断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

私的な幻想物語観

 別な雑談を書こうと思ったんですが、うまくまとまらないのでまたそのうちにでも。『深淵』の魔族に関する、勝手な解釈というか思いつきをこねくり回していたら、筋道が通る話になった気がしたんですが、言語化しようとすると長くなりすぎる上にまとまりませんでした。ってことで『深淵』のゲームマスターをする際、念頭に置いている幻想物語をあげてみることにしました。


 幻想的なファンタジーRPGを遊ぶ時は常に『指輪物語』『ゲド戦記』『エルリック・サーガ』『紅衣の公子コルム』あたりを思い浮かべています。このあたりは定番過ぎるので省略。全部大好きな物語たちです。少年が、魔法を教える水車小屋の粉ひき職人になる『クラバート』からも大きな影響を受けています。成長物語であると同時に、人間関係や市井の人々が持つ活気、常につきまとう死のイメージ、多くの代価を払いつつ対決してゆく流れなど、今でも時々読み返しています。濃密な幻想譚としてはタニス・リーの『平らな地球』シリーズを第一にあげます。特に最初の三冊(『闇の公子』『死の王』『惑乱の公子』)は出色の出来です。連作集という形をとり、徐々に積み上げられる物語は驚くほど多彩で、自在に流れていくように見えつつも、大きな物語を形作って行きます。残酷なおとぎ話、幻想と狂気、鮮烈な情景描写と影響を受けた点を上げるときりがないぐらいです。今でも、シナリオ中にこの作品から引っ張ってきたとしか思えないNPC(『死の王』に出て来た、願いを叶えるのと引き替えに他者の身体の一部をもらい、継ぎ接ぎすることで死から逃れている老婆、など)を出してしまったりするほどです。
 他にも影響を受けた作品をあげれば切りがなさそうなのでこのあたりで。