断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

世界観を提示する手段

 んでV:TRをつらつら読んでおりますが、都市生活する限りにおいてはほとんど変わってませんね。上の方のごちゃごちゃ設定を(少なくとも基本ルール部分では)排除したのは、V:TMがあまりに凄まじかった反動でしょうか。あれはあれで好きだったんですが、原書から読み解いてくださる方がおられなければ、ついて行けませんでした。
 がっついた読み方をしていないため、まだ読んでいる途中です。相変わらず世界観の基調となる設定が詳細に書かれているため、先に興味のあるルール部分を読んだら、そっちが残ってしまいました。とほほ。
#キャンペーンを打つ可能性が出て来たので今からがつがつ読みます


 それにしてもTRPGのルールブックによる世界観の提示方法からは、世界の雰囲気だけでなく、ゲームの設計思想やターゲットとする購買層などの情報も垣間見えて面白いですね。
 例えばV:TRでは現代世界をベースとして、実世界と“暗黒の世界”の差異、ヴァンパイアのメンタリティから封建的な社会構成などを詳細に示していきます。具体的な歴史的事件や重要なNPCなどはほとんど登場しませんが、これを読んでおけばシナリオを作る際に基調とするテーマや、PCの行動に対するレスポンスを思い浮かべやすくなるでしょう。洋モノのTRPGは比較的詳細に世界設定を構築する傾向がありますが、雰囲気とPCのあり方を前面に押し出すのはこのシリーズの大きな特色ですね。
 お盆休みに最近の国産RPGを何冊か借りて読みましたが、いくつかはNPCを大量に載っける形式をとっていました。これはキャラクターを通じて世界観を提示する方法なんだと理解しています。PCを作成する際に記載されているNPCと関係づけたり、参照(元ネタ作品を含む)にして設定をつけたりすることにより、背景世界にアクセスする助けとなるでしょう。その分、世界観はごった煮的な様相を呈してしまいますが、手がかりが多いので個性づけるのも容易になると推測されます。
 どちらがよいのか、ではなく、どちらが好きなのか、が評価の基準となるでしょう。個人的には(RPGを始めたころは世界設定重視のシステムが全盛期だったこともあり)前者の方が馴染みがありますが、後者の取っつきの良さも上手く工夫してあるなと思います。