断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

今年もEpimasがやって来た

Once Again, Tis the Season
 インディペンデント系のRPGバンドル(PDF)をプレゼントすると、同じセットが自分にも届く、そんな企画が今年も来ました。ミトラス神の冬至祭りが原型とされる、世界的宗教の12月末の祝いを、個々人の信仰に関わらず楽しもうという趣旨でありましょう。
 今年は、3作バンドル、6作バンドル、12作バンドルと選択肢が豊富です。
 購入は至って簡単。バンドルを選んでPayPal経由で支払うと、24時間以内に自分のバンドルがメールで届き、送りたい相手には12/24に配信されるという仕組みです。


 以下、各ゲームの概要をざっくり。

1,001 Nights:サルタンに各PCが即興でお話を語って聞かせる、アラビアンナイト風のストーリー・ゲーム。お話のジャンルはアラビア風でなくてもok。お茶とお菓子を傍らに、リラックスしてお話を作りましょう。とはいえサルタンの機嫌を損ねると、首と胴とが泣き別れです。


Annalise:人生を吸血鬼によって狂わされる人々を描く、GMレスのストーリー・ゲーム。ここでいう吸血鬼とは伝統的な像に囚われない存在であり、舞台の自由度が高いのも特徴。吸血鬼と対峙する頃には、膝を屈していることもあるでしょう。


Apocalypse World:文明の崩壊した世界、いわゆる世紀末世界を遊ぶRPG。ゲーム世界に没頭させてくれる様々な工夫や、明記されたGMテクニックなどなかなか革新的なシステムです。キャンペーンを通じて、世界を構築する遊び方を奨励しています。


Bliss Stage:少年少女が戦争に巻き込まれロボットに乗って戦う羽目に陥る、そんなアニメ・コンセプトなRPG。いわゆるロボットものRPGは戦術を重視するシステムであることが多いわけですが、このルールではそこをばっさり切り捨て、もっぱら人間関係にフォーカスしているようです。


Blowback:(元)スパイ・エージェントと一般人が協力して、事件に立ち向かっていくタイプのドラマを再現するRPG。ジェイソン・ボーン三部作とか、バーン・ノーティスあたりが元ネタとなっているようです。社会との関わりが重視されていたとうろ覚え。


Dogs in the Vineyard:アメリカ西部開拓時代を舞台に、裁きを下す権限を与えられた、若きガンスリンガー聖職者たちの決断を描くRPG。ダイスでポーカー的な競りを行うルールが非常に特徴的です。


Dread House:恐怖の館に閉じこめられてしまった、子供たち大人たちの、戦慄の一夜。本格ホラーというより、ご家族向けに遊べるタイプのホラーらしいですよ。ルール解決にジェンガを用いるユニークなシステムを採用。


Mist-Robed Gate武侠ものを再現する、(たしか)GMレスのストーリー・ゲーム。リサーチ不足につき、詳細は存じませぬ。


My Life with Master:18世紀のヨーロッパ風世界で、邪悪なマスターに仕えるミニオンを演じるRPG。最後にはマスターに刃向かい、それまでの行いに見合った結末を受容する流れとなります。もはやインディ系RPGの古典の一つと言ってよさそう。友野詳さんの『バカバカRPGをかたる』でプッシュされてました。


Shock: (with Human Contact Preview):社会的な軋轢を抱えたSF世界を構築し、その中で衝突していく人々(?)を描いたGMレスのストーリー・ゲーム。舞台となる世界及び問題点も、参加者が協力して作り上げていく画期的なシステムです。ル・グインの未来世界を描いたシリーズに強い影響を受けているようです。異文化とのコンタクトをメインとしたプレイの枠組みを提供する、現在構築中のサプリメントのプレビュー付き。


Steal Away Jordan:アメリカ新大陸に連れてこられた、黒人奴隷たちの物語を紡ぐRPG。


Time & Temp:タイムトラベル会社のトラブル解決を担当する、派遣労働者たちの悲哀と、時間を越えた冒険を描くRPG。タイムパラドックスを発生させることが、トラブルを招き入れると同時に、PCたちにある種ヒーロー的な行動を可能にするシステムがとても興味深い。


 インディ系RPGの入り口とするのもよしな、名作が粒ぞろい。
 僕の所持率は8/12だったので、微妙に購入しづらかったりするのですが・・・。