断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

S7Sの簡易リファレンス(その1)


 迷ったけど、結局作業開始してしまいました。
 週末までに間に合うか、限りなく不安、ってかルールはともかく世界観とシナリオ作成が冷静に考えたら無理くさいのですが・・・。ええい、ままよっ!
#訳語は相当にテキトーですがご容赦のほどを


Swashbucklers of the 7 Skies キャラクター作成リファレンス


●Swashbucklerとは?
タイトルにもあるSwashbucklerは広い意味を持つため、適切な訳語を当てはめるのが難しい単語です。概ね華麗なる剣士たちの冒険活劇のことを指し、『三銃士』に代表される銃士ものと『パイレーツ・オブ・カリビアン』のような海賊ものの2ジャンルが中心となります。奇抜とさえ言える派手な格好をした軽装剣士と悪漢のフェンシングによる一騎打ち、覆面の義賊による軽快で派手なアクション、貴婦人との情熱的なロマンス、復讐の鬼となった男が巡らす陰謀、未知なる島々を巡る海洋冒険、宝物を巡り海賊たちと繰り広げられる戦い、等々心躍る数々の物語がここには含まれているのです。『スターウォーズ』や『ルパン三世』やカンフー映画などもSwashbucklerの血縁と言えましょう。
S7Sの背景世界はマスケット兵全盛の近世ヨーロッパではありません。タイトルにある「七つの空」が示すとおり、広大な空に大小の島々が浮かぶ架空世界が剣戟の舞台となるのです。飛空船が島々の間を行き来し、特徴的な文化を持つ主要七カ国が時に争い、錬金術を初めとする数々の神秘の業が息づくのが、この世界「天の穹窿(Dome of the Heavens)」です。実は『天空の城ラピュタ』がヴィジュアル・イメージとしてはかなり近いのではないかと思われます。
それでは、S7Sでプレイヤーが演じる冒険活劇の主人公たちの作成手順を見ていきましょう。コアとなるのはPDQ#という軽くて柔軟性の高いシステムであり、PDQというシステムに活劇的な要素を盛り込んだものです。


●S7Sのキャラクター
▼長所(Forte
「長所」はキャラクターの顕著な才能、技能、知識、社会的な繋がり、個性、魔法的な資質、資産などを描写します。プレイヤーは単語あるいはフレーズで、キャラクターの望み、好み、出来ることなどを数え上げ、選択してください。GMはそれらの長所を、採用するか否かを決めます。
個々の長所は、関係があると考えられる全ての行動に利用することが出来ます。それゆえ、長所やその関連項目があまりに広範なものは選ぶべきではありません。この判断はGMにゆだねられます。例えば、「鍛冶屋」という長所を取って問題無い場合もあれば、「武具師」「蹄鉄工」「金細工師」などに金属加工の長所を分けるようGMが指示する場合もあるでしょう。

長所の例
・個性:思慮深い、共感、執念深い、親しみやすい、いたずら者、明敏な
・肉体:茶目っ気のあるハンサム、力強い、ダンサー、忍耐力
・精神:人文学者、良質な飲食物、天才、言語学者、当意即妙の才
・社会:王を知っている、友達がどこにでもいる、話し上手、人を脅す、ロベータ嬢への愛
・職業:教師、スパイ、決闘の専門家、賞金稼ぎ、盗賊


▼長所のランク
長所は次のような5つのランクを持ちます。カギ括弧の中の数値は修正値(MOD)であり、「挑戦」の場合は2D6を、「決闘」の時は3D6を加えます。なお、特殊な秘密に関わることや専門的または魔法的な長所以外なら、関連する長所を持たなくても平均[0]と見なして判定出来ます。

貧弱[-2];平均[0];優秀[+2];熟練[+4]:大家[+6]
(Poor[-2];Average[0];Good[+2];Expert[+4];Master[+6])

プレイが始まったあとに、役に立たない、あるいはキャラクターに合わない長所を取ってしまったことに気がつくこともあるでしょう。その場合は、プレイヤーとGMが相談して、合致するものに変更すればいいだけのことです。怖れることなく、キャラクターのコンセプトにあった長所を考え出して下さい。
S7Sの全てのPCはSwashbucklingの長所を持ちます。これはキャラクターを特徴付ける特別な長所であり、どのようなものでもかまいませんが、一つしか取ることができません。これに関係した「技巧」は習得しやすくなります。なお、訳語が思いつかないため、便宜上「特筆すべき長所」という語を当てています。

