断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

十月はたそがれの季節

 日はその力を失い、薄寒い風に乗って病が忍び寄り、暖かな鍋が美味しい季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
 昨日はえらい風邪っ気だったので、ついに流行病に感染かと、わくわくしながら医者にかかったところ、ご期待にはそえませんとのこと。毎週のように、健全とは言い難い環境でRPGを遊んでいるため、妙な耐性ができているのではないかと考えられます。そういや、サークルでインフルエンザにかかったという話は、今年まだ聞いてないなあ。
 そんなわけで、ミネストローネを煮込みながら、時間つぶしにごちゃごちゃと。


・AGON
 PC間のポイントを巡る争いと協力、GMの障害配置がポイント制、戦闘が敵との抽象的な距離をベースにした戦闘マップを使用。細かいところまで読んで、3:16と類似点がありすぎることに気がつきました。3:16の方が特化かつ抽象化を推し進めてはいるのだけれど。3:16の後書きを確認したら、ちゃんと影響を受けた他RPGのトップにAGONがあげられてましたわ。(先週、AGONの「競争」という基本コンセプトを話しただけで、「ああ、それは3:16と同じですね」と看破したAさんはすげえと思う)
 んでま、セッション構成をちと補足。
 AGONにおいては、最初に神々から探索(Quest)が与えられます。それを達成するため、段階的な「目的(Objective)」を踏んでいくこととなります。サンプルとして記載されていたものをあげてみましょう。

探索:金の猪
主要な目的:イオンの金の猪を倒し、牙を持って帰る
副次的な目的
 明らかに関係しているもの:
  →猪がねぐらとしている場所を見つけだし、それから・・・
  →猪のねぐらまで旅する(危険な地域を通り抜けて)
 どこにでも挿入できるもの:
  →どのようにして猪の牙を引き抜くのか見つけ出す(魔法的なものであり、特別な手法が必要)

 この「目的」の数と、PC人数に応じて、GM(Antagonist)はStrifeと呼ばれる妨害ポイントを手に入れます。一般的には「目的数x英雄数x5」Strifeを得るようです。このポイントを消費して、敵対NPCのデータを(事前に)作成し、セッション中にPCが直面する状況の難易度を(臨機応変に)上げていきます(そう、GM裁量だけで難易度を割り振ることができないのです)。
 そういう構造なので、探索や目的から大きく足を踏み外す行動をPCはとれません。
 PCに与えられる「自由」は、自分の得意とする分野の能力を生かすように行動し、有利な状況を仕込み、「誓い」を利用して他PCとの貸し借り交渉を行い、ここぞと言うときに特殊な行動(「宿命」「神の恩寵」「傲慢な振る舞い」「幕間を挟む」)を利用することです。もちろん、PC間の楽しい会話もお楽しみ下さい。
 でもこれって、日本の一般的な市販シナリオをほとんど変わらない制限と言えますよね。より明確化して、システムに組み込んでいるだけで。そういうわけで、比較的違和感なく遊べてしまうのではないかというのが、ざっと目を通した感想です。ルールはシンプルで戦闘はそこそこ考えて動く余地があるため、普通に面白そうな印象です。
 今からルール・リファレンスを作成し、公開されているシナリオ二つのうちどちらかをテキトー訳して、可能ならば今週の3部に持っていく予定。
 なお、世界設定の外枠を取っ替えて(北欧神話、古代アメリカ、特殊部隊もの、スペオペなど)遊ぶのもよし、とルールブックに記載されています。wikiをみたら、クトゥルフの呼び声関係のデルタ・グリーンを背景とする遊び方が提案されてました。AGONをもじって、DAGONだそうです(笑)。凝ったキャラクター・シートを(デザイナー自ら)作っておられたりするノリノリぶり。