断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

寝ぼけ記事

 某所に本を返しに行ったら1ゲーム巻き込まれて、帰った後の眠りが浅く目が覚めてしまったので軽く書きます。
 先に書いたナイトメアハンター=ディープの話をしたところ、ナイトメア退治さえすれば全ての被害が元通りという基本ルールの設定だと、危機感や人を救おうという気持ちが削がれるという結論に。やっぱそう考えますわなあ。セッション当日までには公平な指針を決定して、プレイヤーには事前に知らせた上で遊んでもらいましょう。
 どうやらうちのサークルにはNHDが前提としている性善説に基づいた善人はほとんどいないようであります。わかってたけど(笑)。今でもシビアな割り切りや生き残るためなら八方手を尽くす文化は根付いていますが、自分が現役の時はもっと熾烈でした。「言うだけならタダ、もらえるものはもらえ」の精神でキャラクター作成中にGMにアイテムの要求を出してみたり(例:ソードワールドRPGで中堅レベル以上の時は魔晶石を所持していないか確認してみる)、脱出時に他のPCを躊躇なく見捨てたり、動機があれば仲間を裏切ってみたり。自分の記憶に鮮明なのは、旧版の『深淵』を遊んでいた時(ほとんどは自分がGM)に自分より上の回生の人は魔道師でも必ず胴体に防護点1のある鎧を要求したことです。旧版では鎧のある部位へのダメージは、貫通していない限りカードを捨てることで打ち消せたので、たとえ1点であっても死亡率を引き下げることができたのが理由です。ストーリーを主眼にしたマスタリングで中心的だった方も含め例外はなかったですね。
 春過ぎに、自分がほぼ最年少という珍しい環境に呼ばれた時も、そのあたりは全く変わっていませんでした。1920年代のクトゥルフだったのですが、GMの「今回は荒事がありますよ」という一言に警戒心を強めたプレイヤーによって、PCは全員同じ猟友会の知人という設定がねじ込まれ、鴨撃ちのために全員ショットガンを携帯して探索に出かけたのです。クトゥルフだから最終的に全滅するのはかまわないのですが、途中の事故死や突破できない状況などにより真実に近づく機会を逸するのは問題だということです。
 一見するとマンチキン的行動に思えるかもしれませんが、個人的なデータ的な強さを求めそれを誇るのではなく、パーティ全体が生き残るための手段を確保するものなので、明らかに違います。安全ネットを備えないシステムが多かった時代の産物とも言えましょう。同時に新人GMに対しては、行きすぎた要求をはねのけるだけの精神力と、その際に用いる論理的な理由付けの思考力を訓練する意味合いもあったのかもしれません。た、たぶん。