断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

Murderous Ghostsに軽く目を通して

Murderous Ghosts for sale
 Murderous Ghostsは、GMが廃工場でプレイヤー・キャラクターを追い回す亡霊を、プレイヤーがそれから逃げるキャラクターを担当する、二人用のRPGです。
 ことの成り行きを判定するにはトランプを用い、数値を書きとめたりする必要はありません。協力して幽霊譚を作り上げていく方式なので、準備は一切不要。
 一応、PCが逃げ切ればプレイヤーの勝ち、それができなければGMの勝ちとされていますが、それ以上に楽しい時間を共に過ごすことが目標となるでしょう。この辺は一般的なRPGと同じですね。
 一回のプレイ時間は20〜60分の即興ホラーを楽しめます。


 ベテランからRPG未経験者まで、広い層で楽しめる作りが一つの売りのようです。
 それを支えるのが、ゲームブック方式のプレイ手引き。
 これに従いプレイを進めることにより、ゴーストの詳細や、キャラクターのおかれているシチュエーション、ホラーものにつきものな展開などを決定するアイデアの手掛かりが示されます。ありそうでなかった、なかなかに工夫された仕組みです。


 状況がプレイヤー・キャラクターにとって有利に進むか否かを決定するのはトランプ。
 エースを1、数札はそのままの数値、絵札は11として扱い、望むだけ山札からめくることができます。この合計値が13〜20なら起こりうる最良のこと、6〜12なら今ひとつのこと、1〜5あるいは21以上なら起こりうる最悪のことが発生します。最後の場合は手札を全て捨てます。
 カード引きが必要な状況になれば、プレイヤーはそれまでの手札を維持するか、捨てるかを決定できます。博打と取捨選択の要素が入り交じったルールなわけですね。
 デザイナーはApocalypse WorldやDogs in the Vineyardの方。いつもながらシンプルかつ洗練度合いの高いシステムという印象を持ちました。


 PDF版は5ドル、全部合わせても20ページ(うちルールは17ページ)で平易な英語で構成されています。興味を抱かれたなら是非とも。