断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

合宿の簡易覚え書き

 消えたのがショックなので簡易版で。
 ちゃんと下書き機能あるんだからつかわなあきませんね。


・一日目:到着
 ついたとたん、ダチョウ料理のフルコース予約組みが優先的に食べに行き、残された人々の怒りを買う。特に、昼のお弁当がしょぼい内容だったので、シナリオ中で酷い目に遭わせる企みが軽口で交わされる。が、実行されず(当たり前です)。ちぇっ。
 キャンプ場ということもあり、RPGを遊びに行くには健康的すぎる環境。家族連れがバーベキューをしたり散策したりしている横で、ロッジにこもってTRPGをやっている明らかに場違いな集団である。深夜は「死ね〜」とか奇声を上げつつボードゲームやっているし。少し自虐的な気分に浸る。もし、来年も同じ場所なら、バーベキューか飯ごう炊飯でカレーでも作ろうという話が冗談で交わされていてが、本気でそうしてもいいかもしれないと傾いていたり。本末転倒極まりありませんが。


・一日目:昼と夜
 シャドウランアースドーンの統一シナリオに参加。ご存じの方も多いでしょうが、かつてFASA社から出ていたこの二作品は、お遊びで同じ時間軸上の遙か過去と未来という設定になっております。なのでそれを利用して、異なる時間に存在する二卓のPCたちがお互いにやりとりしながらセッションを進めていくという統一企画でした。
 アースドーン卓にいるプレイヤーの一人を実名でNPCとして出したりしていたので、シャドウラン卓から「○×△□がテロをやっているぞ〜」と叫び声があがると、本人が「このシナリオはフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません!」と切り返すというお約束で遊んでおりました。
 シナリオ内容は盛りだくさんで、夕ご飯休憩を挟んで結局8時間強遊んだと思います。
 ネタとしては、実は魔法の力が増しすぎたシャドウラン世界にホラーが帰ってきて、人類は宇宙に逃げ出したり、アースドーンの時のように地中に立てこもったりしており、PCたちは周回軌道上を回り続ける宇宙船の住人だったという落ちでした。知らないまま、二つの世界に分けて統治されていたようで、結局は真実を知り、協力して裏切り者の管理者とマザーコンピュータと戦うという流れになります。
 が、しかし、ここで取り出されたのはサークルの定番ゲーム。
 最終戦闘はそれで決着をつけるという、ネタに走りすぎた展開でおおうけしてしまいました。しかもGMの操る3キャラは、それぞれの弱点をきっちり突かれる形で、あっさり壊滅。PCたちは無事地球に帰還(400年ほどが流れていた)することが出来たのでありました。
 GMの二人は(一部打ち合わせ不足もあったらしく)少し浮かない顔をしていたところもありましたが、個々のシーンの盛り上がりはかなりのものがあったし、個人的には面白かったですよ。


・一日目:深夜
 ボードゲームとかシナリオで起きている組みが多かったのですが、翌日にGMをする予定があったためさっさと寝ました。
 それでも一時間ほどで目が覚めたので、別のロッジをさまよっていると、適度にだらけた小グループがあったのでシナリオの確認をしつつ就寝。エンブリオマシンを遊ぼうという話も持ち上がったのですが、さすがにそこまでの体力はありませんでした。ごめん!


・二日目:朝
 前夜同じロッジにいた人々がパターゴルフに遊びに行くのを横目で見つつ、ごろごろしながらシナリオ確認とかしてました。
 この辺りから鼻がぐずぐずしてきて、厚着に切り替えましたが、時既に遅し。


・二日目:昼
 一回生のGMセッションに参加。
 公式例会で様子見をした結果、どの一回生のも見られないままだったので、ようやく参加できたと胸をなで下ろす気分でした。
 システムはアリアンロッドで、W君はGM初めてとのこと。ネタとしてはロマンシング・サガ3から引っ張ってきているとのことでしたが、プレイヤー4人のうち、私を含めた3人はネタを知らず。
 戦闘バランスも良く、色々サプライズがあって楽しめました。
 PCたちも適度にシナリオの枠組みを揺らしたりしておりました。


・二日目:夜
 てなわけで、自分がストーリーテラーでヴァンパイア:ザ・レクイエムの市販シナリオBlood Red and Ash Grayを行いました。
 経験点込みでキャラメイクやってもらったら3時間半かかったり、本編も5時間以上かかったのは全て私の責任であります!
 それなりに盛り上がったシーンもあったと思いますが、GM的にはうまくいかなかったなあという思いが強いです。訳している最中から予期していたところはあるので、そこについて簡単に触れておきます。
 このシナリオは、プレイヤー・キャラクターの「罪」を中心にした作りとなっています。といっても、いわゆる箱庭型シナリオであり、どう展開してもそれなりに話は成り立ちます。ただし、その導入方法がかなりの問題作でして。PCのうち一人が狂乱(ヴァンパイアは内に飼っている“獣”により正気を失うことがある)して夜の闇に消え、正気に返ると地下駐車場の底。追いかけた他のPCたちも駆けつけたそこには、見知らぬヴァンパイアの死体があり、狂乱していたPCの腕や口には相手の血と灰にまみれている・・・。そういう始まり方をするシナリオなのです。
 この見知らぬヴァンパイアに対する罪の意識を、行方知れずになったヴァンパイアを捜す恋人や、政治的な動きでもみ消そうとする自分たちの行動を通じて際だたせ、最後は「罰を受ける」か「復讐と暴力の連鎖に身を投じるか」を選ぶような流れになります。
 しかし、ですね。これを根源的な罪としてとらえるプレイヤーは出てくるのだろうか、というのがてきとー訳を作っていたときからの自分の疑問でした。むしろ、謀略や事故として対処して、罪の意識など抱く間もないのではないかと、そう予想したのです。そしてだいたいあたってました。この辺は、宗教的な教えがあって当たり前の国に住まう人々と、確たる信仰を持たない日本人との差ではないかと思います。
 というわけでセッションは、真相の究明をしつつ政治的な謀略を仕立て上げることで、関係していた長老を一人排除するという展開になりました。シナリオの説明にガイ・リッチーの『スナッチ』な雰囲気でやることが奨励されていたので、シリアスなシーンよりは笑いをとっていく演出を目指しました。
 それもあってか、正体不明のヴァンパイアの死体を処理するために、(乾燥していたので)ばらしながら大型ミキサーにかけて、(PCの住処になっていた)下水に流すという、エキセントリックな方法がとられました。それはさすがに発見不可能です(笑)。今年体験したうちでは一番インパクトのあるシーンだったかもしれません。まさに『スナッチ』とか『パルプ・フィクション』的な、無茶苦茶だがどこか妙で笑えてしまう方策だったので、すっかり人間性チェックを忘れていたのがストーリーテラーとして至らぬところだなと、反省。


・三日目:早朝
 エネルギーがすっかりつきていたのですが、定番ゲームに一回だけ参加。
 ひどい布陣に涙しつつ仮眠をとり、片付けを手伝って昼過ぎに帰宅しました。
 次回参加することがあれば、もうちょっと体調に気を遣おう、と今年は本気で思いました。
 終わった後そのまま師匠のところに行った組みはどれだけ体力あるんだと、恐れ入るばかりです。