一般的な特筆すべき長所(Common swashbuckling fortes)
運動、格闘、剣術、火器、馬術、装備:先祖から伝わる剣、組織、
当意即妙の才、秘密、召使い、相棒、裕福


▼欠点(Foible)
「欠点」は、キャラクターを興味深いものにする欠陥や特色であり、面白い失敗の機会を提供します。固有の否定的あるいは問題を孕んだキャラクターの側面であり、弱点、無知に由来するもの、誤った理解、肉体的あるいは精神的な傷害、厄介ごとを引き起こす傾向ややり口などの弱みとなります。プレイヤーは一つの単語かフレーズを選択して下さい。それはプレイを通じて可笑しさや楽しみをもたらす何かを描写するものです。「動機」と同じ欠点をとってもかまいません。例えば、真の愛はトラブルを引き起こすと同時に、キャラクターの力にもなるものだからです。いくつかの長所は特定の欠点が奨励されていますが、プレイヤーはそのガイダンスを利用しても無視してもかまいません。
「欠点」はランクを持たず、ダメージを吸収する用途には使えません。判定に必要なときは貧弱[-2]を用いてください。欠点は常に有効なストーリーフックとして作用し、表出するときはPCにスタイル・ダイスをもたらします。欠点はプレイヤーが望むときと、GMが提案したときに使われます。前者の場合はプレイヤーがGMに知らせた上でロールプレイすべきですし、後者の場合はプレイヤーが拒否することが出来ます(もちろん、受け入れればスタイル・ダイスがもらえます)。

一般的なSwashbucklingの欠点
大酒飲み、王権への敵対者、強欲、高潔、純真、完璧な紳士、
貧乏、誇り、正体を隠している、真の愛、報われぬ愛


▼技巧
「技巧」は生得や訓練あるいは背景によって、関連のある状況における、ボーナスや有利さをもたらすものです。以下の二つのうち一つの効果を持ちます。

・ロールと維持:追加ダイスを1振り、最良のものだけを残す(「挑戦」なら2D6)
・均一なボーナス:判定に+1のボーナスを与える

技巧は1ターンにそれぞれ1回しか使えませんが、一度に複数が利用できます(作風の複数同時使用のみ不可)。ダイスを振る前、振ったあと、どちらのタイミングでも使えます。技巧にはランクがないため、ダメージの吸収はできません。
技巧には、特定の長所と共にしか使えない「縛られた技巧」と、どんな長所とでも合せて使える「縛られない技巧」の二種類があります。前者は利用出来る範囲が狭い代わりに習得がたやすく(特筆すべき長所なら更に簡単)、後者は便利な代わりに習得が難しくなっています。また、いくつかの長所には「流派(School)」と呼ばれる、特殊な縛られた技巧が付随します(「一般的なS7Sの長所」参照)。


▼技巧のタイプ
作風(Idiom)
行動を行なう際のスタイルか味付けです。プレイヤーが作風に沿った描写を行なうことによってボーナスを得ることが出来ます。

例:軽業、抜かりのない、酔っている、衒学的、物憂げ、皮肉、几帳面

場所(Location)/状況(Situation)
特定の場所や状況においてボーナスを与える技巧です。

例:街の通り、市場、私的な部屋、酒場と宿屋、教会と寺院、宮殿、荒れ野、散開しての交戦中、祭りの舞踏にて、騎乗中、空中戦、仮面で正体を隠す、水中、軍隊同士の近接戦、船上、散らかった地面の上、上官の命令下、調理場、全体的に闇に覆われている、負傷している間、パートナーと一緒の間

妙手(Maneuver)
特定の妙手や方法や術策を用いればボーナスが得られる技巧です。

例:説得、回避、調査、受け流し、絹製品への専門化、嘘、投擲

敵(Foes) あるいは vs.[X]
優先された対象に対してボーナスがもらえる技巧です。

例:vs.聖職者、vs.貴族、vs.農民、vs.暗殺者、vs.犯罪者、vs.騎乗している敵、vs.動物、vs.スパイ、vs.特別な強敵、vs.子供、vs.高位の名を持つ対象、vs.超自然、vs.水夫、vs.兵士、vs.国家の敵、vs.法務官、vs.大臣、vs.反逆者、vs.だまされやすい敵、vs.エイゲフ流派の剣士

道具(Tool)/武器(Weapon)
特定の武器や道具を用いたときボーナスが与えられる技巧です。

例:レイピア、かなてこ、カトラス、国王命令、サーベル、鍵開け道具、棍棒、素手、魔法、扮装具、二刀流武器、受け流し武器、用意されたスピーチ、外套、父の炉、調度品、物体を見つけ出す、風景を見いだす