断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

3/19の覚え書き

 非公式かつ予定無しの日でした。
 1部はかろうじて立卓、2部からはダベリだべった一日。

1部

 自分がキーパーでCthulhu Dark。
 RPGマガジン、1996年12月号掲載のシナリオ『ドイツ屋敷怪奇譚』を遊びました。
 大正末期の日本を舞台にした退廃の香り漂うロマンホラー、といった風情のシナリオです。
 プレイヤーは4人で、うち二人はクトゥルフ神話TRPGのGM率高め。全員がクトゥルフを遊んだことがあり、探索者の行動指針は了解した面子でした。
 イメージ補助用に『クトゥルフと帝國』を持参してのセッションでした。


 キャラクター作成は10分もかかるまいと踏んでいたのですが、なかなかまとまらない様子。
 クトゥルフと帝國の職業パートと有名人リストをひっくり返しながら、あーでもないこーでもないとイメージをかき回しておられます。聞けば「いや、まとめに入れば5分でできますから!」と返され、とりあえずは手綱を締める真似はせず。
 ステータスが存在せず、かつ縛りは帝都のカフェに集うような連中を自由に、程度だったため、集約に時間がかかったようです。30分経過後に時間を切る宣言を行い、何とか開始できました。うちのサークルの場合PC設定を割りに作り込む文化があるので、長くなる傾向に拍車がかかったと推測する次第です。
 PC構成は、高等遊民ディレッタント&美術家)、医者(ドイツ人とのハーフで特高のNPCに目をつけられている)、一高生(学生NPCの噂を聞き知る)、官僚(住友財閥との繋がりあり)という組み合わせ。医者は、森林太郎とドイツ人女性との子供という舞姫ネタのPCでありました。


 市販シナリオのため、内容については伏せます。
 冒頭で強烈な事件を目撃してしまう導入部には「PC的には危険極まりないNPCと積極的に関わる動機が無いし、プレイヤー的にはいきなり大体の事情が類推できるので、探索者をどうやって事件に関わらせるか苦労した」とはプレイヤー評。それなりに盛り上がったシーンもあるけど、プレイヤーに助けられて完遂できた印象でした。狂気値はほぼ全員5になるも、発狂者はでず。ちぇ。
 なお、普段調査型シナリオをGMしないので、情報の出し方が割と気ままで、展開を最低限のイベント以外PC任せにするマスタリングでした。シナリオ想定から3つぐらい状況が書き換わる展開で、NPCへの感情移入は(予想通り)皆無。事前のざっと読みで動機面の弱さは理解していたので、足場を一段準備しておくべきだったかもしれません。


 ルールに関する主にプレイヤーの感想は次の通り。

  • ルールは軽いし、不合理さによるストレスは特に感じない。
  • ただ、それが成立するのは、プレイヤーがみんなCofCを知っているからでは?
  • ルール的な制約が見えないから、CofC経験のないプレイヤーだと、破綻したキャラクターを作り探索者のお約束から脱線する可能性が高いのでは?
  • そういったことを抑制するために、キーパーは世界をきっちり構築して説明する手間が生じるから、結果的に「軽い」ルールになるか疑問。
  • 実質的に職業しかキャラクターのデータ的差異がないが、そのキャリアがカバーする範囲は曖昧。口プロレスになる危険は無いのか?
    • 通常のCofCでも「弁護士だから同じ業界のクライアントにコネはない?」などの、ルールで規定されている以外の調査手法が(少なくともうちでは)普通に利用されている。そもそも、シナリオを進行させるためのロールは基本成功(かつ結果に不満があれば振り直し可能)なので、有利さを濫用する利点がほとんど無い。
  • 緻密な調査型よりは、破滅型のホラーシナリオに向くシステムじゃないだろうか。


 キーパー目線では少なくとも、クトゥルフ神話TRPG経験者が、イメージ重視で気軽に遊ぶ分には、ルールがデザイン意図通りに機能してました。そこそこ印象に残るシーンがいくつか生まれたので個人的には満足。
 参加者のみなさま、ありがとうございました。

2部以降

 夕食後、延々ひたすらだらだらだべって、気づけば朝の5時過ぎ。