断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

4/21の覚え書き

 新歓3週目。
 ようやく、深夜になってもコートなしで支障のない季候に。

1部

 OBのOさんによるアイドルRPG。
 ベーシック・ロールプレイング(クトゥルフの呼び声などに使われているD100ルール)を改造したオリジナルRPGでした。
 まずは、プレイヤーで相談して、バンド(あるいはアイドルグループ)のスタイルと、目的を決定。GMはそこに準備しておいた仕掛けとネタを絡ませる、そんな目論見だったようです。
 まずは、新人さんプレイヤーに希望するスタイルを尋ねたところ、開口一番「デスメタルで」との返答。
 GMも、自分も含めた他プレイヤーも、それとなく翻意してもらうべくつつくが、変わらず。できあがったのは、女性デスボイスなヴォーカルと、過激なエコ歌詞を売りにしたアングラバンド。動画サイトで人気上昇中の曲名は「“エゴ”ライフ」など。
 GMがセッション用に用意していた網を、悉くすり抜ける斜め上設定だったため、ライバルバンドやその他の障害にぶつかることもなく。
 プレイヤーが好き勝手に組み立てたファースト・ライブの完遂と共に、セッションは終了してのでありました。
 悪のりの波に乗っかってしまったけど、さすがに空気を読んで引き留め役を引き受けるべきだったかもしれない・・・。

2部

 自分がGMでDungeon World。
 先日テキトーサマリーを作成した、ベータ2.1をプレイ。
 北にそびえる幻獣の棲まう霊山。そこでは7年に一度、支配者を決めるためにレースが行われていた。だがそこに、丘の都で勢力を伸ばす盗賊ギルドが手を伸ばす。PCたちはギルドを勝利させないために、山へと向かうが・・・といった導入。
 ハンドアウトは使わず、盗賊ギルド阻止のための手段はPC任せにするという構成で臨みました。当初BoLを想定して作っていたときは、展開がかなり決め撃ちだったのですが、(PCの行動とその成り行きをことさら重視するシステムである)DWを使うにあたり柔軟性に重きを置く方法に切り替えたのです。


 キャラ作成が終わった時点で、遅れてやってこられた新人さん参入。プレイヤー5人、うち2人が新人さんという構成でプレイすることになりました。
 そのため、キャラクターや状況に没入してもらうべく、オープニングを丁寧目に演出。
 結果、依頼者の妻子を救出したり、NPCの登場を早めたりといった事態が発生。馴染んでもらえたものの、主な舞台となる霊山到着までに1時間がかかってしまいました。
 それなりに入り組んだ力関係の網を手繰り、PCたちは空席であった第四の乗り手を仕立てて勝利するという阻止方針に。最終的には、空を飛ぶ勇気を持たない竜のぼっちゃんと、不遇を囲い無頼を気取る丘の都の姫君という、互いに欠けたものを補えあえる2NPCを巡り合わせることで、その目的を達することに成功します。
 ところが、戦場の英雄たらんとする彼女の願望は、実質的な力を得たことで、その先十年にもわたる戦乱を呼び込むこととなってしまったのです。そんなエンド。
 シナリオ作成段階においても、このお互いに自らに足りぬものを持つ二人が絡む可能性は考慮していましたが、ここまでの激流を引き起こすのは想定の外。
 バードのPCと姫君の出会い時に、彼女が旅の疲れを癒やすために一曲所望するシーンがありまして。プレイヤーに「どんな内容の歌を聴かせるの?」と尋ね、「竜の親友たる英雄が、二人で国を打ち立てる物語」との答えを得たことが、後の展開を形作る種となりました。プレイヤーの口を突いて出たGMの想定にない言葉が、他のプレイヤーの行動を物語の再現に向かわせ、意外な結末へと行き着いたのです。
 プレイヤー主導で予想していないうねりがもたらされ、アドリブ対応で動的に続くシーンを組み立てることは、エキサイティングで楽しゅうございました。
 PCを直接絡められなかったことだけが心残りですが。


 GMとしては過分な楽しみをいただきました。プレイヤーの皆様には感謝です。
 特に、中盤状況を整理して提示することで、新人さんプレイヤーのケアを行っていただいた4回のMさんには本当に助けられました。
 結果的に4時間半の長丁場となり、開始の遅れもあってプレイヤーを必要以上に疲労させるなど、反省点も多々ありましたが、自分のGMスタイルについて少し吹っ切れたかもしれません。
 今週のシナリオは、この経験を生かして、より楽しめるものを目指します。