断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

3/5の覚え書き

 強化期間は今週で終了とのこと。
 僕は土曜しか出席しておりませんが、みなさまお疲れ様でありました。

1部

 OBのAさんGMによるSW2.0。
 PCは辺境都市の若者たち。幼い頃からつるんでいた仲です。異変が起きたのは一年ほど都会に留学していた村長の娘が帰郷した翌日。村長が突然「娘を生け贄に捧げて邪神を復活させるぞ!」と叫びはじめ、何故か住民のほとんどが賛同の大合唱を始めます。疑問の声を上げたNPCが目の前で火焙りにされるのを目にしたPCたちは、孤立しながら幼馴染みである村長の娘を助けようとする・・・。
 と、いった導入。


 開始から1時間ほど経ち、善なる神の信徒である女祭に導かれ村を一時離脱するPCたち。GMが「森の方でなにやらもの音がしますね」と口にしたかと思うと、立ち上がり、隣の部屋との敷居をがらがらーっとオープン。
 隣室で行われていたのはBRS(クトゥルフの基本システム)を用いた現代日本もの。シナリオ紹介では、行方不明になった共通の知人を捜す云々とありましたが・・・。どうやらその行方知れずになったNPCが、うちの卓で生け贄にされようとしている娘と瓜二つ(名前も同じ)で、彼女の自室にあった不可思議な呪文書を開いたPCたちは、こちらの世界に転送されたとのこと。
 一瞬ぽかーん、としてしまう、まさかの合同シナリオだったのです。
 意外性に満ちた発想を大きな武器とされるGMだとわかってはいたのに、またやられた! くやしい。


 話が進むにつれ判明してきたのは、SW側が行方知れずの娘が作り上げた空想世界の具現化に過ぎないという事実。こちらに対する最終的な生殺与奪の権利が、完全に別卓の手にあることが明らかになり、SW卓はパニック状態に。何とか「彼女が一生眠ったまま夢見続ける状態に置く」ことを、向こう側に同意させるべく交渉しようとします。
 多重人格の状態に置くことで共存を図るというアイデアも出され、一時はその流れが優勢になったのですが、結局向こう卓の1PCが最終局面で見事な一喝を入れ、こちら側の世界は消滅するに至りました。脇役の領分を守るつもりでプレイ(交渉シーンで矢面に立ってたけど!)して、判断を中核となるPCの担当プレイヤーに一任していたため口にしませんでしたが、やはり袋小路が見えた時点で戦闘能力(当たり前ですがSW側が圧倒的に強い)にものをいわせて押し切るべきだったかと、敗北感に打ちひしがれた次第。


 判定によらない交渉と決断をプレイヤーに丸投げする方式が取られており、ベテランでなければ戸惑うシビアさがあったかも、との印象をセッション終了後に抱きました。個人的には、昔懐かしい匂いがいたしました。許容される環境であるならば、駆け引きや裏切りの混在するセッションは楽しいものです。
 聞けば前日17時から思いついて、隣の卓のGMに電話したという、かなりの急造企画だったそうで。しかし、十分に満足できる質とサプライズをプレイヤーにもたらすことに成功されていたと思います。
 面白かったですよ、本当に。

2部

 1回生SさんGMによるSW2.0。
 駆け出し冒険者のPCたちが仕事を求めて都市に旅する途中、大声で呼びかけを行っている二人組みと邂逅したところから始まる話。聞けば道中を共にしていた少女が一人はぐれてしまい、懸命に探しているのだとか。PCたちはもののついでと協力を申し出るのだが・・・。
 そんな感じの導入でした。
 新歓で使う可能性があるとのことだったので、内容についてはばっさりカット。


 初心者さんにもわかりやすく、口当たりの軽い、まさに新歓向けのシナリオだったのですが、ディテールにツッコミどころが散見されたのが惜しいところ。PCの行動が想定から少し外れたのもあり、GMが補正にてんてこ舞いしてしまったため、詳細のピントずれまで気が回らなくなっていたものと思われます。展開を面白いものにしうる要素がいくつか入っていたのに、エンディングにて口頭説明されただけなのも消化不良感。
 とはいえ、基本的な枠組みは丁寧に考えられており、研いでいけばいいものに仕上がる予感が十分にありました。コミカル路線を目指したのもよし。マスタリングもこなせているし、是非ともがんばってくださいまし。