断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

Cortex Plusの体験版

 この2月末から展開が開始予定のMarvel Heroic Roleplaying Basic Game。使われるルールはCortex Plusと呼称されます。
 Plusという名称から想像できるように、元はCortexという汎用ルールが存在しまして。これを用いて「バトルスター・ギャラクティカ」、「セレニティ」、「スーパーナチュラル」といった、TV/映画の原作つきRPGが出版されてました。
 それなりの複雑性も持つ汎用ルールだったのですが、2010年の「ヤングスーパーマンSmallville)」からルールが一新。インディペンデント系のストーリーゲームの影響が色濃い、軽量でコンセンサスを重視するルールへと進化を遂げました。
 続く「レバレッジ 〜詐欺師たちの流儀」の開発には、Fate RPGの主要な面子が関わっており、同社がインディ系のデザイナー陣と親密な関係を築いていることが見て取れます。


Dragon Brigade: Opening Salvo
 そんな、ある意味今をときめくシステム、Cortex Plusの体験版的な位置づけなのが、このDragon Brigade(竜の旅団)。上記URLからフリーでダウンロード可能となっております。
 空に浮かぶファンタジー世界(文化は近世ヨーロッパに類似)が舞台。時代遅れと解散させられた文字通りの竜騎兵、竜の旅団。その名誉ある一員であったステファノ・デ・ギシャンは、傭兵業に転じるも困窮にあえいでいた。そこに舞い込む依頼。盗賊団(空賊)によって強襲され人質に取られた、王の親族たる徴税人を密かに救出してほしいというのがその内容。盗賊団が潜む竜の公領に通じたステファノを見込んでの仕事だった。彼は仲間たちを引き連れ、現地へと向かうのだが・・・。
 といった完成済みキャラクター6名を用いるアドベンチャー。
 中世ファンタジーものよりはスワッシュバックリングな冒険活劇を指向したキャラクター、及び内容となっております。小説ベースらしいのですが、Swashbucklers of the 7 Skiesとの類似点が多すぎる印象。


 システムによって味付けが大幅に変更されている(例えばSmallvillだと他者との関係が非常に重要となるなど)ため、Dragon Brigadeのルールはあくまで
 基本ルールは、d4からd10で表記される能力値2つをロールし、その合計がGMの難易度ロール以上であれば成功というもの。キャラクターの持つ特質や才能、資産を用いることによってより多くのダイスを振る(その場合は最も高い出目2つの合計が達成値となる)ことが可能となります。
 ひねりは、もしプレイヤーの振ったダイスの中に1の出目が混じっていれば、GMは事態を複雑化させることによって、将来のロールの難易度を引き上げる備えとする仕組みです。代わりにPCはプロットポイントと呼ばれる、ヒーローポイントを受け取ることができます。
 これによって、わざと1の目が出やすいd4の苦手能力を振ったり、多くのダイスを振ったりする選択がプレイヤーの側からでも可能となっているのが面白いところ。
 負傷のルールはFateに類似しつつも、より軽い処理が取られています。
 思いの外完成度の高い内容なので、サークルで遊ぶために簡単な訳は作成する予定。