断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

SotC、途中までの感想

 81ページまでざっと読みました。思ったより時間かかってます。
 単発セッションで扱うにはキャラクター作成が長すぎるようにも思います。ルールの根底はシンプルだけど、ある項目がらみが入り組んでおりまして。理解と定着のため、再度読んだ上で書き出して整理する必要がありそうです(特に40-46ページあたりを)。
 これらは共に相(Aspect)絡みです。
 相こそがSpirit of the Centuryのルールの肝であり、それ故扱いが少々複雑になっております。個人的にはとても面白いと思う反面、人を選ぶゲームに仕上がる原因となっています。
 相は乱暴に言えば、キャラクター設定からフレーズを抜き出して自由に設定可能な能力です。キャラクター設定や台詞を作ることを大いに楽しむプレイヤーにとっては、それがセッションにそのまま生かせるルールであり、キャラ作成によりいっそうの熱が入ると思います。しかし、キャラクター設定を作り込むことに興味のないプレイヤーにとっては、意味不明なルールとなる可能性すらあります。
 まあ、扱いの難しいところは、作成時だけで各々10個の相を設定し、セッション中のシーンの状況やPC/NPCの状態変化(負傷なども含む)を表すのも相を使うという部分なわけですが。
 一応、コンセプトと最低限の技能と相だけ決定してゲームを始め、セッション中に未習得分を加えていくファスト・スタートも記載されてはいます。設定をもろに反映するという面白みを半ば投げ出すことになるので、個人的にはあんましとりたくない方法です。


・セッティングについて
 PCは卓越した人物であり、実質超人です。センチュリー倶楽部という組織に属しており、全員1901年以降の生まれとなります。基本設定は1920年代なので、若造揃いに。彼らは20世紀の精髄たる特別な存在なのです。倶楽部はセンチュリオンと呼ばれます。名前から想像できる通り、倶楽部の始まりはローマ帝国崩壊のあたりっぽいです。大部分の記録は巴里本部が火災にあった際に失われており、確定しているのは15世紀かららしいです。
 概ねご都合主義であり、あんまし面白みはありません。一定年齢で歳を取らなくなるという、アメコミヒーローすぎる存在だったりしますが、シナリオのネタにすら使えないため考慮の必要はないでしょう(19世紀のセンチュリオンは1920年までに死ぬか姿を消しているので、不死者の恋いみたいなネタも不可能だったり)。
 てかまあ、PCたちが特異な才能の持ち主であり、相互の繋がりを持つ組織を考えておけば、どうとでもなる設定です。


・PCを構成する要素
 10個を自由に設定する「相」、27個から15個選択する「技能」、多くの中から5個選択する「スタント」がPCの実質的な特性値となります。
 「技能」は警戒、学術、格闘などの一般的なものから選びます。もっとも優れたランク5のものを1つ、ランク4を2つ、ランク3を3つ、ランク2を4つ、ランク1を5つ選びます。所持していない技能はランク0扱いです。なお、一般人は生業とする技能をランク1で持つ程度であり、これだけでもPCの突き抜け具合がわかるでしょう。
 「スタント」は超人的な能力です。技能別に分類されており、未来予知、特殊なガジェット、恐怖のオーラをまとう、非常に頑強な体など取りそろえられております。ものによっては「運命点」を用いて発動するのもあります。
 「相」は、設定から来る、非常に多岐にわたる特徴です。大まかに「有り様の描写」「何かとの繋がり」「それまでの物語」「よくある状況」にわけられます。「雄牛のような怪力」「多くの戦争を見てきた」、「銀の黄昏に属している」「アルバート、弟にして錬金術師」「父の形見の短剣」、「群衆に追われた」「姉が行方不明」「ドクター・メトシュラを止めろ!」、「常に間一髪で間に合う」「不幸な恋いしか訪れない」などなど。「相」は長所でも、欠点でもかまいませんし、どちらにも使えるものが望ましいとされます。例えば「飲んだくれ」は通常トラブルを呼び込む(そして運命点を得る)用途で使われますが、酔っぱらいのふりをして注目されないように監視する等の際は、利をなす使い方が出来るでしょう。


・判定
 Fudgeダイスを用います。これは6面体であり、「ー」「+」「 (空白)」を2面ずつ持ちます。通常の6面体を使うなら、1と2が「ー」、3と4が「 」、5と6が「+」として扱えばよいでしょう。
 これを4つ振って、ーは-1、+は+1、空白は0として加算します。結果、-4から+4までの数値が得られるので、それに用いる技能のランクを加えます。これが高ければ成功となり、上回った値が大きいのなら続いての行動に若干の有利さを得ることができるかもしれません。確率については、このへんを参考にしてくださいまし。


・運命点
 各PCは、「相」と同じ数の運命点を最初持ちます。通常なら10点からスタートとなるわけです。
 運命点を用いることで、判定を+1したり、スタントを使ったりできます。
 状況を有利にする「相」があったのなら、「ダイスを4つとも振り直して、新たな結果を採用する」か「判定に+2する」を選択できます。1つの判定に複数の「相」を用いることも可能です。
 逆に、GMあるいはプレイヤーからの申告により、「相」をトラブルに巻き込まれる悪い方向に用いることも出来ます。その場合、「拒絶するなら運命点を1消費」「受け入れるなら運命点が1回復」します。


・シーンの相、NPCの相
 複雑なパートであり、ざっと読みでは理解が追っついてません。
 概要としては、シーンは相を持つことがあるし、NPCやPCの相を判定に利用できるし、状況によっては相が附与されることがある、というルールです。
 例え、シーンが暗い路地なら「暗闇」の相をもっているでしょう。PCが火事を起こして混乱を招いたなら「建物が火事」という相がシーンに現れるかもしれません。NPCやPCの相は、それに見合った行動なら有利に用いることが可能です。負傷なども相が与えられる形で処理します。
 「相の付加(Tagging)」「相の推測」まわりが結構ごちゃごちゃしており、要再読であります。