断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

3/10の覚え書き

 冷え込みが戻りつつある週末の例会。

1部

 OBのFさんによる旧ソードワールド完全版。
 後継者指名への不満からくる、高名な刀匠の弟子二人の対立。師匠の秘伝書を奪い逃亡した弟子が迎えられた辺境伯の領土に、オーファン、ラムリアース、ロマールの軋轢からくる陰謀が芽吹く。そんな内容のシナリオでした。
 PCは5人目までデータと基本的な立ち位置が完成済み。特に3人目までは、設定の根幹も組み上がった状態で渡され、セッション開始までは非常にスムーズでした。
 シナリオ内容もいつも通り、みっちりと身の詰まったボリュームあるもの。鍛冶屋の跡目争いという身近な導入が、単なる発端に留まらず複雑な状況の根幹に食い込んでいるのはお見事。
 間違いなく再利用があると思われるので、残念ながら詳細はカットさせていただきます。


 感想戦で、GM曰く「(1部で)時間制限があるのに、オープニングに尺を採りすぎた」とのことで、実際後半は駆け足で端折ったにも関わらず、終了は20時を回ってしまいました。
 オープニングで個々人の話をクローズアップした分、PC間関係が必要以上に相手に干渉しない個人主義者の集まり、という空気が醸成された感もあり。おそらくパーティ内の絆を補強すべき役割が期待されたのであろう、僕のPC(4人目:ユニコーンの森出身のドルイド)が、ほとんど機能しなかったのも一因でしょう。
 本編においても、PC3に対する説明パートが(他PCには詳らかにし難い事情もあり)時間のかかる一対一になってしまったり、パーティが腹を割って話し合える間柄でなかったことは、後々まで尾を引いたきらいあり。
 僕自身のプレイスタイルは「あまりキャラクターに入れ込んでいない」とのご指摘を受けました。確かに集中してプレイできたとは言い難く、申し訳ない限りです。
 特に後半は「依頼内容である連れ戻すべき弟子たちが目前にいるPC」「政治的な思惑をもって事態の制御を試みようとするPC」「私的な復讐心に冷たく燃えるPC」とそれぞれが自分の事情でいっぱいいっぱいの中、空気を読まずにPC設定に与えられていた「自然を守ろう」との理想論を押し出してゆく度胸はございませんでした。
 時間的事情に照らしても、ラインを増やすのは得策ではないと考え、自制したのが裏目に出た模様。後半は序盤で食いついたNPCとの約束にすら言及しない程でした。
 今後は、個人オープニングもない4人目のPCであっても、積極的にかき回していくよう、心がける所存です。

2部

 1回Iさんの、これまた旧ソードワールド完全版。
 5年前に断頭台の露と消えた義賊。その遺産を見つけ出したものには莫大な報酬がもたらされると、強権的に街を支配して私腹を肥やす領主からおふれがだされる。一方PCたちは、親しくしている孤児院の少女から、領主の手が及ぶ前に義賊の遺産を見つけ出して欲しいとの依頼を受けるのだが・・・という導入。
 キャラメイク時、街の設定をGMに確認すると、義賊処刑後は同様の行為をした人物を問答無用でギロチンにかけている、との話あり。冗談で「領主の恐怖支配が行き届いた地獄のような街じゃ?」とプレイヤーが口にするも、GMは「いや〜、そこだけ切り取るとそう聞こえますが、実際はさほどでもないですよ」との返答。
 が、セッションが始まると、プレイヤーの私的通り、まごう事なき恐怖の街であることが判明。
 一方野外は、ランダムエンカウンターでライオン、ヒュプノスバイパーが2匹ずつ現れる野生の王国でありました。所詮PCは経験点6000点の3レベル冒険者。なるほど、安全な旅ができないから、あんな街であっても拠点にせざる得ないのだと妙に納得した次第です。
 素直に依頼内容を受けるのが無茶にも程があるとか、起伏が今ひとつとか、細かい点を指摘していけば切りがありません。
 にも関わらず、それを全て吹き飛ばすパワーに溢れたプリミティブな味わいのマスタリング。爆笑渦巻く、非常に楽しいセッションでした。
 なお、最終的にはPCの半数が死亡。残りは街を逃亡するという悲惨な結末へ。あー楽しかった。