその後とドラゴンのストーリー・フック処理を忘れていたのは、GMの手落ち。投げっぱなしアドリブはよろしくありませんな。)


・感想
 長いけど、これでも一部のサブ・プロットは省略していたりします。
 まとめるのが下手ですんません。
 元々のシナリオと大枠は同じながらも、PCの動機やクライマックスがかなり別物となっております。これは「PCの物語」とすべくアドリブ調整した結果ですが、書き出すと、もっとうまいやり方があったのではないかなあと思わずにはいられません。序盤のクレイルにおける騒動でプレイヤーが展開したプロットを、それなりに組み込めたとは思いますが、まだまだ甘いですね。
 プレイヤー側からの物語を引き出す、というシステムの狙いはそれなりに機能していたと思います(特にベルナルド判事関係)。ただ、引っ張ったのは手慣れた上回生であるPC3とPC4の二人であり、彼らは別に他のシステムでも自在に動けると思うので、真価を発揮したとは言い難いかもしれません。常識人を作成したPC2は動きにくそうな印象も受けました。PC1はルーニーなキャラクターを演じて抹殺されたため、自業自得という側面はあるにしろ、悪名を全部背負うというオチはやはりひどいと思わざる得ません。
 あと、賜と国別の特殊長所が圧倒的に使いやすい印象を持ちました。
 このあたりの調整も含め、次回はもう少し手の込んだシナリオ上で、どのように機能するのか見ていこうと思います。てか、今週末なのですが、次のセッションは!