断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

12/18の覚え書き

 夜の冷え込みがもはや殺人的な年末であります。
 シナリオはなんだかんだで納得できないできだったので、破棄して再利用に。

1部

 一回生KさんGMによるダブルクロス3rd。
 一年前に起きた事故、死んだはずの親友との再会、平凡な少女に秘められた秘密、とかその辺のいかにもDXなネタ。面子の安定度は高めだったし、多少の事故ならかえって盛り上がる要因になるようフォローできる体制だったと思います。
 ただ、中盤で訪れたPC1とかつての親友の対峙シーンで、GMが詰まり気味に。NPCが大義だなんだと、自分の正当性を訴えようとするわけですが、肝心の内容につっこまれると返答に窮するのです。
 戦闘をおっぱじめてでもプレイヤー側からシーンを打ち切るべきだったのかもしれません。ただ、PCは全員シーンにいたのですが、「PC1の親友」「UGNの不手際の被害者」「FHだけどジャームじゃない」の三段コンボにより、こちらから武力行使には消極的にならざる得ない状況でした。
 結局PC1のプレイヤー氏の機転(パワーを使わない殴り合いによる決着を提案し、自分はDロイス「伝承者」を使用)により、無理矢理納得させましたが、そこでシナリオ終了。状況的にFH側が手詰まりになったのもあるのですが、そのシーンの会話だけで一時間半を費やしGMが憔悴したことも一つの原因でしょう。


 聞けば「シナリオの黒幕は、来年のキャンペーンで使う予定のボスなので、目的などを明かすわけにはいかなかった」ために詰まり、「会話しているうちにNPCの目的が内包する矛盾に気がついたため」余計に何を言っていいのかわからなくなったとか。
 後者はGM経験の少ないうちはよくあるミスと言えますが、前者は自分のRPG生活において初めて聞く理由。単発とキャンペーンに共通の背景を持たせるのはありなのですが、それがどちらかの足を引っ張るのは本末転倒もいいところです。今回の面子で四ヶ月後のキャンペーンに参加する人がいるかすら不明なわけでして、プレイヤーはあっけにとられるばかり。そもそも、事件の背景を探ろうという動機を持つPCと事情を知るNPCが出会えば、当然質問はそこに及ぶわけで、明かしてはならない重大な秘密を知るNPCを投入するのは配置ミスと言えましょう。


 「プレイヤーのOB率が高くて緊張した(うちら別に噛み付いたりしないよ!)」「その日の未明まで持ち回りキャンペーンを遊んでいたため、寝不足だった」などの複合要因もあり、大いに同情はいたします。今回の失敗が次回に生かすようがんばってください。


 それはともかく、このセッションで一番ウケをとったのはプレイヤーの一人、Mさんのひと言。
 一年前のエージェント・ジャーム化事故以降、UNG支部では同僚の侵食率を気遣う声かけ運動が奨励、というGMの説明に素早く、「そんな侵食率で大丈夫か?」「大丈夫だ問題ない」「一番いいロイスを頼む」と切り返し。
 このネタ、汎用性高すぎますな(笑)。

2部

 自分がGMで深淵。
 前回の京都深淵CONで用いたシナリオの再利用となりました。プレイヤーは3人で、運命は前回と同じく1枚は通常ルールで決定。テンプレートは前回と被らず。

PC1 漂泊の若き騎士【誓いの言葉】【滅びた貴族の子孫】
PC2 吟遊詩人【幻視】【しがらみ】【友殺しの予言】
PC3(前回は4) 大男の弩弓兵【故郷を失った】【罪悪感】

 今回は、前回以上のスロースタート。
 PC1が女太守への純愛を抱いていたことと、PC3が傭兵隊長と義兄弟だったことから、前回スポットの当たりにくかったNPCの別面が浮かび上がりました。また、裏で糸引くラプティークの存在は早期に出したにもかかわらず、情報の握りつぶしが発生。更に妖精騎士の体に入り込んだPC2のプレイヤーから、「『妖精騎士の定め』という縁故を『力への渇望』に書き換えていいですか?」という提案がなされたのもあり、ダークサイドへ一直線。
 追加運命で【魔法の武器(破封の短剣)】を引いてしまったことが決定打となって、偽りの妖精騎士との茶番により夜の大公は解放され、村人は半数虐殺、という負け負けのエンディングとなりました。


 展開と結末は前回と真逆。
 PC3は、龍への復讐心に加えて夜の妖魔に睨まれるというおまけをもらい、力を求めて世界を放浪。傍らには、兄貴分である元傭兵隊おり、常に背中を守ってくれることでしょう。
 PC1は、野心叶わず全てを失ったも同然の女太守を支えて、夜の妖魔との戦に諸国を糾合。彼らの間には新たな命が芽生えます。
 PC2は、妖精騎士の姿をした人形使いの新たなオモチャとして生まれ変わり、北原に封ぜられた魔剣を解放し、新たな戦乱を呼び込む任に旅立ちます。
 今回は、旧来の妖精王国への憧憬に象徴される妖精騎士への依存と、自立してよろめきながらも自ら歩みを進めようとする人の子の力、という対比が面白く。人の子は失敗を重ねつつも、諦めず前進していくのです。


 迷シーンは間違いなく、自らが紛い物の妖精騎士にすぎないという醜態を村人の前で曝したPC2が、期せずしてそれを証明することとなった女太守を「たばかったな!」と一喝する場面。女太守が妖精騎士に害をなそうとしたと見せかけ、村人の怒りを彼女に集中させる結果を生み出しました。真実を明らかにした女太守は文字通り石もておわれ、PC2は破滅しか行き先のない虚飾を選び取ったのです。みんな大受けでしたよ。


 全体的に、GMとしての自分のエゴが露骨に現れすぎたという反省があります。ホームグラウンドということもあり、喋り足らん欲が抑制できませんでした。
 NPCが喋りすぎで、結果PC同士の関わりが薄くなったのは、言い訳のできない失敗です。その割りに、NPCの性格を生かし切れなかったのももったいない限り。
 PCに突きつけるべき厳しい選択を、中途半端に濁したりしたのもよろしくない。全く別方向に走り出すリスクを冒してでも、女太守による村人大虐殺は入れるべきだったな、うん。
 とはいえ、久々にGさんと、昔の自分のGMスタイルで遊べたのは、望外の喜びでありました。

3部

 スッラ、モダン・アート、だべり。
 D&Dの奇妙なQ&A11選が好評。