断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

終末エンジンの見る吸血鬼の夢

[Undying]VtM - AW Hack -- First Release!
 Apocalypse WorldハックのVampire: The Masquerade(っぽい吸血鬼がPCのRPG)。
 ついに来たか、と気分が高揚いたします。
 デザインは、別のAWハック作品The Regiment(戦争ものにおける軍隊をテーマにしたRPG)の共同デザイナー氏。


 このシステムで最重視しているのは、“捕食者"の社会、そして獲物(人間)との関わりです。
 プレイブック(クラス)はV:tMのクランを参考にしている箇所が見られるものの、もっとアーキタイプ的なキャラクターのあり方が示されています。
 本家AWと同じく、吸血鬼の特長や弱点、人間社会との関わり、PCを取り巻く環境やNPCは、参加者全員で作って行く方式が取られており、正確をきすならV:tMにインスパイアされたシステムと書くべきかもしれません。


 ルールは大幅にハックされており、PCを表す能力値は、地位(貴族、扇動家、平民、叛徒の4つの階層が存在)、人間性/意志力(後者は吸血鬼としての能力に用い、人間性との合計値は常にゼロとなる)の3つ。
 そこにセッションを通して変動する、血(の保有量)、借り(吸血鬼社会の貸し借り関係を表す)の2つを加えたものが、数値的なものの全てとなります。
 その代わり、基本ムーヴ、地位によるムーヴ、プレイブックごとのムーヴと、ムーヴで処理する行動は元のAWと比べて大幅に増加。
 AWの基本ルールどおり、6以下ミス、7-9部分成功、10+余剰ある成功なのですが、獲物(人間)相手には4-・5-7・8+と変動することあり。これは対人で主に使うのが、大抵はマイナス値をとる能力:人間性であることに起因するようです。
 ムーヴによって、血と借りは直接変化。人間性/意志力は、緩やかな変容が発生するようになっております。
 逆に、地位や所持するタイプ毎のムーヴはルール的に定められた変化が存在せず。
 セッションで起きた出来事をもとに、変えていくように書かれています。


 まだアルファテストの段階であり、不備もありましょうが、個人的には応援したいハックです。
 PCが人の血を啜って生きるヴァンパイアという時点で、好みが分かれるところでしょうが、一度は遊んでみたいところ。
 こつこつ準備を進めますか。