断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

良き吟遊詩人GMになるため

 日曜に、深淵の凝ったシナリオを作るという約束をしてしまったわけですが。
 今ひとつ、これに乗り気ではない自分を追い込むため、二つほど布石を打ちました。


 さて、ここ最近のセッションは、プレイヤーに雰囲気を作ってもらい、それに乗っかる形を続けてきました。よく言えば融通無碍、悪く言えば出たとこ勝負なマスタリングです。そのため、ノリだけのセッションになっていると指摘されれば、否定しきれない側面もあります。実際、リファレンスの準備がいるシステムによるセッションを短いスパンで量産したため、シナリオの質的な劣化が発生していたのも事実ですので。
 なので次のシナリオは、古風なやり方をとることとなりました。
 そう、GMがストーリーの舵取りを行う、吟遊詩人GMスタイルを・・・。


 一口にGMによるストーリー主導といっても、色んな形があります。
 プレイヤーは基本的に、意に沿わない方向性を強制されることに抵抗を感じるものです。なので、上手な吟遊詩人GMとは、1)プレイヤーに強い束縛感を与えない創意工夫をすること、2)たとえ強引であってもプレイヤーに興味を抱かせる展開や雰囲気を提供すること、の二点を抑える事だと思います。
 特に重要なのはセッションの雰囲気を支配することです。これに関しては、GMの、声質、アドリブ能力、素養などによってやり方も違うでしょうし、書き出すことにあまり意味はありません。それぞれの方法で、プレイヤーを雰囲気に引きずり込んでください。事前準備しておけるのは、鮮烈なイメージや五感に訴えかける描写のスケッチぐらいですかね。ここに注意を払わないと、描写不足などでGMの頭に描いている情景と、プレイヤーの持つイメージに大きな齟齬が生じてしまう危険があります。
 やっちゃいけないと自戒していることとしては、強力なNPCによる誘導、プレイヤーのモチベーションを削がない、あたりでしょうか。
 前者は言わずもがな。PCたちの存在意義を奪うようなNPCは不要です。
 後者は、キャラクターのモチベーション形成ばかりに気をとられて、プレイヤーのそれを忘れることです。例えば、GMが(PCの恋人が、宿敵によって悲劇的な死を迎えた。これで復讐への気運が高まるはず。)と思っていても、プレイヤーは(あのうぜぇ糞ビッチがようやく死んだか。敵討ちしろって流れなのだろうけど、たいして共感も抱かなかったし、あの強引な殺し方じゃどうにも意気が上がらないなあ。)とか考えている可能性があるということです。ステレオタイプな反応を前提とするだけで、気を配っていないGMを時々みます。雰囲気の形成で失敗しているとも言えるわけですが、プレイヤーを没頭させる一工夫は念頭に置くのが吉でしょう。
#といっても、自分も常にやっているわけではないのが何とも