断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

合宿の覚え書き(10/8)

 ざっくり目に。

1日目

 2卓で共通の背景を遊ぶ合同セッションに参加。
 システムはSW2.0で、砂漠に作られた謎めいた聖なる水に守られし交易都市、その内側と外側で1パーティずつ。事態の進行と共に、2卓が一緒になったり、シャッフルされたりする、合同ならではのギミックが用いられるセッションでした。


 僕が参加したのは、内側の方。
 PCは全員、内部の治安を守る憲兵隊のメンバーで、同じ隊長に従うものたち。
 内部は御三家と呼ばれる貴族を中心にした支配体制が敷かれており、街の内と外を隔てる壁を堅持する構えでした。PCたちはその手先というわけです。
 外から侵入したチンピラを撃退したその夜、隊長との定期親睦会に参加するPCたち。そこで彼らは、隊長が結婚近づく娘について迷いを抱いているのを知ります。嫁ぎ先は御三家筆頭で、この地の下に眠る遺跡に詳しい一族の嫡男。普通なら、下級貴族である隊長の家にとっては万々歳なのですが、その御三家筆頭の家では使用人が数ヶ月で行方をくらまし二度と姿を見せない、そんな奇っ怪な噂があるそうなのです。
 この噂を知っているかの判定でアルケミストPCが6ゾロ。さらに、うちのルーンフォーク戦士PCはかつてその家の先代当主に仕えていたため、使用人の消失が事実であることを知ってしまいます。この時点でプレイヤーから「もうこの街は終わりじゃ〜」の呻きが漏れたのは言うまでもありません。ともあれ、隊長の頼みを聞いたPCたちは、翌日から密かに調査を始めることで合意します。
 ところがその夜、隊長の家に宿泊していたPCたちは【眠り薬を盛られ】、抵抗したPC数人が【深夜に叫び声を聞き】、駆けつけると【執事として仕えていた暗殺者によって家人は召使い共々皆殺し】にされており、犯人を追跡しながら仲間の憲兵に協力を仰ぐと【是が非でもPCたちを犯人に仕立て上げようとしている】様子。
 定番コンボとはいえ、依頼から数時間で憲兵隊を掌握してでっち上げを行おうとする御三家の権威に戦慄するPCたち。幸い、逃走経路で半年前に同じように殺人の嫌疑を受けて行方をくらましていた元憲兵隊の仲間と再会。彼女は街の外側に根を張るレジスタンスの一員となって、潜入していたとのこと。
 御三家外の最有力貴族もレジスタンスを支持しており、彼の指示で偽の命令書が配布されるなどして、PCは全員解放されます。一名、貴族のぼんぼんだったため、事件発覚後他のPCには何も告げずに実家逃亡した隊員もいたのですが、事態のあまりの剣呑さに、家に迷惑をかけぬよう父親から勘当してもらってここで合流。
 ますますもって、この街は終了気分に支配されてしまいます。


 PCたちはこれまで得た情報から「御三家筆頭が遺跡で捧げる生け贄によって、この街を守る聖なる水が生成されているのではないか」と推測。街を開いて外部との共存を、と単純に主張するレジスタンス側の貴族と元憲兵の仲間を説得して、自分たちも壁の外に出て、実体を見て決めることにします。
 ここで街の外パーティと合流。
 向こうの部屋に入ったところで、いきなり捕まえた老人を吊すか、後に取っておくかという会話が耳に入ってきます。一見穏健で中央が腐っている内側と違って、外側はヒャッハー世紀末な悪臭ふんぷんたる力こそ正義ワールドだったようです。予想通りだけど。
 ここで、「御三家(特に筆頭)の排斥」「生け贄の件は実情を見極め、街を守るために必要なら重罪人などを用いて継続」「よっぽどのことがない限り革命は避け、段階的な内と外の融合を目指す」あたりで合意。
 実のところ「壁を壊して結果を見ればいい」という革命派から、「罪人で足りなければ奴隷を買い足して生け贄を続ければいい」という貴族的な主張まで、相容れない意見が散見されたのですが、そこは事態が確定するまで先延ばしした次第です。


 ここからパーティを2:2で混ぜて、2つの遺跡を調査する流れに。
 うちのパーティは外部に延びていた侵入経路から入り込みます。ワンダリングモンスターをかわしつつ最深部に至った我々はゴミ捨て場を発見。価値ありそうなのは古すぎて読解不能な書物のみでしたが、その著者名に外パーティのPCたちが見覚えあるとのこと。
 ここで、同行していた学者然としたNPCが、PCたちから隠すべく呑み込んでいた通話のピアスを吐き出して使い、何者かと連絡を取っていたことが露見。相手は御三家筆頭の御曹司で、街の外で悪さをしている姿が目撃されている人物でした。
 急いで帰還したPCたちは、古書の著者であったエルフを保護。彼女の逗留していた宿に襲撃をかけようとしていた御曹司を待ち伏せて、逆に拘留します。
 エルフに話を聞いたところ、彼女は街の創始に関わった一人であり、実は遺跡に眠っていた魔人の力を用いて聖水を生み出していたと判明。魔人は遺跡の装置で指定された特定のエリアから生体エネルギーを吸収し、それによって街を守る力を提供していたのです。現在のエネルギー吸収エリアは街の外縁。ここで、街の内と外で平均寿命が違う、という事前設定の理由が明らかにされます。
 ここで貴族PCがよからぬ発案を行います。
 それは、エネルギー吸収の対象が人族でなくてもよいなら、蛮族で迫害されているコボルドを呼び寄せて街の財で保護を行い、吸収エリアをそこに移そう、というアイデア。コボルドなら増えるのも早いし寿命も短い、かつ弱いから反乱される危険も低い、という非道で理にかなった案でした。
 僕のPCは特段何も口にしなかったものの、プレイヤーは場のテンションアップも兼ねて、その案を大々的にプッシュ。砂漠に花開くコボルドの楽園のすばらしさを、口から出任せでとうとうと賛美します。倫理的に同意が得られるわけはないから、勢いでその場の楽しみをできる限り増幅して、あわよくば、という底意での行いでした。


 さて、ここで2パーティが再度合流。
 楽しげにコボルとの楽園を語った僕に対して、向こうのプレイヤーはしらけ顔で「無理だ、むり」と全否定。
 どうやら、こちらパーティが得た情報に加え、向こうは「魔人が実は制御不能であり、現状も気まぐれで成立しているに過ぎない」と知ったとのこと。それは確かにどうしようもない。なし崩しで、革命の決行が避け得ない状況となります。
 そんなわけで、あとは御三家の上層部を皆殺しにして、さらに遺跡の奥深くへ向かって魔人を打ち倒し終了。アルケミストが2万ガメル以上を吹っ飛ばす、豪華な援護と妨害を行ったおかげもあり、思いの外楽な戦いとなりました。
 そして、一部貴族は逃亡、街は新たな(そして苦難が予想される)時代を迎えるのであったエンド。


 PCたちを無理矢理追い込むための手法、2パーティGM間の頻繁な連絡によるセッションの中断、あまりに機械的なダンジョン処理など、問題点は幾つかみられたものの、概ねうまくいったのではないかと思います。時間も予定の範囲に収まってましたし。
 GMのお二方は本当にお疲れ様でした。

その後

 喉が相変わらず本調子に戻らないので帰還。
 家が近いので、寝部屋は使わず帰宅しました。なので、その辺の合宿所としての環境についてはわからぬまま。