断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

サイ*ラン

Psi*Run pre-order
 謎の組織に追われる、記憶喪失の超能力者をPCとして、逃亡劇と彼らの失われた過去を同時並行で作って行くストーリーゲーム。
 ルールは、シチュエーションの複数側面にダイスのロール結果を割り振り、プレイヤーが取捨選択する形で新たな状況を形作るスタイル。実験的なルール案であったOtherkindダイスを、明確化させたものとなっております。


 キャラクターのデータは最小限しかありません。
 外見的特徴、使用可能な超能力、そして記憶にまつわる疑問です。
 この疑問は各々4〜6個設定します。疑問に対してはゲームを通じて答えが書き込まれて行き、誰かが6個(短いセッションの場合は4個)全てに答えを得た時点で、ゲームは終了へと向かいます。
 ロール結果のダイス割り当てによって記憶が戻るか否かは決定されるのですが、多くの場合他のプレイヤーに内容の決定権が与えられるというのが面白い仕組みと言えましょう。


 ゲームは常に、運搬途中のPCたちが事故で目を覚まし、逃亡を開始するシーンから始まります。これはクラッシュと呼称され、スタート地点となります。デフォルトの舞台は現代の都市部とされていますが、テクスチャーを張り替えて遊ぶのはさほど難しくないでしょう。
 PCたちはここから移動先を決めて、どんどんと逃げます。メモ用紙などに移動先の場所名を記し、駒などで居場所を管理するのです。GMはロール結果に従い、追跡者の駒を進めます。
 プレイヤーの判断は、場のフィクションに沿う形でPCの行動を宣言し、振るダイスの数を決定して、振ったダイスをリスクシートに割り当てることで行われます。ダイスの数を決めると書きましたが、1つのシチュエーションに最低4個、最大6個をロールすることになります。多く振るほど重きを置く事項によい結果をもたらしやすくなるのですが、副次的な被害を拡大する可能性も高まる方式が取られています。


 死亡するか、組織に捕縛され消されてまえば、そのPCは退場することになります。残りの時間、そのプレイヤーはGM補佐としてPCを追跡する側に回るのです。
 ゲームの終わりにおいては、答えた質問の数が多い順に、7つの結末リストから自PCの行く末を選び取り、どうなったのかを語っていくことになります。誰かが選択したのと同じ結末は選べません。
 ハッピーエンドのみならず、悲劇的な終着点をプレイヤーが選択できるという部分に、このシステムの性格が大きく現れていると言えるでしょう。


 シンプルで遊びやすいとは思うけど、即興物語に特化された構造は、うちのサークルじゃ拒否反応出そう。でも遊んでみたいなあ。うーむ。