断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

ストーリーとRPG(材料出し)

 ストーリー、物語。
 その意味するところは、人によるブレがさほど大きくないと思います。
 ところが、ストーリーとTRPG、とすると各人の心に描くところは様々です。
 極端な話、吟遊詩人的ガチガチGMであっても、そこにストーリーが存在することを誰が否定できましょうか?
 TRPGという遊びにおいて許容されるか否かは、楽しみを提供できているか、自己満足で終わっているか、その一点に尽きます。
 今回は、自分の考えるストーリーを中心としたRPGの根っこを書き出してみます。


 僕はRPGの論考に、あまり興味がありません。
 やれ定義だ、やれ分類だ、と理屈をこねくり回したところで、それが実際の遊びに生かせなければ無意味だからです。
 今回はいくつか定義のまねごとを行いますが、考えを整理する上でのメモ書きということでご容赦のほどを。
#なので、過去記事の繰り返しもいくつか・・・

そもそもストーリー・ゲームとは?

 以前とは別角度で表現するなら、ストーリー・ゲームとは「プレイヤーの興味の在処と、そこから導かれる物語を重視する遊び方」だといえます。
 深淵を例としてあげてみましょう。
 深淵におけるPCは二つの過酷な運命を持ちます。これらにどう相対するかプレイヤーが決めることで、セッションにおけるPCの目的や立場が固まっていきます。
 セッション内でGMが起こす事件に対して、各プレイヤーは自らのPCが求めるところを為すため、他PCとの対立や最終的な破滅も選択肢に入れつつ行動します。
 結果、その道筋がストーリーとなるわけです。
 GMの頭にある展開をプレイヤーに押しつけるなんてもってのほかとなります。
 だからこそ、特定の展開を持たない渦型が、システムの特性を最も生かす遊び方だと僕は考えています。

Conflict Resolutionの弱点と対策

 CRはプレイヤーの望む行動や展開を、セッションに直接反映させるルールであるため、ストーリー・ゲームとは一見相性がいいように思えます。
 ところが、一概にそうともいえません。
 プレイヤーが展開をほぼ完全に制御できてしまうなら、セッションは意外性を失い、結果的にプレイヤーの意欲を減退させることになりかねないからです。
 一般的に、プレイヤーは事故や失敗を望みません。
 しかし、面白いセッションとは起伏に富んだものであり、失敗や偶発的な事故はよきスパイスなのです。


 そのため有名どころのストーリーを重視したRPGシステムは、なんらかの工夫が施されています。
 いくつか引いてみましょう。

  • Primetime Adventure:役者であるPC同士をある意味競い合わせることで、それぞれが望む展開をつなぎ合わせてシーンを作る
  • Dogs in the Vineyard:目的を単純なものに留め、そのプロセスに事故が発生する可能性を常におく
  • Solar System(Shadow of Yesterday):リソースの消費で成功率を高めることができるが不確実で、回復にはPC同士の交流を必要とする(コミュニケーションの促進)
  • HeroQuest2(まだ読んでいる途中ですが・・・):それまでの判定から抵抗値を調整して緊張感を与えつつ、本当に重要な局面はヒーローポイントで乗り切れるようにする


 途中ですが、本日はこんなところで。