断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

合宿二日目の覚え書き(10/9) EP編

 この日は昼前から合流。
 喉の嗄れと咳がまたぞろ顔を覗かせてました。

1部

 ぴろき師匠GMによるEclipse Phase。
 GMスクリーン付属のシナリオ、Gloryをプレイしました。
 木星のラグランジュ・ポイントに位置する、木星トロイヤ群のローカス・ステーションから始まる調査ものでして。リサーチ任務中に行方知れずになったファイアウォールのエージェントを探すという内容です。
 ネタバレ回避のため、ハイライトをほんの少しのみ。


 今回のPCは、GMが選んだ6サンプルの中から、プレイヤー4人が選択したもの。
 「無政府主義の技術屋」「エクストロピアの運び屋」「木星のスパイ」「変貌者の廃品漁り(知性化タコ)」の4名となりました。
 使われなかった「スカムの荒事屋」「犯罪者ハッカー」も含め、隠しようもないアングラ臭の匂い立つ面々であります。
 僕が選んだのは、プレイできる機会が特に少なそうな木星のスパイ。
 バイオ保守主義という、(EPの主流である)トランスヒューマンを軽蔑する勢力の潜入工作員です。実のところ戦闘能力が高く、小道具も充実しているので、破壊工作員と呼ぶ方がしっくりくるデータの人。
 ちょっと読み違えを起こしまして、現在のモーフであるフラットが生まれながらのものと思い込んでおりました。よく見ると皮質スタックこそないものの、アイテム欄に「バックアップ保険(一ヶ月)」とある立派なトランスヒューマン技術活用者なんですよね。ともあれ勘違いしたまま「君らトランスヒューマンは、プログラムに成り下がった今でも、生きていると錯覚しているに過ぎない」とか宣う、かなり過激な路線で設定。


 シナリオは、ディテールの細かな調査もの。
 EP世界の特殊技術や人々のあり方を、事件を追う過程でどんどん目にできる作りで、入門用としてはかなりの秀作に入るのではないかと思われます。例えば、殺人を調べるのに、殺された当人(バックアップから再生済み)への聞き取りを行うとか、新奇な世界観を体験できるようになっているのです。
 レプと個々人の技能を生かして行方不明の足取りを追う前半、怪物ホラーものの様相を呈し始める後半、というどことなくクトゥルフ神話TRPGを連想させる趣の構成でありました。
 PCは戦闘を避けることに尽力し、作戦とダイス目が噛み合った幸運もあり、実質戦闘なしでミッションを(完全ではないにせよ)達成。シナリオでは想定されていなかった方策だったみたいですが、プレイヤーの提案をGMが臨機応変に汲み取ってくださったので、上手くはまったときは爽快な満足感がありました。
 後で聞いたところによると、時間的な都合もあり、予期せぬトラブルは挿入しない方向でマスタリングされたとのことです。


 なお、途中でエゴ転送(精神データだけを送り、超遠方の現地にて肉体にインストールする旅行方法)が必要となったのですが、うちの木星スパイ君は思想信条から大いに抵抗。コピー後、元の肉体の精神データが消去されることは、死と同じだから受け入れがたいという理屈です。生まれついての肉体を保持しているいう、作成時の勘違いを引っ張ったがゆえですね。
 ベータ・フォークだけを送って後からマージしようとか企んで、レプを頼るもここでファンブル。木星本国に露見し、お叱りを受ける結果となり、色々条件をつけて妥協する流れとなった次第です。
 プレイヤーが必死さをアピールして笑いを取りに行き、うざくなりすぎないあたりで切り上げられた(と願う)ので、大した問題は生じませんでした。とはいえ、多様な価値観を許容するEP世界では、信条に沿ったロールプレイが楽しい反面、シナリオの方向と一致しない局面が起こりえます。
 EPに限りませんが、卓の了承と、適度な折り合いを忘れずに・・・。