RPGシステム世代論、今昔
本の整理をしておりますと、ロールプレイングゲームマガジンが数冊発掘されまして。1996年2月の70号でRPGのシステムに関する世代論なんぞをやっておりました。「そういえば最近R&Rでも似た分類をやってなかったっけ?」と探すと、42号の「オリジナルシナリオを作ろう!」という記事の中でシステム分類が行われていました。が、よく見ると分類の元は故多摩豊氏が1995年に出版された本とのこと・・・簡単な比較記事を書くという手抜き計画が一瞬で水泡に帰しました。とほほ。折角だから、12年前に「来るべき世代」とされた未来のシステムが現実にとった方向性のあたりだけでも見ていきますか。毒にも薬にもなりませんが、このサイト自体がそういったスタンスだし、書き散らしちゃいます。
まずはRPGマガジンの方から分類をさらっと。
- 第一世代:特に背景世界をもたず、割と一つの遊び方(ダンジョン探索など)に特化されたシステム−昔のD&D、T&Tなど
- 第二世代:世界観設定によりイメージの統一が行われ、背景世界に根ざした様々なシナリオが遊べるように−ソードワールド、トラベラーなど
- 第三世代:一つのシステムを覚えることで複数の世界が遊べるようになる汎用RPG−ベーシック・ロールプレイング・システム、ガープスなど
- 第四世代:世界観をルールに取り入れ、再現性を高めたシステム−クトゥルフの呼び声、トーグなど
「来るべき世代」として、マジック全盛期だけあってTCG要素を取り入れたもの、とか、レレレのようなメタ的なものにある可能性、とか今ひとつはっきりしません。続く記事ではストーリー面を支援するシステムに次世代RPGの可能性を見ています。その先はどうなったのかとR&Rの記事を紐解きますと、タイプ3が第四世代にあたるのですが、続きはキャラクター重視と定番の再現にフォーカスしたタイプ3.5aと、意外性のある物語の創造を目指したタイプ3.5bとに分類されております。更にその先として、既存のシステムにおける長所をピックアップし、コンパクトにまとめ上げたRPG、例としてナイトメアハンター=ディープがあげられておりますが、ルール未見かつセッションに参加したこともないのでコメントはできません。
私個人は2000年以降、RPGをやっていない時期の方が多いので(今年は例外的にかなり遊んでいる)、現在多く出回っているシステムに関して暗いところがあります。ただ、現在においても多様なRPGが出版されている状況は歓迎すべきことだと考えています。それにしても、12年前に比べるとシステムはいろんな面で洗練されましたが、実は「来るべき世代」はまだ登場していないのではないかと思えてなりません。そういった意味ではタイプ分けという考え方のが正しいのかもしれませんね。