断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

空白の地図

 RPGは主に言葉によるコミュニケーションを介する遊びです。
 それゆえ、参加者が心に抱いている像が全く異なる事態も生じうるのです。
 極端な話だと、GMは小説調ファンタジー世界の町の情景を背景にしているつもりなのに、プレイヤーAは時代劇の長屋風景を、プレイヤーBはドットで書かれた昔のコンピュータRPG風の光景を見ていることだって起こりえます。状況認識のズレは、PCの行動をちぐはぐなものにする原因となるやもしれません。
 セッションをより体感的なものにするためには、この齟齬を埋めるための工夫が生きてくることとなります。


 こういったとき、小道具が強力な助けとなります。
 例えば、自分がDogs in the Vineyardを遊ぶ際は、必ずユタ州の自然、銃器、服装などを写した写真をプレイヤーに見てもらいます。現状、西部劇に馴染んでいる人はほとんどいないので・・・。
 また、D&Dなどで用いられるフィギアとマップの有用性は、僕が説明するまでも無いでしょう。
 あるいはルールブックのイラストが充実していれば、参加者間の共通認識を取るのは容易になります。天羅万象と零は、その一点においては間違いなく最高峰だと未だに思います。


 海外ストーリー・ゲームで時々目にする手法は、ゲーム開始前に参加者全員で簡単な地図を作ることです。
 白紙を埋めていく場合もあれば、外枠だけの地図に書き込んでいく場合もあります。
 プレイヤーのアイデアを拾い上げて、舞台への馴染みを深めさせて、位置関係の把握にも用いることができる、と上手くすれば一石三鳥も狙えます。
 セッション中の活動範囲の子細をプレイヤー自身が決定するこの方法は、厳密な管理が必要なシナリオには向きません。
 しかし、参加者のコンセンサスが最重要となるストーリー・ゲームにおいて、明確な形で共有物を作ることは単純であっても力を持つことでしょう。
#りゅうたまの世界・町作りと少し似ているかも


 実はこのへん避けてきたきらいがあります。
 それも絵心がなかったというのが原因、という恥ずかしい理由により・・・。
 とはいえ、Google Earthの航空写真を、何らかの画像加工アプリを用いて黒白に変換して反転させれば、枠のみの空白地図は簡単に作成できます。食わず嫌いできたけれど、案外容易く試すことができるのではないかと、ようやく気がつきました。
 次回GMするセッションにこれが生かせると・・・いいな。