断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

ナイトメアハンター=ディープのルールブック雑感

 だいたい読み終わりました。といっても、超能力、技能の詳細と、GMパート以降は基本斜め読みで、所々はきっちり目を通した感じです。実際に遊んだわけじゃないので、ルールブックを読んでの簡単な感想を。


 ルール自体はシンプル路線なのですが、直感的にわかりにくい部分がちょくちょく見受けられます。6面体の6の目を10に数える(期待値4.17で能力値の数だけダイスを振るロール)、能力値をアクティブとパッシブに分けているのはいいんだけど実際のアクション内容と使用する能力の表を見るとパッシブ能力で能動行動もみられる、【夢の力】と【宿命】という二種のヒーローポイントの存在(片方は変動が多い)、など。ルールとしてやりたいことは理解できるんだけど、もうちょっとすっきり整理できるような。イニシアティブが同値の時の処理が欠落していたり、行為判定の項に技能を持っている場合の処理が書いてなかったり、編集の問題なのかもしれませんが。
 んで、ルール思想として、対抗判定の時は能動側有利なのに加え、ロールの際のダイス目に1があれば【宿命】を得られるので、PCに積極的な行動を求めるようにみえます。ただ、これがやってみないとわからない気がします。というのも成長ルールに【宿命】を10以上使用したらボーナスがもらえるとあるんですが、例として1シナリオで38と33使用したPCが書かれています。つまりこの例だと、能力値平均を4としても1PCでセッション中に50回ぐらいのロール(振り直しは除く)を行っている計算に。あ、ホラー判定とダイブ時のボーナス(それぞれ1)、あとは【夢の力】の使用で振れる増えるから若干は落ちますか。それでも多すぎる気がします。キャラの個性を示す行動を多めに行うこと奨励なのかしらん? この【宿命】ルールは、昔の天羅万象にあった気合いを得るために他PCやNPCとの関係を作りロールプレイを行う、というシステムの敷居をさらに下げたもののように読み解いてしまいました。
 スキルルールは個性付けの意味合いが強そうです。戦闘系は便利そうだけど。超能力は直接系より、何かを操ったり、呼び出した存在を動かす系列の方が応用範囲と創意工夫の余地が広そうにみえます。超能力をうまく使えば経験値が増えるシステムなのでそっちを選ぶ人が多いかも。あとまあ、好みだし評価の対象ではありませんが、各超能力名の下に、英語の能力名とそのカタカナ表記されているのがすごく恥ずかしいんですが・・・。
 世界観の持つイメージはなかなかに優れていると思います。ざっと読んだだけでも、こういうシナリオをやってみたいなと思わせる何かはありましたし。ただ、武器表の拳銃の欄が妙に充実していて、ここは現代日本だったはずだけど、とか小首をかしげてしまったりもしましたが、それはご愛敬。
 あと、個人的に引っかかったのは「セッションで守るルール」の項。コンベンションを前提としているんだろうけど、例外なく「すべてのルールよりも大切で優先されるべきもの」と記載しちゃうのはどうなんでしょう? 人間の夢や闇の部分を扱う以上、想いが対立してのセッションの停滞や、邪悪なものとしての目を背けたくなるような不快な存在も、使いどころに気を遣えば有用なフレーバーになりうると考えています。モラルの名のもとにそういった可能性を「よくないもの」として足きりするのは少し疑問だったり。このあたりは、お互いを知っているサークルが主な遊び場なのと、「セッションに協力するということ」にはいろんな想いを持っている故に引っかかっちゃうんでしょう。


 そうそう重要なことを忘れるところでした。一通り目を通した感じ、このゲームは独自性はあるけど、それをこれまでとは違ったタイプに分類するR&R誌での分け方はあまり根拠があるとは思えませんでした。ゲームにおける主要な雰囲気とかそういう分類方法なのかな?
 せっかく読んだんだから一回はゲームマスターするつもりでシナリオを作り始めました。セッションをやってみた上で、自分の中での評価を確定させることにします。しかし、目を通した感触だと、以前サークルで聞いていたのとほぼ同じ評価に落ち着きそうなのがなんともかんとも。