断片の物置、跡地

記憶の断片が散乱するがらくた置き場

レポートの続き(本編前半)

 ネタバレを含むので、みはいる(id:mihairu)さんの黒剣のシナリオに参加されたことがあったり、今後参加する予定が一切無い方向けです。しかし、検索エンジンが拾うことを考えるとあんま意味ないのか・・・というわけで本筋に絡むネタバレはできる限り避けます。


 セッション開始時点での各PCへの印象は次の通りでした。
・PC1:アクティブに発言されるので牽引をお願いしたい印象
・PC2:キャラを立てていくタイプで選択した運命がツボに入った?印象
・PC4:盗賊の割には善意が強く常識的な印象
 ということで、前回も書いたとおり、各PCの動きを見つつ主要な流れからは若干ベクトルをずらしつつ関与するという方向性で動いていきました。最初はPC全員の来歴を確認するオープニング夢歩きから開始。そして、PC全員が(旅は危険であるため共に移動することで相互の安全を図るために)旅芸人と共に移動する旨を告げられます。旅芸人一座の新人であるPC1の踊り子が座長の命令で、PC一人一人に間もなく出発であることを告げて歩きます。
 この時点でPC1との関わりがこのシナリオの大きなウェイトを占めると感じました。とりあえず座長や先輩芸人にいじめられているっぽいことをプレイヤーがアピールしているので、貴族の権威をかさにきて座長に圧力をかけてみたり、PC1を娘の専属的なお守りにつけるよう頼んで謝礼をはらったり。そして旅へと出発します。
 GMによると今回はPC間の関係構築がかなり早かったとのこと。このパートにおける自分のPCと他のPCとの関係は、「対PC1:娘を通じて。それとなく身を守るようにも働きかける」、「対PC2:貴族階層の出同士、かつ同行する中で剣が使えるもの同士ということでアプローチ多め」、「対PC4:PC間に対立軸を作るため隊内の怪しい奴を調査するという口実を設けようとしたが、他のPCとの関わりが良好な上に盗賊とは思えない善人なので手出しを控える。結果、関わりが一番薄くなってしまい反省」、といったところでした。
 PC間だけだと客観的な情報が得られないと考え座長にPC1のことを尋ねたり、一座のまじないおばばに夢の解釈を頼んだりもしてました。GMはPC間の会話の合間にも唐突に夢歩きを挟んで情報を与えていたため、この行動は必要なかったのかもしれません。ただ、基本的にプレイヤー情報とキャラクター情報をきっちりとわけてキャラクター情報を動機付けに動く癖がついているので、そういった行動を取った次第です。深淵の場合往々にして混ざるのですが、GMが明言しない限りメタ情報はあくまでキャラクターは知らないとして行動を組み立てています。(もちろんプレイヤーは知っているため、キャラクターは知らないけれどもあからさまな罠に自ら飛び込むなどの愚かな行動は回避します。『深淵』の場合はもちろん酷い目に遭うとわかっていながら飛び込むこともあるので一概には言えませんが。不自然にやると興ざめなので、できる限り自然に見えるよう行動手順や演技で補足。)
 数日後、立ち寄った村で芸人一座による演し物のシーンではPC1が本領を発揮。それまで技量だけで感情に欠けていたはずなのに、感情を絡めた見事な踊りを披露します。同時に記憶も徐々に戻り始めるのですが・・・。同時に踊りの先輩は普通にちょっと厳しいだけのいい人っぽいとも判明。PC1が一座にいじめ抜かれる展開かと思ったけど、座長は彼女の才能を買っているし、踊り子の先輩も実力を認めた上でねぎらいの言葉をかけているしで、どうもプレイヤーの思い込み設定だった模様。雰囲気って怖いですね・・・。
 なお、夢歩きでは不吉な影をみたりで、プレイヤー的にはいくつか真相が思いついたのでPC1との会話でカマをかけてみたりしてました。GMから「真相に気づいた?」みたいに言われましたが、可能性が多すぎて絞ってませんでした(笑)。けれど、たぶん最終的には○×○を奪い合うような感じになるし、それを利用すれば娘が救われるんだなというのはこの時点で確信してました。以降のイベントは、関係構築が早かったためにGMがすっ飛ばして一気に森のシーン(後半パート)へと進むこととなります。


 GMであるみはいるさんの手法を観察して興味深いなと思った点をいくつか書き出してみます。
 まず、夢歩きのはさみ方。プレイヤーに緊張感を与えるタイミングをよく見ておられるなと思いました。自分がGMする場合、ここ最近は夢歩きそのものを意識的に減らしている(理由は別項でそのうちに)ので、プレイヤーの意表を突いてセッションを引き締める手段として少し回数を増やそうと考え直しました。
 時間管理を含めたセッションマネージメントも安定していました。展開が早いとなると不用なシーンを切ったり、関係構築のためにPCが一対一で軽く会話するシーンを要求したら入れていただいたり、そこに別PCが介入しようとしたらきっちりと切ったり。『深淵』の場合、プレイヤーに展開を任せるのが奨励されている割に、「俺が俺が」でしゃべってしまう人がとにかくシーンを喰ったりするので、こういったバランス感覚は非常に重要です。
 PC設定の取り込みがうまいなと思ったのは、PC1がドジという設定をプレイヤーが付け足しそれを繰り返し強調されていたので、上手に設定の取り込まれ座長からの情報にも絡められたところです。座長から話を聞いた時点で、それがどういう意味を持つかプレイヤーはほぼ理解していたので、なるほどなあと感心してました。
#なんか上から目線で偉そうに読めてしまうかも・・・スンマセン。純粋に感想です。