断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

米国のRPG市場動向

 前に言っていた不安定要素が悪い方向へと向かっているため、今週はサークルに出席できず。
 キャンペーンのキャラメの日でしたが・・・。関係者各位にはご迷惑をおかけしています。
 余裕ありそうなら、あとで部室の様子伺い&キャンペーン設定を聞いてキャラクターの立ち位置を決める、ぐらいはしておく予定。


 さて、こちらは少し前にSGフォーラムで取りあげられていた、2010年第三四半期における、売り上げを反映したRPGトップ5のリスト。
Top 5 RPGs--Q3 2010
 向こうで話題になった理由は、D&D第三版系列のPathfinderが本家第四版とトップタイになったからでした。第四版の評価が未だに割れているのか、あるいは棲み分けがうまくいっているのか、僕には推定するだけの知識がありません。
 3位4位はウォーハンマーFRPG第三版、ウォーハンマー40k勢と、FFG社が続きます。発売当初は毀誉褒貶の激しかったWHFRPGの第三版ですが、売れ行きは好調な模様ですね。
 5位のDresden Filesは人気小説ドレスデン・ファイルを、FateRPGで遊べるようにしたもの。というか、元々ドレスデン・ファイルRPGがSpirit of the Centuryよりも先に企画されていたにも関わらず、紆余曲折やデザイン側の思い入れの強さが原因で6年の歳月を経て漸く出版となったシステムです。
 Evil Hatはインディ系の出版社でSotC以外にも、Don't Rest Your Head、Swashbucklers of the 7 Skiesなどを出しています。記憶喪失者のカウンセリングをテーマにした、A Penny for My Thoughtsは2009年のIndie RPG AwardsでMost Innovative Gameを受賞していたり。システムの革新性とデザインへのこだわりが特徴、だと思っています。


 そして本日、Evil Hatの第三四半期売り上げが公開されました。
Evil Hat Sales Numbers: Q3 2010
 本の出荷開始が6/30であり、第二四半期の売り上げにはプレオーダー分も含まれています。なので、上記のトップ5リストにおいては第三四半期に計上されているものと考えられます。つまり米国のRPG市場は、本二冊14000部ぐらいで5位に位置することができる、ということになります。


 一般に米国のRPG市場はD&Dの寡占が強烈とされています。
 一位のD&D4eとPathfinderは、二位以下とは桁の違う売り上げを誇っていることが想像に難くありません。
 その片隅では、PDF込みで売り上げが千部を超えれば大成功とされるインディ系の市場が活発に動いています。そこで育まれたデザインのエッセンスや技術が、ごくたまにメインストリームへと拾い上げられることもあります。このような市場の大きさと、辺境に至までの層の厚さが、アメリカのRPGの強みなんだろうという感想を抱いています。
 僕の視点はインディ系RPGに偏っているため、ともすれば木を見て森を見ず、に陥っていることでしょう。たぶんD&Dも追いかけた方が、インディ系のデザインを目にする上で多角的なとらえ方ができて面白そうではありますが・・・さすがにそこまで手広くカバーする余力がありません。