断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

2/28の覚え書き

 今週は強化期間依頼GMにより、日曜出席となりました。
 一年ぶりぐらいに深淵の新作シナリオをGMしました。


・事前
 11時頃に到着。
 がちゃりと扉を開けると・・・セッションをやってる!
 しかも、土曜3部とかじゃなくて、前日2部のセッションを12時間ぐらい継続中らしい。面子の半数は12時からの日曜1部にも参加予定に見えるのは気のせいじゃないよね。
 GMをしておられたM先生は、そのまま日曜1部のSW2.0セッションに参加されてました。その卓は、僕が帰宅した時点(19:30)でまだ1〜2時間かかりそうというおまけ付き。元気すぎるというか、既に化け物じみた体力。時は移り変わっても、相変わらずのキチガイ・サークルですなあ。


 とりあえず1部待ちの数人と昼飯に。パキスタン・カレー屋で、完食すればチャイをサービスとの文句に惹かれ、10倍カレーを注文。最凶ハバネロに比べればごく普通に食せるレベルだったので、余裕で食べきりました。チャイが全員分振る舞われるという、パキスタン流なのかおおざっぱなのかよくわからないが、得した気分になれる特典を得て、いざ部室へ。
 ・・・。
 そこには何故かsomamiti先生が。
 先週ご尊顔を拝見したばかりなのに、何故? と問えば「もちろん驚く顔が見たいからですよ」と涼しい顔。そのために二週連続で、遠路はるばるやってくるこの男、やはり普通ではない。
 などと、開始前から荒れ模様、というか、内心の動揺を糊塗するのに必死。


・1部
 そんなわけで自分がGMで深淵。
 1回生が2人、OBが2人(両方深淵経験者)という安定した面々。
 強化期間のお題として「NPCの行動と物語の流れに整合性を持たせる」という目標をいただいていたため、今回はそれに沿ったシナリオ作成をしてみました。といっても「初期目標の設定と、PC間関係形成のため、二つ目の運命を3つから選択するだけで遊べるPCデータの作成」「セッティングだけで、進行に予断を持たない構成」「NPCの記述方法はあとで説明できるように書く」程度ですが。
 選択可能な運命3個は、内容まで記述されたものの中から選んでもらいました。
 一箇所、悪戯を仕込んでおいたけどスルーされてしまいました。ちぇっ。


 設定は、北原はラルハースの内戦から2年。ガイウス側について戦い敗れた騎士の一族と従う領民が、北の果てにてひとときの平穏を得るも、ラルハースからの追討軍と、別なる脅威が迫っていたのであった、みたいな感じ。PCのうち一人を、追討軍(傭兵隊)の副隊長ではあるが、実は騎士の一族と縁深き人物という設定にして、残りは騎士の一族とその領民の代表的人物に配置。
 セッティングに対するプレイヤー権限を広めに取ったため、時にフリーダムすぎる状況が形作られて行きました。
 例えば、ちょっと気の荒い傭兵団程度で考えていた追討軍の演出(国外逃亡したガイウス派貴族の捕縛)を、副隊長のPCのオープニング夢歩きで行ったところ、貴族の娘である10才少女を「ものの役にたたん、殺せ」のひと言で首をかっきるは、もうちょっと年上の娘は「同僚の慰み者」にするため連れ去るはの凶悪さを発揮。
 おかげで彼ら北伐団の悪行の数々は、地域知識10以上で耳にしたことがある、とする措置が投入される有様に。
 悪名高すぎて、もう少しで副隊長PCが、中盤で他PCに処刑されそうな勢いでしたよ。おしい、じゃない、危なかったなあ、ホント。制止するどころか助長したGMが言うこっちゃ無いですが、プレイヤーが手に負えない設定を自PCに付けることは、当人の首を絞めるも同義なので、ほどほどで抑制してあげた方がいいですね。


 オープニングでいきなりそんな感じだったので、セッションの雰囲気は一気にスラップスティックへ。
 基調はシリアス、一部PCはどシリアス、でも笑いが絶えないという、いつも通りの深淵でした。殺伐さと笑いはよい親戚づきあいができるのだなと実感できます。
 結局、傭兵隊長はPCたちの罠にはまって雷鳴の猟犬+副長の不意打ちで殺害され、一族再興のために貯めおかれた資金を放出してPCの若き当主が傭兵団を雇い入れ、復活しかけの魔族様には慰めの歌い手を洞穴に閉じこめて慰撫させることで先延ばし、ぐらいの穏当すぎる決着でした。演出に注力しすぎて、PCの追い込み方が今ひとつ足りなかったかなと後悔。
 個人的ヒットは、魔族を慰めるための歌い手を説得するために、若き当主様が用いたレトリックでした。「外の世界で暮らしたところで、盲目の君が今以上の幸せを得られるとは思えない」とか、自分も相手も傷つけないための言を弄しつつ、その実、利己心を露わにしてしまうのが最高!
 ・・・深淵GMをすると、どうも性格が悪くなっていけませんね。


 プレイヤーの皆さん、特にベテラン・プレイヤー二人の協力のおかげで楽しい時間が過ごせました。
 とはいえ、反省するべき点は多め。
 特に、配った設定上は少年のつもりだった騎士の一族の若者を、プレイヤーの希望に折れて少女に変更することを認めたのは割と致命的で、準備していたネタの1ラインがまるまる吹っ飛びました。その立場にいる存在が男だからこそ成り立つ周辺設定を仕込んでいたのですが、女だったことによりあるNPCの動機と過去の行いが無に帰したのです。あ、恋愛ネタとかじゃないです、念のため。
 あと、作成段階で削ったり1ラインが消失しても、やっぱりネタの量が過剰だったわけですが、これこそいつものことですね!
 おかげで一部接続がおかしくなり、そのパートでは進行がぐだつきました。げふ。
 加えるなら、せっかく来ていただいたsomamiti先生へのサービスも不足しておりました。歌い手NPCとの、針の混ざった綿菓子をはむがごときやりとりは相当に好きだったのですが、楽しいのはうちだけのような気がしたので意識的にカットを入れてしまいましたよ。


 概ねそんな感じ。
 NPCの設定と動かし方については、セッション終了後、最低よりはましな説明ができたようなので、一安心。
 参加者の皆さん、お疲れ様でした。