断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

ストーリー・ゲームと没入感

 参加者が協力して物語を作っていくタイプのRPGは、そちらにフォーカスする分キャラクターへの没入感がどうしても低くなります。
 Lady Blackbirdを遊んだベテラン・プレイヤーの一人からは「面白いけど、設定や先の展開をプレイヤーの頭で考えてしまうから、キャラクターに没頭できない」というようなご意見をいただきました。
 僕がGMした際は、プール・ダイスの回復にキャラクターの一側面を示す言動が必要、としてとにかくPCに話をさせることで、ストーリーの材料を拾い集める方針だったので、殊更そう感じられたのかもしれません。なまじ仕掛けがわかるプレイヤーなら余計に。
 GMレスなタイプのストーリー系RPGなら、更にその傾向が強まると予想しています。


 僕自身は、これまでRPGとキャラクターへの共感は切り離し難いものとして遊んできました。サークルの文化的に、GMの工夫が薄い即興劇はさほど好まれない傾向があり、その影響も大きいと思われます。
 そのためGMは準備無しで、参加者が協力してお話を作るタイプのインディ系RPGは、避ける傾向にありました。ある程度まで準備したシステムはいくつかあるのですが、結局セッションをするに至ったのは3:16とLady BlackbirdとIn a Wicked Ageぐらいですね。
 Primetime AdventuresやInSpectresに興味をそそられつつも、手を出すことに躊躇があるのはそういった理由からです。


 たぶん僕は、プレイヤーが協力してストーリーを織りなすことよりも、キャラクターの行動の結果が興味深いストーリーを切り開く形の方が好みなのです。もちろん前者も面白いとは感じるのですが、理想としては後者を目指します。
 おそらくDogs in the VineyardやApocalypse Worldに強く惹かれるのは、あくまでキャラクターを基盤に据えるシステムの構造ゆえではないかと考える次第です。
 ストーリーをRPGで紡ぐことを望みながら、プレイヤーのあからさまな介入は控えたいという自己矛盾を抱えたまま遊んでいるので、方向性に迷うこともままあります。自分でも困ったものだとは思うのですが・・・。