断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

プレイヤーキャラクターの設定

 RPGにプレイヤーとして参加する時、常に悩むのがキャラクターの設定作りです。
 システムやシナリオによってはゲームマスターから概要やきちんとした設定を渡されることもあるでしょう。シナリオががちがちに組まれていたり、時間の都合上、渡された設定をそのまま遊ぶ事もあるかもしれません。
 それでも、それなりの色づけは行いたくなるのが人の性というものです。自分が演じやすくするためであり、同時に「キャラ立て」をして他のプレイヤーやゲームマスターを楽しませるためでもあります。そもそも設定を考えるのは楽しいことですから、自分は時間ギリギリまで作ってしまうタイプです(そして迷惑をかけてしまうという・・・)。


 しかしあまり時間を食うのも問題ですし、自分の中で整理するために、どういったところに注意しているのか軽く書き出してみます。サークルでの参加は単発セッションがほとんどのため、キャンペーン用のPC設定を作る場合はまた異なる視点が必要だと思われます。


1.過去と個性
 現在のキャラクター形成に大きな影響を与えたと思われる過去の事件や性格を設定します。大抵はゲームマスターから提示された設定や背景世界に基づきます。例えば、敵対組織がいるならそいつらとの絡み(いざこざや復讐心など)、登場が予定されているNPCとの関係性(恩があったり対照的な性格にしたり)、地域に関連する事柄(舞台となる街にスラムがあるので、そこの荒くれ者たちと商売をしていることにしたり)、戻りたくない過去(酒に溺れ恋人に去られたとか)、などです。必ず使う必要はないけれども、PCをシナリオに絡めて行くための手掛かりとなり得るものがよいでしょう。
 ゲームマスターから設定を与えられている場合はそれを軸にアレンジします。ライフパスなどが存在するシステムなら、それを利用するのが楽かもしれません。
 時々、何かが降りてきたような奇妙な設定を思いつくこともあるかもしれませんが、強烈すぎるのは使わないようにします。ゲームマスターの熟練度や他のプレイヤー面子(暴走しても止めてくれる人がいるとか)次第ですが、シナリオの目的やGMの意図を蹴散らす可能性もあるので注意しましょう(「このPCの設定上、そういった行動は取れないよなあ」を起こさないように)。そういった面白設定は、自分がGMをする際のNPCストックにするのがお勧めです。


2.パーティ内での位置づけ
 他のPCとの関連性や、パーティ内での位置づけでキャラクターを特徴付けます。シナリオの中心となるPCが明らかな時や、慣れないプレイヤーのサポートに回る場合、あるいは強烈な個性を放つPCに乗っかる場合などに使います。主人公格のPCにライバル心を抱いていたり、子供のような性格でトラブルメイカーだけどもあるPCには頭が上がらなかったり、他のPCの家に仕えているので主従関係にあったり、そのあたりです。
 発展させると某13の恐怖にあった、「知能の高い猿だが、手話技能に成功しないと他PCと対話ができない。失敗すると『バナナが欲しい』と受け取られる。」といった忘れられないキャラ立てもできるでしょう。一般的にはお勧めしませんが(笑)。
 その1で暴走しがちな設定にしてしまった場合は、ここを使って緩和するのもよいでしょう。


3.ヴィジュアル・イメージ
 先週自分が遊んだPCのように、外見だけで個性を印象づけることもできます。見た目(背中から腹部にかけてグリフォンの刺青が彫られているとか)、仕草(動物の骨で作られた呪いの骰子をいつも手の中で転がしているとか)、だけではなく、しゃべり方や音(長い黒髪からつるした、過去に戦った相手の指の骨や歯が風に揺れて時折かちかちとぶつかり合うとか)や匂い(死者に捧げる花の香りを身にまとっているとか)といった要素も付け加えるとよいかもしれません。
 あ、もちろん世界観にあったものが奨励されますよ!


4.台詞
 サークルで奨励されているのは、3つほどの台詞を決めておくという個性の付け方です。
 上記の設定に基づいた台詞が作りやすいでしょう。普段の口調、戦闘時の行動に絡んだ決め台詞、敵対者に出会った時の台詞とか、独白、自らの目的を他者に話す、他のPCとの掛け合い、などなど様々なものが考えられます。世界観に準じた(ギア・アンティーク共産主義思想に染まった道楽貴族を作って「勉強不足だね。ヴァルモンの学者マークスが記した本を読み給え。」とか言わせてみるなど)ものができればさらによいでしょう。
 個人的には台詞を考えるのは苦手(ありがちなステレオタイプにはまったり、シナリオの空気と全く別物になりかねない危険があるので)なので最後に回したり、つけなかったりします。慣れれば、他の設定はなくとも、とりあえず台詞を3つ決めるだけでも強い印象を与えることができるでしょう。


 時間が無いときは、とにかく上記の内1つの項目に着目して設定を固めれば、それだけでも単発セッションで使うPCとしては十分なものが出来上がるでしょう。逆にすべてを設定しようとして、全体としての味がぼやけてしまうこともあるので注意しましょう(これはかなり自戒を込めてます・・・)。