断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

大失敗

 Fiascoは3〜5人で遊ぶ協力型のストーリー構築ゲームです。
 ざっと読みなので間違いがありそうですが、概要だけさらっと。


 セッション開始時に、プレイ・セットという舞台設定を準備されている4つから選び、プレイヤー一人につき4つの六面体ダイス(2つが白、2つが黒)を振ります。そして出目から一人ずつダイスを選び、プレイ・セットの表に当てはめて、物語の要素を決めていきます。一つは必ず他者との「関係」、もう一つは「欲求」「場所」「物品」のいずれかとなります。プレイセットの表はD66方式になっており、一つ目を決めるのは自分でも、もう一つは他のプレイヤーが選ぶという工夫が面白いかも。この時にプレイヤー同士で話し合って、キャラクターとその関係性、物語の方向性の模索を行います。
#すぐに始められるセットアップも用意されています
 それらが決まったら、ダイスを中央に戻して第一幕の開始となります。第一幕ではキャラクターの紹介、相互関係の構築、等の物語のセットアップを行います。プレイヤーは順々にシーンを作っていくわけですが、順番が回ってきたところで「構築」か「解決」かを選択できます。構築なら自分がシーンを作り、ロールプレイで展開を確認して、他のプレイヤーが結末がポジティブなのかネガティブなのかを選びます。解決なら他のプレイヤーにシーンを作ってもらい、ロールプレイ後、自分が結末を選びます。ポジティブなら中央から白ダイスを取り、ネガティブなら黒ダイスを取ります。第一幕においては、そのダイスは自分のものにはならず、自分以外の好きなプレイヤーに渡さなくてはなりません。
 中央のダイスが半分になったら第一幕は終了です。ここでティルトと呼ばれる処理を行います。事態は急変し、キャラクターたちは追い詰められ、やけっぱちな行動へと駆り立てられていくのです。各プレイヤーは、第一幕で得たダイスを全て振り、手持ちの色毎に合計します。そして高い方から低い方の数を引き、高い方の色と差分を宣言します。黒と白、それぞれの差分が一番高かったもの一人ずつが、中央に残っているダイスを振り、出目を交互に選んでティルト表に当てはめて何が起きたのかを決めていきます。この表もD66であり、プレイ・セットと同様に二人で一つの要素を決定することとなります。
 第一幕で得たダイスは手元に置き、残りのダイスは中央に戻すと第二幕が始まります。状況はどんどん酷くなり、狂想曲的な騒ぎが繰り広げられます。シーン処理は基本的に第一幕と同じですが、第二幕では結果ダイスを自分が保持します。
 中央のダイスが全て尽きたら第二幕は終了します。最後に結末を決定します。手元のダイスを全て振り、ティルトと同じように、高い方の色と差分を出します。これを結末の助言に当てはめ、キャラクターがどうなったのか、モンタージュ式にシーンを構築して下さい。基本的にどちらの色でも、差分が高い方がよい結末で、低いと悪い結末になります。これでセッションは終了となります。


 参加者の大部分がコーエン兄弟(かそれに類する)の映画が好きで、かつ全員がキャラクターよりもストーリーに比重を傾けるプレイをしないと、成り立ちにくいゲームのように感じます。他プレイヤーと協調しつつゲームを構築するために凝らされた工夫は面白いし、状況が過激な方に流れるセッティングは見事なのですが。うちの環境でみんなが楽しめるゲームになるかは、若干微妙かも・・・。
 なお、Fiascoに完全に一致した映画として「ブラッド・シンプル」「ファーゴ」「バーン・アフター・リーディング」「シンプル・プラン」の4本があげられておりました。プレイは説明込みで3時間程度なので、映画を観てから始めても5時間に収まるでしょう。雰囲気を知らない人ばかりで遊ぶならその形を取ってもよさげ。