断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

9/17の覚え書き

 DWのテキトー訳もろもろは、持参したものの、喉が未だかすれ気味のためGMする機会がありませんでした。
 その割りに、定番ゲームで結局徹夜したり、昼近くまでだべりの間をたゆたったり、直す気あるのか!と一喝されかねない愚行に身を任せてしまいました。
 ・・・喉ひりつく。

1部

 OBのTさんGMによるファイアード!
 密やかに異世界による分割植民地支配(人間の魂は価値ある物質でありそれを搾取)を受けていた地球。その8異世界の一つが他の異世界に戦争をふっかけ逆に滅ぼされてしまうも、最後っぺで異世界に奴隷として連れ去られていた人間たちを解き放つ。自我を取り戻した改造人間たるPCたちは地球に戻り、異世界侵略へのレジスタンス活動に身を投じるのであった!
 ・・・という世界観説明を受けましたが、正しい保証は皆無です。


 内容は今が旬のスポンサーロゴを背負ったヒーローもの。
 大友市に帰還したPCたちは、生活費の捻出に異世界で埋め込まれた力を使って、ヒーロー稼業に精を出す。そんな設定でした。
 基本ラインは、街の人々を悪徳に耽溺させることで、天罰たる隕石召喚を行おうとしたゲヘナ世界の邪霊の陰謀に対峙するPCたち。という構図。ツングースカ大爆発の原因は、怠惰な村を消し去るための罰だったんだよ! な、ナンダッテーという壮大なのか、ギャグなのか判別しがたいネタ。


 ルールはステージ制でして。
 それぞれ起承転結に合わせた1〜4のステージと、クライマックスから構成されます。
 ステージごとにPCの行動機会は各2回。それぞれに2〜3ずつ用意されている奨励行動と、クライマックスに関わる情報収集、それに累積した絶望ポイントの軽減を行っていき、PCのパラメータ判定によるポイントがある程度累積したらその項目は解決されます。行動と用いるパラメータ、演出はプレイヤーに自由裁量を大きく振っているのが特徴。
 このステージはGMが事前準備するもので、基本的に完全固定。アドリブで肌触りを変えることはあっても、PCの行動やその場で展開するフィクションに従い、流れそのものが蛇行することはないようです。
 PCは、コミュニケーション、タクティクス、ウィルという3つのパラメータを持ち、行動結果と奨励行動のボーナスでどんどん増加していきます。これが一定の数値以上になれば、クライマックスでより高い効果を得られるという仕組み。
 クライマックスは、それまでにPCが蓄積した絶望に倍数をかけた数値を、GMに指定されたパラメータで削っていく方式。ここだけラウンド進行です。


 今回の総評は、プレイヤー目線の不足したルールだな、というもの。
 特にクライマックスは、PCたちがラウンド毎に削れるかだいたいわかるので、何ラウンドで終わるか自明でして。演出しながらだらだら手番を回していくだけという、ひどく盛り上がりに欠けるものとなりました。リプレイではクライマックスにパズルをやらせるなどの創意工夫を盛り込んだと聞きました。
 各ステージで起こるイベントと奨励行動が固定されているので、PCたちの動きは演出面を除いて展開に反映されず、歯がゆい感じでした。自分のプレイスタイルに大きく反するため、特に抵抗を感じてしまったのでしょう。
 自己演出をしようにも手掛かりが少なく「とにかくこういう行動を取りますので、ロールしますね」で流す中だるみ光景もみられました。同じ演出をプレイヤーに投げるシステムとしては先輩に当たる、サイコロフィクションの単語グリッドの能力は、プレイヤーに発想の切っ掛けを与えるうまい仕組みだなと再認識した次第。
 何より、話を作っていくためのメカニズムが全て剥き出しなので、興ざめしてしまうのはいただけません。その上、ルールは無駄に複雑でプレイアビリティを明らかに削ぐだけの処理(例えばアビリティの使用回数制限は、プールで一括処理してもいいと思う)も見られます。
 GMの準備とマスタリングのやりやすさが一つの売りとのことでしたが、このメソッドに従ったセッションは、プレイヤーの好みが大きく割れるのではないかと思われます。


 個人的に、グループSNE出すシステムは、場を盛り上げるための一工夫が組み込まれていることの多い印象を抱いていました。それだけにファイアード!においては、「どうしちゃったの?」と首を傾げてしまいました。
 なお、これは今回のセッションから受けた印象であり、ルールブックにはほとんど目を通していません。勘違い等あれば、ご指摘ください。

2部

 H将軍GMによる旧版SW。
 ファンタジー戦記物と銘打って、愚かな兄王、10年前に政争を避けて死の砂漠に隠遁した優れた兄の王子、その王子を彷彿とさせる若きPCの王子、という構図が広がっていく政治劇でした。
 PCはその王子、彼が預けられた地方領主の息子である若き騎士、その地方領主の家に仕える密偵、10年前に兄王子と共に夢を抱いていた魔術師(王子PCの教育係)、同じく兄王子のとりまきであった戦神の高司祭、愚昧なる兄王への復讐を誓う精霊使い、という構成。
 王子PCは野心を秘めるも慎重な言動を常とし、勝ちが見えてようやく腰を上げるタイプ。オープニングで重税に逃散した農民たちに縋られても、冷たく無礼千万な追っ手に引き渡す計算高さが特徴でした。
 物語は、兄王が執り行おうとする贅沢三昧の即位10周年記念式典へとPCたちが旅立つところから始まり、やがて砂漠に消えた兄の王子の影がちらつき始め、戦雲が立ち込めます。嘔吐に入り込んで工作していた兄王子の配下が語るところによると、砂漠の残虐な部族とモンスターの群れを束ねた兄王子の帰還が間近とのこと。
 それぞれに思惑を持ったPCたちは最終的に、王家への忠誠を頑なに唱える堅物の若き騎士PCと、勝ち馬に載って保身を図ろうとする王子PCとのラインでポキンと折れてしまい、若き騎士と密偵の両PCは故郷の領地に遁走。王子PCの行動を許容できなかった高司祭PCは、残りのPCと戦闘を繰り広げ、最後はギアスの枷をはめられて発狂死。
 エンディングは魔物の群れを引き連れる、変貌してしまった兄王子の軍にその3PCが合流してフェイドアウトという、かなり壮絶な幕切れとなりました。


 王子PCを担当した1回生のプレイヤーH君は、情報の奔流と刻々と変化する事態にもかかわらず、最後まであり方を曲げずアクティブだったのが好印象。若い頃にそういった責任ある立場のPCを割り当てられると、右往左往して行動が滞ってしまうケースがよく見られるのですが、ちゃんと存在感を示すユニークさを発揮できたのが素晴らしい。

3部以降

 定番ゲーム2回。典型的な勝負もつれが発生して、朝の8時半までかかりました。
 2勝したものの、ミス多し。
 あとはだべりだべり。